
毎日見かける金融機関の新聞広告
日本人は、諸外国の人々と比べると、“お金をもうける”という話題が長い間タブー視されてきたように思います。「株で損した!」なんて話はよくしても、「株で大儲けした!」なんて話は人前ではあまりしないという方が多かったのではないでしょうか?最近は、子どもへの金銭教育なども徐々に進み、日本人の“投資”に対する考え方もだいぶ変わってきたようですが、オーストラリアやニュージーランドは、日本に比べると、“Investments(投資)”の話題は、かなり日常的に登場している気がします。個人的にも、ここ数日の間に、お隣に住む80歳過ぎのおじいちゃん、そして月に1度やってくるプールメンテナンスの40代のおじさんそれぞれと、オーストラリアの景気の良さについて話をしていたら、偶然にも「日本人は、どんな方法で投資するのか?」という同じ話題になりました。
1980年代半ばの規制緩和以来、オーストラリアの金融業界は急成長を遂げ、投資市場はかなり成熟しましたが、現在も新しい金融商品が次から次へと登場しています。好景気の下、高金利の商品がたくさん並び、個人投資家にとって、常に幅広い選択肢が用意されています。また、投資家の保護と市場の公正性を保持するために、政府機関や業界団体による監視や規制が数多くされています。これは、世界的に見てもかなり厳しいといわれており、投資に適した条件がそろった環境にあるといったところでしょうか。銀行・証券・保険の垣根はなく、総合金融機関が多く存在します。総合金融機関では、ファイナンシャルプランナーが預金・年金・国債・株式・不動産の提案から、相続設計、住宅・商業ローン、生命保険・損害保険のプランニングまでトータル的な資産運用アドバイスを行なっています。

銀行のショーウィンドウは不動産広告でいっぱい
オーストラリア人は、投資にはとても積極的です。子どもへの金銭教育の意識も高く、1歳の誕生日に、おじいちゃんやおばあちゃんから株券をプレゼントされるということも珍しくありません。主な投資先は、銀行の定期預金のほか、国債・州債・社債などの債券、不動産および不動産投信、そして株式です。成人の株式保有率は50%近くに達し、これは世界的にみてもトップレベルです。株式投信(投資信託)に関しては、日本ほど人気がないように思いますが、これはリスクの高い投資に対して慎重な日本人と、細かいことをあまり気にしない大雑把なオーストラリア人の国民性の違いから来ているのかも知れません。

こんな古い一戸建ても70万豪ドルでSold out!
オーストラリア証券取引所(ASX)には、現在約1500の銘柄が上場されていて、配当率は平均3%から4%です。元本が保証されている銀行預金や貯蓄型の生命保険でも、現在、その運用利回りは5%から6%となりますが、不動産投資や株式投資をからめることにより10%以上の運用利回りを見込めることになります。特に、ここ数年はオーストラリア、ニュージーランドのほとんどの地域で地価の上昇が続いています。土地を購入して家を建て、1、2年住んでから売ったら売却益が出たとか、中古物件を購入して、自分たちは住むことなく、リノベーション(改修)をして転売したら利益が出たという話もよく聞きます。
うちの隣の築80年の家も今年1月に売りに出され、すぐに買い主が現れましたが、あれから8ヵ月、少しずつリノベーションが進んでいるものの、まったく住む気配はありません。思わず「もう少しきれいにしてから売りに出すのかな?」と勘ぐってしまいます。購入やリノベーションにかかる諸費用を差し引いても、利益が出るという好景気の今だからこそできる業なのでしょうが・・・。