World Report
脇若浩子の「豪・NZ現地レポート」
2008/1/4
第16回:「2007年をふりかえって・・・」

多くの日本人が訪れるゴールドコースト
2007年から2008年へバトンタッチしましたが、みなさんはどこで誰と過ごされましたか?お正月を海外で過ごそうという多くの日本人が、クリスマス前後からオーストラリアやニュージーランドを訪れています。

私自身2007年の1年間、オーストラリアをこの目で見てきたわけですが、とにかく景気の良さを実感した1年でした。オーストラリアの経済は、まさに絶好調。ただしその分、物価の上昇には目をそむけたくなるほどでした。特に住宅価格、家賃、ガソリン、生鮮食品の高騰は、私たち一般市民のお財布を直撃しました。「オーストラリアは物価が安くて暮らしやすい」というのは、もう過去の話です。オーストラリアドル高の影響もあり、生活費は日本以上にかかると思っていただいて間違いないでしょう。

どうしてここまで物価の上昇が進んだかといいますと、まずは近年の人口増加による不動産物件の不足です。オーストラリアには毎年たくさんの国からたくさんの人々が移住してきます。不動産の開発は、あちらこちらで進んでいますが、慢性的な物件不足。物件が不足すれば、売り手市場・貸し手市場となり、分譲物件の価格は上昇し、賃貸住宅の家賃も値上がりします。賃貸住宅の家賃が、更新の度に、週あたり数10ドル以上アップするのはもはや常識です。


クリスマスライトは好景気の証拠?
また、日本も同じだと思いますが、世界的な原油高によるガソリン価格の高騰は、車社会であるオーストラリアやニュージーランドでは深刻な事態です。そして、過去最悪の水不足、干ばつによる野菜や果物などの農産物価格の高騰も今後改善の見込みはありません。地球温暖化が原因と見られる洪水やサイクロンの多発も、今後農作物にどういう影響をもたらすかは、容易に想像できるでしょう。最近、ブリスベンの日本食レストランでは、おいしくて評判だった“しゃぶしゃぶ食べ放題”のプランがなくなりました。理由は、野菜の高騰。食べ放題にするには、お肉よりも野菜の値段の高騰がお店側にとってはきついとのことです。

さらに、資源ブーム、開発ラッシュによる人手不足から生じる賃金のアップはインフレを引き起こし、ニュージーランドから医師などがオーストラリアに大量流入しています。実際に、ニュージーランドの週あたりの平均賃金約900ニュージーランドドル(約78,800円:1NZD=87.53円、2007年12月24日現在)は、オーストラリアのどの州よりも20%から40%程度低いといわれていて、今では人口の10%がオーストラリアへ移住するというのがニュージーランドの現実です。

このインフレは、2008年以降さらに悪化する可能性も高いことから、景気の良さ、絶好調の経済を手放しで喜ぶわけには行かないという意見も多く聞かれますが、首相が替わり、経済政策を最優先していたハワード政権が終わったことにより、好調な経済は減速するのではという声も・・・。
ネガティブなことばかりになってしまいましたが、オーストラリアで暮らしていて良いなぁと思うことは、“ゆとり”です。

野鳥や野生動物が身近に生息している、1年中緑の木々や咲き乱れる花に囲まれリラックスできる、週末には気軽に海や山に行けて気分転換出来るという心のゆとり。労働時間が短く(日本よりも)、家族で過ごす時間が長い、夜はテレビもつまらなくてやることがないので早く寝て、鳥のさえずりで目が覚めるという時間のゆとり。家が広く、庭も広く、道が広く、店も広いという環境のゆとり。そして、年間を通して気温差が少ない温暖な気候、高金利で資産がありさえすれば、お金が自然に貯まるという金融事情。日本でも、こういう環境のもとで暮らせれば、生活にめりはりがつき、仕事もはかどるのではと思う今日この頃です。

個人的に、2007年のオーストラリアの3大ニュースを上げるとすれば、 ①11年ぶりの政権交代 ②政策金利が11年ぶりの高水準である6.75%に ③豪ドルが対円で107円を突破!(ご参考:2006年末は93.91円)というところでしょうか?

2008年は、何となく変化の兆しを感じます。

こんな光景も日常生活の中に

週末は海を見て癒される日々
ページ上部へ戻る
オーストラリア・ニュージーランド特集 トップ 中国特集へ   ベトナム特集へ インド特集へ
戻る
印刷用ページへ

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品を説明するページをご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。