World Report
脇若浩子の「豪・NZ現地レポート」
2007/05/05
第2回: 過去100年で最も深刻な水不足

水遊びの大好きな子どもたち
ゴールデンウィークも終わり、日本は初夏という季節になりますが、オーストラリアやニュージーランドは、これから秋そして冬を迎えようとしています。オーストラリアでは1年のうちで最も寒いのが7月になります。私が住んでいるブリスベンや世界的な観光地ゴールドコーストは、亜熱帯気候ですので、1年を通して比較的温暖な地域です。真冬の7月でも平均最低気温が10℃、最高気温は20℃程度ですので、日中はセーターやコートは全く必要ありません。東京の4月下旬、もしくは11月初旬の陽気といったところでしょうか。ニュージーランドもオーストラリアと同じく1年で最も寒いのが7月で、1年で最も雨の多い月でもあります。7月のオークランドで平均最低気温が7℃、最高気温が14℃ですので、東京の3月下旬、もしくは11月下旬の気候になります。南のクライストチャーチでは、平均最低気温は1℃を下回り、最高気温も10℃ほどで、札幌の11月くらいの気候まで下がりますので、山ではスキーが出来るようになります。

公園の芝生もところどころ枯れて
きています
気候の話をしましたが、今ブリスベンでは過去100年で最も深刻な干ばつ、水不足の問題に直面しています。オーストラリアでは、水の状態をLevelで表すのですが(“Level1”が一番良い状態)、今年の4月10日より、ブリスベンはオーストラリアでは初めて“Level 5”になりました。私がブリスベンに引っ越した去年の4月は“Level3”でしたので、この1年で2段階悪い方に進行したことになります。ダムの貯水率も20%を切るという状況ですので、一般市民の生活にも影響が出てきています。あまり知られていませんが、現在の水不足の現状は、過去に前例のない危険な状態なのです。
日本と違い、マンションよりははるかに一戸建ての多いブリスベンですので、庭付き、プール付きの家が珍しくありません。ガーデニングを趣味とする人も決して少なくないのですが、“Level5”になり、花や芝生への水遣りといった屋外での水の使用は、週に3日、住んでいる番地(奇数か偶数か)によって曜日が決められ、時間も16時から19時までと制限されています。また、ホースの使用は禁止、水遣りはバケツやジョーロを使わなくてはなりません。車を洗う際もホースの使用は禁止の上、掃除して良い場所は、ミラー・ライト・窓ガラス・ナンバープレートのみに制限されています。子ども用の簡易型プールに水道水を使うことは出来ず、レインタンクの水のみの使用とされていますので、レインタンクを設置していない家では子ども用のプールは使えないというわけです。

South Bankの人口ラグーンプール
ブリスベンの観光スポットとしても有名で、市民の憩いの場でもある“SOUTH BANK”というEXPO跡地に作られた公園があるのですが、地元の人々にも人気の人口ラグーンプールなどは、すべてリサイクルウォーターが使われています。子どもたちが公園での水遊びが大好きなのは世界共通だと思いますが、ビーチや公園のシャワーや水道は順番に撤去される予定です。この水不足は今後改善する見通しはまったくたっておらず、紫外線の強いオーストラリアではダムの水の蒸発も早いため、この先“LEVEL7”まで行くのではないかと噂されています。

海の水はあり余っているのです
が・・・
また、雨が降らないことにより、農作物が育たず、多くの農家が廃業しており、これから先、小麦や野菜、果物などが大幅に値上がりしていくのは避けられそうもありません。来年には、リサイクルウォーターを飲料水に利用することが決まっており、そのためにブリスベンの人口増加率が数パーセント下がりました。政府も、レインタンクの設置に多額の補助金を出したり、本来100ドル以上かかる水漏れなどの点検や部品交換を20ドル程度で出来るようにするなど対策を練っていますが、人工的に雨を降らせるか、海の水を浄化する装置でも作らない限り、プールの使用は一切禁止となる日もそう遠くはないかも知れません。
ページ上部へ戻る
オーストラリア・ニュージーランド特集 トップ 中国特集へ   ベトナム特集へ インド特集へ
戻る
印刷用ページへ

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品を説明するページをご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。