為替・マーケット用語集

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スワップ
  • ※外貨メール2006年12月25日掲載

2006年12月。このところの福井日銀総裁のコメントは、早く円金利を引き上げたい、といった内容でした。つまり、「近いうちに日米金利差が縮まるのではないか」といった思惑(観測)がマーケットに定着していました。ところが日本銀行は12月19日の金融政策決定会合では、当面の金融政策について全員一致で「現状維持」。結果、日米の「為替スワップ・レート」は、広がりました(数値が大きくなりました)。

新生銀行 一般には耳慣れない言葉ですね。スワップとは何のことでしょうか?
松田氏 そもそも「スワップ」という言葉は、日本語では「先物為替」という意味で生まれました。直物を買って先物を売る、直物を売って先物を買い戻す。「売り」と「買い」を交換=「スワップ」するので、先物為替取引と言わずに「スワップ取引(為替スワップ取引)」と呼ぶようになったのです。しかし、シカゴなどで取引されるフューチャー(Future)取引も先物為替取引と呼ばれるため、紛らわしいので、為替スワップ取引は「フォワード取引」と呼ぶ場合もあります。
新生銀行 金利だけを交換するような特殊な取引をスワップと呼ぶのかと思っていました。
松田氏 金利スワップのことですね。元本の移動を伴わずに(元本の貸し借りを行わずに)、金利だけを交換する手法です。現在では「交換する」の意味で、スワップという言葉がさまざまなところで使われています。例えば、いわゆる「スワップ金利」という言葉は、かなり市民権を得てきたのではないでしょうか。これは「高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売る」ことで、「金利差を享受すること」「その金利のこと」といった意味合い、と考えてよいでしょう。しかし元来、「金利スワップ」という言葉は存在していましたが、「スワップ金利」という言葉は存在しなかったのです。
新生銀行 では、スワップレートが拡がったとはどういうことですか?
松田氏 先物の為替レートを計算する際は金利差を加味します。仮に円金利は1%で米ドル金利は6%、現時点の為替レートが1米ドル=100円であったとします。さて、1年後の米ドル/円レートを考える場合に、着目すべきは実は金利差なのです。もし1年後も為替レートが変わらないとしたら、今すぐ円を金利1%で借りて米ドルで6%の運用すれば、年間で金利差分=5%の儲けになりますよね。だとしたらみんなが円を借りて米ドルで運用してしまいます。確実に儲かりますから。
新生銀行 ということは、先物の米ドルは安くなるんですね。
松田氏 正解です。金利差である5%分、米ドルがディスカウントされるように相場が決まります(裁定が働きます)。1年後に米ドルを売る予約をしようと思っても、1米ドル≒95.24円でしか提示されません。スワップレートとは、直物(100円)と先物(95.24円)の差(4.76円)のことをいいます。今回の日本の金利引き上げ見送りでスワップレートが拡がった、ということは、金利差が拡がって米ドルのディスカウント率が高まったことを示すのです。
松田 哲 氏
三菱信託銀行本店国際資金為替部にて、外国為替、国際資金業務のエキスパートとして活躍。 三菱信託銀行より、米国ファースト・インターステート銀行に転職。 その後、仏国パリバ銀行、クレディ・スイス銀行、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーを歴任。 東京外国為替市場委員会委員。 直筆による新刊「FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?」発売中。

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