「将来は海外で暮らしてみたい!」と望む日本人がどれだけいるか検討もつきませんが、100人や1000人レベルじゃないことだけは確かです。何を隠そう、この私も、いつかは絶対オーストラリアに移住したいと心の底から思っていた時期がありました。日本国内でしたら、将来どこに移住しようとその人の勝手ですが、外国の場合は、そう簡単にはいきません。オーストラリアに旅行をしたことがある方ならご記憶かと思いますが、オーストラリアに入国するためには、まず“ビザ”が必要になります。“ビザ”というのは、訪問先の国が、「この人をわが国に入れて良いものかどうか」という判断をしてOKが出たときに与えられる通行証のようなものです。“観光ビザ”の場合、3ヵ月以内の滞在が可能ですので、普通の海外旅行でしたらこれで充分です。しかも、オーストラリアの場合は、電子ビザが導入されていますので、わざわざ大使館に申請に行く必要はなく、コンピュータ手続によって取得することが可能です(私が学生の頃には電子ビザはまだなくて、旅行のためにわざわざ大使館まで行き、長い列に並びました)。

美しさで有名なパースのビーチ
この電子ビザ(ETA)は、3ヵ月以内の観光及び商用を目的としたオーストラリアへの入国を電子上で許可するものです。有効期限は1年ですが、この1年の間で、かつ3ヵ月以内であれば、何度繰り返し訪問しても良いことになっています。また、電子ビザではないシールタイプの“観光ビザ”もあります。このビザは、観光、休暇、親族・知人訪問などを目的としていますが、滞在期間は3ヵ月以内〜最長12ヵ月までの長期発給が認められています。ただし、半年以上の長期の場合、ビザ発給の際に、充分な資金を持っているかの証明(銀行の通帳など)が必要になります。また、滞在中3ヵ月以内の就学を受講することが可能ですので、一通り観光をしてから語学学校に通うというような場合にも利用出来ます。
ニュージーランドの場合、滞在期間が3ヵ月以内で、観光目的の場合は、ビザは必要ありませんが、3ヵ月以上の滞在を希望する場合には、“訪問者ビザ”が必要になります。このビザは、発給されてから1年半以内に9ヵ月までの長期滞在が可能になります。 もし、将来海外移住を視野に入れている場合の、ちょっとした下見であれば、オーストラリアでしたら電子ビザ、ニュージーランドでしたらビザなしで入国することが出来ます。ただし、もし本格的に暮らすことになった場合、その国に住むためのビザがないと始まりません。定年後、海外で暮らす人たちに人気のある“リタイアメントビザ”ですが、ニュージーランドにはリタイアメントビザに該当するビザがありません。移住している人の多くは永住権を申請しています。ただし、この永住権の審査は近年非常に厳しくなっており、特に英語力に関しては相当なスキルが求められています。

世界で最も住みやすい街といわれるメルボルン
オーストラリアには “投資退職者ビザ”と呼ばれるリタイアメントビザがあります。このビザの条件、何年かに一度改正があるのですが、改正の度に確実にハードルが高くなっています。オーストラリアは移民の国ですが、海外からの移住者が年々増えていて、住宅供給不足、犯罪の増加、貧富の差の拡大などいろいろな問題が起こっていることも事実です。実際、このビザの条件は「日本からオーストラリアにいらっしゃるみなさんは、オーストラリアに経済的にも社会福祉的にも一切の負担をかけることがない十二分な資産を持って来てくださいね」といっているようなものです。主な条件は、年齢が55歳以上で配偶者以外の扶養家族がいないこと、民間の健康保険に加入出来る健康状態であること、週20時間以上の労働はしないこと、そして充分な資産ももっていることです。

ゴールドコーストのリゾートホテルにて
気になる資産条件ですが、 もし「ゴールドコーストに移住したい」と考えた場合、純資産 (オーストラリアに送金可能な資金)が、750,000豪ドル(約7875万円)以上あること、および年間収入(投資資産からの利益や年金など)が65,000豪ドル(約682万円)以上あることなどが条件となります。地方都市への移住の場合、少し金額がダウンしますが、それでも、簡単に出せる金額ではありません。観光ビザで、1年の半分くらいを海外で過ごすというのが、一番幸せなのではないかと思う今日この頃です。アパートメントホテルやホリデーアパートメントなど、高いお金を出して家を買わなくても、長期滞在に適している滞在先は意外とたくさんあるものです。