特集:特別対談 ページ2

第一次中期経営計画の総括および第二次中期経営計画の注目ポイントなどについて、銀行セクターのトップアナリストであるシティグループ証券株式会社マネジングディレクターの野﨑浩成氏をお招きし、当行代表取締役社長の当麻と対談を実施しました。

特集:特別対談 当麻茂樹(代表取締役社長)×野﨑浩成(シティグループ証券 マネジングディレクター)

第二次中期経営計画について

野﨑:第一次中計では、ある程度財務基盤は整えられました。第二次中計の位置づけはどのようになるのでしょうか?

当麻:私が当行に就任した時からずっと考えてきたことなのですが、当行の存在意義とは一体何なのか、これを形にしなければならない、ということが問題意識としてありました。他の銀行と同じことをやっていっても当行の存在価値はまったくないので、何か違いを出していかなければなりません。ただ、足元が不安定な状況の中では、まず負の遺産処理をどう進めるのか、目指す姿と現状の組織形態の乖離をどう修正していくのか。このことに注力したのが最初の3年、つまり第一次中計期間でした。その結果、足元をある程度盤石なものにできたので、これから当行の存在意義を明確にしていくということが、第二次中計の底流にあります。

企業融資の分野では、マクロ環境の変化に沿った新しい業態、例えばヘルスケア、再生可能エネルギー、新技術などが注目されています。このように融資先は、どんどん新しく変わっていきますが、対する銀行はまったく変わっていません。私が支店長の頃、中小企業が融資を依頼に来たとき、まず行員は「担保はありますか?」と聞いていましたが、私は最初に担保の話をするのではなく、融資依頼をしてきた会社は何をやっていて、今後このような目的を実現させるために、これぐらいのお金がいる、というところから考えなさいと言っていました。ですが、これが今も変わっていません。

客さまが持っている技術やサービスなどに惚れ込み、いったん惚れ込んだら融資も出資もするが、そこでおしまいにせず、事業も一緒にやろうよという伴走者になる必要があると思います。そういった高い技術などを持っているお客さまは、必ずグローバルに進出します。グローバルの視点で考えたときにこの技術・サービスはどれぐらい世界を席巻するものなのか、という見方を常に持つように言っています。

野﨑:まさにプロジェクトの発想ですよね。

当麻:個人向け業務においても改善点がいくつもあります。住宅ローンについて言えば審査の量が大変多く、機動的ではないし、利便性もない。もちろん審査は必要ですが、銀行の都合による売りたい商品をお客さまに提供しようとするプロダクトアウトの発想でサービスを提供しているのではないでしょうか。

また、今の団塊の世代の方々は過去にバブル崩壊で悲惨な目に遭っています。このような方々に、それぞれに最適な独自の資産ポートフォリオを提案するといった業務を行っていくしかないと思います。そんなことでは大きな収益は狙えないという声もありますが、そこで大きいのを狙わなくてよいと言っています。それより、信頼関係を築ければ商品は売れる、その時に儲けを得ればいいと言っています。とにかく、自分の都合から発想してお客さまに商品・サービスを提案することから抜け出さなくてはならないと常々言っています。

野﨑:銀行のみならず金融機関全般に言えますが、プロダクトアウトの発想から抜けきれていないですね。お客さまが望んでいる商品・サービスを提供するマーケットインの発想を取り込まないと顧客本位とは言えない。それから企業融資の点で考えれば、お客さまと夢を共有できるような機会が非常に少なくなっていると思います。特に若い行員などはそういった経験をしないと、真のコーポレートファイナンスのダイナミズムを体感できないですね。

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