世界銀行と世銀債について

世界銀行や、世界銀行が発行する債券(世銀債)について、そして、日本と世界銀行との関係について、ご紹介します。

INDEX
「貧困のない世界」を目指す世界銀行

世界銀行(正式名称は国際復興開発銀行、以下、「世銀」という。)は、1945年に設立された国際的な金融機関であり、設立の目的は、第2次世界大戦で荒廃した国々の経済復興支援にありました。現在は「Working for a World Free of Poverty(貧困のない世界を目指して)」をスローガンに掲げ、「発展途上国における持続可能な経済発展を促進し、貧困を削減すること」を主たる目的としています。そのために、世銀は国際金融市場から資金を調達し、発展途上の加盟国への貸付を行なっています。世銀は商業銀行ではないため、その目的も利益の最大化ではなく、開発効果の最大化に置かれています。

高い信用力を得ている世銀債

世銀が債券(世銀債)を発行して調達した資金は、途上国や新興国などに貸し付けられ、環境保護や民間部門の成長支援、公的部門への援助や経済改革の促進などに使われています。

世銀の貸付は、国、または国の保証を受けたプロジェクトに限定されています。また、強力な資本基盤と厳格な財務管理などにより、世銀債は2007年現在、格付け機関のスタンダード&プアーズで「AAA」、ムーディーズで「Aaa」と、いずれも最高位の格付けを得ています。これは、それぞれ「当該債務を履行する債務者の能力はきわめて高い」「信用力が最も高く、信用リスクが最小限であると判断されることを意味します。

この高格付けにより、世銀は比較的低いコストで資金を調達することができ、それを低い金利で貸し付けることで、融資を受けた国々は、自らが債券を発行するよりも有利な条件で資金を調達することができます。


c The World Bank
日本と世界銀行の関係

第2次世界大戦で荒廃した日本は、1953年から1966年にかけて、世銀より31件、合わせて8億6300万ドルの借り入れをを受け、発電設備や高速道路、新幹線などのインフラストラクチャーの整備などをしてきました。

日本における主な対象事業
 1953年 発電設備(関西電力、九州電力、中部電力)
 1960年 名神高速道路(尼崎―栗東間)
 1961年 東海道新幹線

日本が融資を受けた対象事業の中で興味深いエピソードに、「愛知用水」があります。

愛知県の尾張丘陵部から知多半島にかけての一帯は、大きな河川がなく、かつては深刻な水不足に悩んでいました。そして、1947年の大干ばつを期に、「(近くを流れる)木曽川から水を引く」という、一大事業を求める機運が高まりました。1955年には、愛知用水公団が設立され、「5年で事業を完成させる」などの条件のもとに、世銀からの融資を受けました。1957年に着工した工事は、1961年には完成。農業用、工業用、上水道用の水を供給する愛知用水の完成により、地域住民の生活は格段に向上することになりました。

1990年にはすべての借款を完済し、今ではアメリカ合衆国に次ぐ第2の融資国となっています。


関西電力多奈川火力二基 1953

愛知用水事業 1957

東海道新幹線 1964
© The World Bank


このページの参考
世界銀行 東京事務所
独立行政法人 水資源機構「愛知用水」

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