特集: 社長対談 グループ融合

グループ融合により革新的金融サービスを提供する金融イノベーターであること

新生銀行グループは、中長期ビジョンの中で、“グループ融合により革新的金融サービスを提供する金融イノベーターであること”を掲げております。第三次中期経営計画(以下、「第三次中計」)では、この“グループ融合”が重要なテーマのひとつとなっております。そこで、SMBC日興証券株式会社の銀行セクターアナリストである中村真一郎氏をモデレーターに、当行代表取締役社長の工藤英之、昭和リース株式会社 代表取締役社長の清谷清弘、株式会社アプラスフィナンシャル 代表取締役社長の渡部晃、新生フィナンシャル株式会社 代表取締役社長の杉江陸が、グループ融合の意味するところについて対談を行いました。

特集: 社長対談 グループ融合

上段左から

杉江 陸
新生フィナンシャル株式会社 代表取締役社長
中村 真一郎(モデレーター)
SMBC日興証券株式会社 シニアアナリスト
清谷 清弘
昭和リース株式会社 代表取締役社長
工藤 英之
新生銀行 代表取締役社長
渡部 晃
株式会社アプラスフィナンシャル 代表取締役社長

「お客さまのニーズに、新生銀行グループの有する銀行とノンバンクのポテンシャルを照らし合わせると、今こそできることがある」

中村:第三次中計でグループ融合を掲げられていますが、なぜ今このタイミングでグループ融合なのでしょうか。

工藤:平成27年6月の社長就任にあたり、新生銀行グループをどう成長させようかと考えたときに、明らかに鍵になるのは商業銀行業務ではない部分(リース、信販、無担保ローン)をどう活用できるかだと考えました。裏返すと、これまでそれらが持つ潜在能力を発揮できていたのかという反省もありました。また、無担保ローンビジネスや信販ビジネスなどそれぞれの業態単位でのサービスの提供が、現在の顧客ニーズに合っているとも思いません。したがって、サービスや機能などを組み合わせたり、組み替えたりすることで、こんにちの顧客ニーズに最適なサービス提供の仕方があると考えました。具体的にそれを進めるときに、協働や連携といった一般的な言葉ではニュアンスが伝わりにくいので、融合という言葉を使いました。この融合で期待できることが2つあります。ひとつは商業銀行だけではなく、それ以外の色々な機能を活用できるというビジネス面での切り口、もうひとつは、それぞれ生い立ちもカルチャーも違うが故に、シナジーを生み出していくためのプラットフォームを構築する、つまり、間接機能や管理機能などをなるべく一体化したうえで合理化、効率化していくという切り口です。この2つの側面からグループ融合を実践したいと考えています。

「銀行とノンバンクの融合によって、お客さまに提供できる価値はこれまでとは明らかに違うでしょう」

中村:新生銀行が掲げるグループ融合というものは、メガバンクグループが実行している協働と本質的に何が違うのでしょうか。どこに強みがあり、課題があるとしたら何でしょうか。

工藤:おそらく狙い自体は大きく変わらないと思うものの、やる内容が相当違うと思います。メガバンクグループは、銀行・証券・信託のシナジー効果を出そうとしています。一方、新生銀行は証券、信託については、コアの銀行業務の一機能、あるいはサポート機能として持っており、もともと一体運営に近いものがありました。そのため、それが我々の掲げるグループ融合の主たるテーマではありません。我々がここから先やろうとしていることは、銀行業務に加え、無担保ローン、信販、リースといったノンバンク業務の融合です。お客さまのニーズに応える、そのための機能をうまくつなげていく、そういうところは証券、信託、リース、無担保ローンを問わず、変わらないとは思うものの、融合のスケール感の違いによりお客さまに提供できる価値は明らかに異なるでしょうし、そこまでを本当に意識してできている金融機関はあまりないと思います。

「互いの強みの掛け合わせにより新しいものを生みだし、動態的な経営管理でそれを支援していくことで、ビジネスを伸ばす余地がある」

中村:第三次中計における成長分野、強みを有する領域を、無担保ローン、ストラクチャードファイナンスとされています。過去3年間の収穫点と反省点を踏まえたうえで、今後、どこが変わっていくことで無担保ローン事業の成長が加速していくのか、また、シェアの上昇がもたらされるのかというところを教えてください。

