為替・マーケット用語集

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質への逃避
  • ※外貨メール2007年8月27日掲載

このところ株式も為替も乱高下が続いているなか、日本、アメリカとも国債などの安全資産を買おうとする動きが続いているとのことですが・・・

新生銀行 どのような状況下で起こるのでしょうか?
松田氏 何らかの理由で金融市場が混乱するなどしてリスクに対する不安心理が高まると、投資家はリスクを回避するために安全性(信用度)・流動性(換金性)の高い投資対象へ投下資金を移動させる行動が多くなります。 2007年7月下旬以降、サブプライムローン問題を材料に金融不安・株安が広がりました。 これによって米国に投資されている資金の引き揚げを促し、世界的にリスクヘッジの意識が高まっています。
新生銀行 「株から債券への資金移動」のほかに、どのような質への逃避がある のでしょう。
松田氏 「株から債券への資金移動」は価格変動リスクを避けるために起こります。 このほかの代表例として、以下のものが挙げられます。
  • 為替変動リスク回避のため、外貨に投資していた資金を自国に引き揚げること
  • 債券の中でも社債や住宅ローン担保証券などから国債へ資金を移動させること
  • 新興諸国市場(エマージング市場)から先進国市場へ資金移動させること
新生銀行 為替、金利に及ぼす影響を教えてください。
松田氏 質への逃避は為替変動リスクを回避する行動を呼び起こします。 そのため円キャリートレードのアンワインド(解消)が起こり、対円での外貨レートが下落するという要因となります。 また、質への逃避はリスクの高いものから低いものへと流れるため、株式から債券への資金シフトを惹起します。 これが“米国国債の買い”につながり、米国国債利回り(=長期金利)は低下。 米国長期金利も下落気味ということは日米金利差縮小であり、円キャリートレードの解消はますます進む要因となります。
松田 哲 氏
三菱信託銀行本店国際資金為替部にて、外国為替、国際資金業務のエキスパートとして活躍。 三菱信託銀行より、米国ファースト・インターステート銀行に転職。 その後、仏国パリバ銀行、クレディ・スイス銀行、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーを歴任。 東京外国為替市場委員会委員。 直筆による新刊「FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?」発売中。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

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