World Report
脇若浩子の「豪・NZ現地レポート」
2007/10/24
第13回:「海外の教育事情」
子連れで外国暮らしをする場合、子どもの将来を左右するともいえる大きな問題が教育問題ではないでしょうか。まず小学校(Primary School)ですが、日本では1年生から6年生までの6年間通うのに対して、オーストラリアでは日本の幼稚園の年長にあたる年齢で小学校に併設されている準備学級に1年間入ることになります。この準備学級は州によって呼び方が異なりますが、ブリスベンなどのクイーンズランド州ではプレップ(Prep=Preparatory)と呼ばれています。

幼稚園前の子どもたちが集まる教会のプレイグループ
それ以前の就学前教育は、日本の幼稚園年中組にあたるものがクイーンズランド州ではキンディ(Kindy=Kindergarten)と呼ばれています。キンディには4歳で入園しますが、日本と違ってキンディは週に2日または3日しか通園しません。そして人気のあるところは産まれてすぐに予約をしなければ入園できないほどの狭き門です。日本の子どもたちの多くが3歳(3年保育の場合)で毎日幼稚園に行くようになることに比べると、毎日プレップに行くようになるのは5歳になってからですので、かなり家庭内保育の時期が長いように感じます。

チャイルドケア(保育園)はどこも大人気
そのためか、特に仕事をしていない母親でも、0歳、1歳といった早い時期からデイケア(Day care)もしくはチャイルドケア(Child care)と呼ばれる保育園に入れているケースが非常に多いです。ただし保育園の数が限られているため、特に出産後に仕事に復帰しようと考えている母親は、妊娠したら10件近い保育園の予約をいれるという具合です。それでも、なかなか空きが出ないという保育園事情もあり、仕事をもっていない母親よりも仕事に復帰しようとしている母親を優先するべきだという議論も頻繁におこっています。保育園の費用は1日50豪ドルから70豪ドル程度ですが、親の就業状況に限らず、家庭の収入に応じて費用の一部が国から支給されています。

パブリックの小学校でもこんな立派なところも
オーストラリアに住んでいる日本人の中には、永住権をもつ日本人、ビジネスビザで駐在している日本人、学生ビザで留学している日本人などいろいろですが、オーストラリア在住の日本人の子どもたちは親のビザの種類によって入学資格や授業料が異なります。親が永住権保持者の場合、パブリック(公立)、プライベート(私立)ともにオーストラリア国民と同じ入学資格や授業料が適用されます。こちらではパブリックでは基本的に授業料は無料です。日本のような給食もありませんので(お弁当持参かカフェテリアなどを利用)、給食費が別途かかるということもありません。

小学校の校庭にできた臨時遊園地
一方で、ビジネスビザや学生ビザなど一時居住者の場合、州によっても異なりますが、パブリックでも、小学校から高校まで、年間授業料が約5,000豪ドルから5,500豪ドルかかるというケースが多いようです。また、こちらのプライベートスクールは日本の私立と違います。厳しい受験戦争はなく、基本的には早めに申し込み、日本の私立学校と同程度の学費を支払えば誰でも入学できるという仕組みです。入学試験がある学校もありますが受験のために塾に行くようなことはありません。多くのプライベートスクールでは一時居住者の場合、海外からの留学生と同じ扱いになり、永住者やオーストラリア国民に比べると2倍以上の割高な学費を設定しています。
最近、オーストラリアやニュージーランドでは日本や韓国からの親子留学が大人気ですが、中間業者が入る場合、割高な学費に、さらに斡旋料や紹介料を上乗せしているといわれています。こちらに住んでいる私たちから見れば信じられない大金を支払ってやってきている親子が後をたちません。親子留学自体を否定するつもりはありませんが、このような背景から専門業者も数多く、ビジネスとして成り立っているようです。
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