World Report
脇若浩子の「豪・NZ現地レポート」
2008/5
第21回:「生まれながらのボランティア精神」

お年寄りが子どもに英語を教えてくれます
お年寄りが子どもに英語を教えてくれます

日本では地震などの災害の後のボランティアが有名ですが、残念ながら、世界の国々からみると、日本は決してボランティアが盛んな国とはいえません。オーストラリアやニュージーランドは、欧米諸国と並んでボランティア先進国であり、子どもの頃から、ボランティアという行為が人々の日常生活に浸透しています。ただ、自分のプライべートな生活を犠牲にしてまでやっているわけではなく、ほとんどの人が月に1〜2回参加する程度です。

現在の私の生活の中にも、ボランティアは数多く関わってきており、ここまでオーストラリアにボランティア精神が根付いているという事実には感動することさえあります。

例えば、私が週に1回通っている近所の教会の英会話教室もボランティアの方々によって運営されていますし(移民支援)、子どもの通っているチャイルドケア(保育園)の入園申込書には、「保護者がボランティアで参加できるか、またその際どういったことができるか」といった質問があり、実際にお菓子作りを教えたり、外国語を教えたりしている保護者ボランティアが存在しています。幼稚園や小学校ともなると、保護者ボランティアがいなければ、学校そのものが成り立たないくらい、保護者ボランティアは深くかかわっています。

幼稚園でのお祭りも保護者ボランティアが運営
幼稚園でのお祭りも保護者ボランティアが運営

しかし共働きの保護者も多く、時間に余裕があるからというよりは、やはり生活の一部と考える人が多いようです。日本からも、ワーキングホリデーで滞在している人々でボランティアを希望するケースが多いのですが、その場合は、まずボランティア協会などに登録します。保険などのお金は自己負担となるため「お金を払ってまでボランティアをするなんて・・・」と思う方も多いのですが、こちらのボランティアの内容が「高齢者や障害者の自宅に食事を作って届ける」ことから、「スポーツのコーチ」「動物の保護」「お年寄りの話し相手」「チャイルドケアでの子どもの遊び相手」など、日本人にありがちな「人助けをしよう!」というように気合いが入り過ぎてしまうようなボランティアは少ないので、意外と気楽に参加できるのかも知れません。

また、オーストラリアやニュージーンランドは、「人々は対等である」という意識が強いため、かわいそうだという同情の気持ちからボランティアをするのではなく、あくまでも困っている人の手助けをするいう意識が根底にあります。

こちらの写真はライフセーバーではなくライフガード
こちらの写真はライフセーバーではなくライフガード

オーストラリアのビーチで、泳いでいる人やサメの監視などをしている「ライフセーバー」は、実はボランティアであるということはあまり知られていません。

職業としている「ライフガード」と違って、ライフセーバーは地元の学生ボランティアが中心です。このライフセーバーはオーストラリアが発祥の地で、シドニーのライフセービングクラブは、世界で最も大きなボランティ団体のひとつであり、メンバーは10万人を超えるといわれています。


ニュージーランドの大自然を守るのもボランティア!?
ニュージーランドの大自然を守るのもボランティア!?

ニュージーランドで今盛んなのは、「エコ・ボランティア」と呼ばれる環境保護に関するボランティアです。環境保護の専門家が同行して、植物を植えたり、雑草を取ったり、自然歩道を整備したりしています。一見、環境保護のためにも思える内容ですが、実は世界各国から集まった参加者との交流を楽しむというメリットもあるようです。

このように日本人も、もっと気軽に自然な形でボランティア活動ができるようになるといいなと思います。ただし、日系の留学センターなどでは、ボランティアの紹介という名目で数百ドルのお金を取るところもあります。そういったところには、そもそもボランティアとは何なのかを学んでいただきたいと思う今日この頃です。

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