工藤:マーケットでの競争力とそのビジネスの成長性、収益性を考えると、現時点で無担保ローンが新生銀行グループの最有力事業であることは明らかです。一方で、今まで本当にそのポテンシャルを発揮しきれていたのかというと、反省点があります。それは銀行側がタガをはめすぎていたということです。例えば経営管理の中で、収益、経費管理、利益などの計画を作るわけですが、それをあまりに厳格に運営してしまうと、マーケティングのような直接的に収益を生む経営資源の投下についても同じようなレベルでコントロールしてしまい、結果として利益が最大化できなかったのではということがあります。このような不必要なタガは外したうえで、なるべく短い間隔でいわゆるPDCAを繰り返し、戦略の見直しと施策の実行を行うことで、利益を中期的に最大化することを目指します。これをモデルケースにしたうえで、より動態的な経営管理をやっていきたいと考えています。

  • 「Plan-Do-Check-Act」は、事業活動における生産管理や品質管理を進める手法

杉江:我々新生銀行グループの中では、新生フィナンシャル、「新生銀行カードローン レイク」を提供する新生銀行、それからシンキと3つの会社が無担保ローン事業を営んできました。昨年の10月にシンキと新生フィナンシャルが経営統合して、本社機能の統合や、重複機能の削減を進め、10億円以上の経費削減をしたり、ノウハウの交換をしたりしてきました。ここにきて第三次中計ということで2つの影響があったと思います。ひとつ目はグループ融合ということと、2つ目は力点を無担保ローンとストラクチャードファイナンスと定めたことです。グループ融合では、かぎられた経営資源を重複分野の削減などによりひねり出して、手がけたくてもできなかったことに取り組めるということです。また、基盤の共有という点では、顧客基盤の共有だけではなく、データ基盤や技術基盤の共有があろうかと思います。アプラスの顧客のデータ基盤と、新生フィナンシャルの顧客のデータ基盤を足し合わせることで、お客さまの行動について新しい動きが見えてきます。また、技術基盤ということであれば、お互いのITリソースをいかに共有できるかということも多々考えていかなければなりません。効率化して資源を再分配するだけではなくて、強いものを掛け合わせて新しいものを生むことで、ビジネスを伸ばす余地があるのではないかと思っています。また、経営資源や強みを振り向ける先を無担保ローンに決めたことは実際にビジネスの大きなドライブになると思います。

中村:現在、銀行本体が手がけている無担保ローンが急伸しています。それに対し、今後3年間の中計において、具体的にどう取り組んでいくのか、具体的な施策等があれば教えてください。

杉江:無担保ローンにおける我々の広告費用は、同業大手と比べると抑制的です。その経費で他社と同水準のお客さまを獲得してきました。また、同業大手の1,000店舗を上回る店舗網に対して、我々はその7〜8割程度の店舗数で勝負してきましたが、継続的な効率化により、少し経営資源に余裕がでてきました。しっかりと戦いができる状況が整ってきたのではないかと思っています。

工藤:5年ぐらい前の苦しい状況からすると、お金が使えるようになってきたのは実際そのとおりです。投資や経費が本当に有効に収益を生んでいるか、良い経費率で利益が生まれているか、その説明さえつけば、お金は追加で使えば良いわけです。ところが、いったん予算を決めてしまうと、状況がどうあれ、それを厳格に守ってしまうような運営が行われてしまいがちです。そういった硬直的な予算運営は止める一方で、予算の有効活用の検証は不断に行っていこうということです。

杉江:この店舗は閉めた方が良い、作り変えた方が良いというようなことは定量的に理解しており、今年度以降は店舗のスクラップアンドビルドを進めていきます。これはお客さまの利便性に直結します。ほかにもご契約のプロセスを抜本的に作り変え、新機能を有する自動契約機に入れ替えることで、お客さまのお申し込みから現金のお受け取りまでの時間を大幅に短縮することができます。このような効果のある投資を実行していき、収益につなげていくというのが重点取り組み分野としての今年の無担保ローンの課題だと考えます。

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