World Report
脇若浩子の「豪・NZ現地レポート」
2007/08/07
第8回:「海外お仕事事情」

オーストラリアの高級デパートDAVID JONES
仕事をリタイアした後に海外に移住する場合、お金を心配しなくてもすむ方は現地で新たに仕事を探す必要はないかもしれませんが、そうでない場合、少なからず、海外で就職活動をすることになります。日本でも最近は正社員以外の雇用が増えているようですが、オーストラリアやニュージーランドではずいぶん前から、フルタイム(いわゆる正社員)とパートタイムの人々が、それぞれ仕事をうまく分担して働いています。フルタイムは、基本的には月曜日から金曜日の週5日、38時間勤務が一般的です。勤務時間は会社によって異なりますが、朝も夜も早いことで知られるオーストラリアやニュージーランドは、始業時間が8時、終業時間が16時という会社が多く、16時を過ぎればオフィスが集中しているシティからの道は大渋滞です。

休日は公園でバースデーパーティー
オーストラリアでは、15年以上の永年勤続者には、13週間の永年勤続休暇が与えられます。13週間といえば、約3ヵ月。日本だったら、席がなくなっていそうですが、長期休暇が当たり前のこの国では、みな当然の権利として休みます。また、1年以上勤務した場合には、出産&育児休暇が認められますし、妻が出産した場合にも、夫は1週間の休暇を取ることができます。ただ、実際には、子どもが産まれたときには、夫も妻も仕事を辞めてしまい、数年間は夫婦で子育てに専念するという話もよく聞きます。その証拠に、オーストラリアやニュージーランドの公園には、平日でも子育て中のパパの姿をたくさん見かけます。転職が珍しくなく、より多くの会社を渡り歩くことが自分のキャリアアップと捉える人も多いため、何のためらいもなく辞めてしまうようです。

学校でのイベントも家族総出で
一方で、パートタイムは通常、週に2日、12時間以上の勤務時間、週に30時間以内という契約になっていて、就業時間帯は、朝6時から夕方6時までの間で7〜8時間というのが一般的です。オーストラリアやニュージーランドでは、子どもの学校の送り迎えを親が車でするケースをよく見かけます。朝、子どもを学校に送って行ってから会社に行き、学校が終わる15時過ぎには仕事を終えて、迎えに行くという光景は日常的です。平日の15時過ぎにスーツ姿のサラリーマンが学校帰りの子どもと一緒にスーパーで買い物をしている光景は、見慣れるまではとても不思議な感じでした。そして、パートタイムよりもさらに不規則な雇用形態の働き方をカジュアルワークといいます。小売店やカフェなどで、「カジュアルワークポジション空きあり」といった張り紙をよく見かけます。
実際にフルタイムやパートタイムの仕事を探す場合ですが、新聞の求人広告が一般的で、土曜日の新聞には別刷りの求人広告特集が組まれています。日本と違い、こちらは履歴書を送付して面接するまでに数ヵ月かかるということが珍しくありません。また、複数の会社に同時に履歴書を送りつけるのがあたりまえという世界です。さらに、履歴書を送る際に、リファレンス(Riference)と呼ばれる紹介状を2〜3通同封するケースが多いのですが、これは、以前勤めていた会社の上司や社長からの推薦状のようなものです。リファレンスは、社会的地位の高い人からのものほど効果的だとされています。日本ではありえない話かも知れませんが、転職があたりまえの国ですので、辞めた会社の上司からの推薦状をもらうことは、決して珍しいことではありません。

打ちっぱなしの後は、ミニゴルフで家族サービス
日本人の私から見て魅力的だと思うことは、やはり家庭が一番といった公私の区別をはっきりさせていることです。仕事は仕事で定時までしっかりやり、夏になれば、平日の18時ごろから自宅の庭で家族そろってバーベキューといった光景を良く見かけます。子どもの休み(スクールホリデー)には、親も数週間の休みを取り、家族全員が一緒に過ごすということも珍しくありません。
そして、私が最近驚いたことは、時給の高さです。好景気を反映してか、一般事務のパートタイムの仕事で時給25豪ドル、ハンバーガーショップのカジュアルワークで時給16豪ドルといった具合です。時給を安く抑えられている日本の非正社員に比べ、こちらのパートタイムやカジュアルワークは福利厚生制度で不利な分、賃金が高水準だという傾向にあるようです。
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