特集: 社長メッセージ

特集: 社長メッセージ

新生銀行グループの事業戦略と強み

新生銀行グループは、メガバンクとも地銀とも異なる独自の立ち位置にあります。情報・金融の両面でテクノロジーの強みを活用し、「満たされていないニーズ」を先んじて発見し、応えていくために新しい挑戦をしています。

キーワード

  1. 社会(S):既存の商品・サービスでは充足されていない金融ニーズへの対応
  2. 環境(E):再生可能エネルギー分野のマーケットリーダー
  3. 東南アジアでの成長機会の取り組み

新生銀行グループの独自性は、顧客起点の実需に対して、情報テクノロジー・金融テクノロジーの両面を駆使し、専門性の高い商品やサービス、ソリューションを提供できる点にあります。従来型の商品・サービスでは満たされていない、しかも必ずしも顕在化していない「ニーズ」に商機を見出し、高い収益性と市場の成長が見込まれる事業に対して先駆的に取り組むことで、顧客への付加価値創造を目指しています。

「情報テクノロジー×金融テクノロジー」の具体例として、AIやビッグデータの活用を目的に、データ解析を得意とする企業とフィンテック合弁会社、セカンドサイト株式会社を設立しました。また、2018年度から運用を開始するグループ統合顧客データベースなど、新たなサービス提供に向けたツール整備を進めています。これらは、グループ内の多様な経営資源を有機的に連携させると同時に、どのようなお客さまに、どのようなニーズが潜在的に存在し、そのニーズがどのような形態で行動として表れるのか、それにどのように応えたら顧客の「痒いところ」「痛いところ」に一番手が届くのか、といった発想で活用していきます。顧客ニーズとグループ機能がうまくマッチしたところこそが、新生銀行グループが社会課題に対して価値を提供できる分野であり、我々独自のビジネスモデル構築の出発点になります。具体的な一例としては、フリーランス人材へのアプローチがあります。フリーランサーは2030年 には2, 000万人を超えるという予測もありますが、定期的・安定的な過去のキャッシュフローの持続に依拠した従来型の金融機関では、フリーランサーの資金ニーズに十分に応えられません。しかし、フリーランサーを取り巻くエコシステムは、小口ファイナンスに知見を持ち、ビッグデータやAIを活用する我々のような独自性のある金融機関にとって大きな可能性を秘めています。2017年には、当行はクラウドソーシングの大手事業会社であるランサーズ株式会社と、フリーランス人材向けの金融商品やサービスの開発を目的に資本業務提携しました。今後、フリーランサーの労働市場における存在感が高まる中で、我々もフリーランサーを取り巻くエコシステムに入り、これまで行き届かなかった顧客にソリューションを提供することで、このエコシステムにさらなる好循環が生まれるのではないかと考えています。

金融テクノロジーにおいては、付加価値の高い金融サービスの提供として、ストラクチャードファイナンス業務に注力しており、成長分野と位置づけています。特に、プロジェクトファイナンスでは、事業から生み出されるキャッシュフローに基づくファイナンスという当行が培ってきた専門性を応用し、再生可能エネルギー分野で多くの実績を上げています。環境問題とエネルギー問題は、重要な社会課題のひとつであり、新生銀行グループは、再生可能エネルギープロジェクトファイナンス分野のマーケットリーダーとして、このビジネスを通じて、再生可能エネルギーの安定的な成長と社会課題の解決に向けて貢献していきます。

海外市場では、高い成長性が見込まれる東南アジアを中心に、顧客基盤を持つ現地の金融機関と提携し、小口ファイナンス事業を展開していきます。すでにベトナムで大手民間商業銀行とコンシューマーファイナンス事業を推進する合弁会社を設立し、順調に顧客数を伸ばしています。新生銀行グループがこれまで蓄積してきたコンシューマーファイナンスの経験やノウハウ、人材、金融テクノロジーなどをパッケージで提供することで、東南アジア諸国の成長に貢献し、ビジネスの拡大を目指します。

一歩先を行くビジネスモデルを実現する経営インフラ

一歩先を歩き続けるためには、変化する環境への対応力が重要です。環境変化の中でビジネス機会や世の中のニーズに応える方法を新しく見つけていく力として、業態にとらわれないビジネス機能の組み合わせ方や、法人格をまたいだ異種人材の融合に取り組んでいます。

キーワード

  1. ガバナンス(G):銀行とグループ会社の間接機能統合と高度化
  2. グループ内外の業態をまたいだビジネスの融合によるダイナミズムの創出

柔軟な組織としての強みを発揮

お客さまのニーズの変化に対し、十分に応えるためには、単に優秀な人材をかかえ込むだけでなく、足りない要素があればグループ内外から補うことが重要です。つまり、固定化された業態感覚にとらわれない、ニーズを根源に遡って把握する理解力と、ニーズへの最適な応え方を実現するためのダイナミックな発想力が欠かせません。第三次中期経営計画の戦略のひとつであるグループ融合はそのための取り組みの一環です。

2017年4月、新生銀行グループの融合を強化し、有機的に連携を機能させるための基盤整備として、仮想グループ本社を銀行に設置し、グループ会社にある間接機能を統合しました。これは、統合によってグループ・ガバナンス体制を強化し、間接機能の高度化や生産性・効率性の向上を目指すためだけではなく、その先に、お客さまのニーズに対してグループ全体のビジネス機能を再編成し、最適なソリューションを提供することを目指したものです。

一般的に、金融機関は新しいリスクを避けようとする一方、取り慣れたリスクには鈍感になるというDNAを持っていますが、大きなパラダイムシフトが起こる中、しかも変化のスピードが加速する中で「誰よりも先に変化しないと、世界に自らの居場所がなくなる」ことに皆気づきつつあります。
新しいアイデアに挑戦しようという時、伝統的な金融機関には、試行錯誤を繰り返しながら改良していくというアジャイル(agile:俊敏な)な発想がありませんでした。考えられる リスクを徹底的につぶしてから、万全を期してスタートする。

金融機関にはそういうやり方が染みついているので、それを変えることは、発想の基本を変える、カルチャーを変えることに近いものがあります。カルチャーを変える触媒のひとつとして、新生銀行グループ内の多様性を活かすこと、その中でも、女性活躍推進が大きなテーマです。女性社員の上級職位への登用という目に見えるテーマのみならず、性別に関係なく、健全に競争できる環境を整え、社員がそれぞれの能力を十二分に発揮できる機会を提供し、一人ひとりがやりがいを持って働く。その結果、自己と組織が成長していくことこそが実現したい状態です。その意味で、イノベーション、ひいては企業価値創造の源泉である多様性を活かすことを経営としてコミットし、各種施策を展開しています。一例として、グループ女性活躍推進委員会の設置と多様な働き方を推進するための兼業・副業の解禁を実施しました。

新生銀行グループは、発想法を変えるというチャレンジを、グループ本社設置による組織の融合、グループ内外の業態をまたいだビジネス融合、多様性の推進を通じて、まさに試行錯誤で取り組んでいるところです。そして、その成果は目に見えるかたちで少しずつ実現しています。

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