「テクニカル分析」教室
[第4回] MACD
INDEX
前編
 [1] SMAとEMAの違い
 [2] MACDは「差」をあらわす
 [3] EMAのクロスを意味するポイント
 [4] MACDとシグナルがクロスする場面
後編
 [4] MACDによるサインはなぜ早く出現するか?
 [5] 多くの紛らわしいサイン
 [6] MACDは特別な分析手法ではない
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4 MACDによるサインはなぜ早く出現するのか?
移動平均線による「ゴールデンクロス」よりも、MACDによる「ゴールデンクロス」のほうがより早く出現するのであれば、移動平均線など見る必要がない・・・ということになりますが、果たしてそうなのでしょうか。
下のチャートには、これまでと同じく12日・26日のSMAと、MACDを表示しています。そこに1つだけ黒い線を重ねたのですが、実はこれは4日間のSMAです。少し見づらいのですが、長期間でのSMAクロスよりも、短期間でのSMAクロスのほうが早く出現し、しかも「4日、12日」のSMAと、「12日、26日、9日」のMACDは、ほぼ同じタイミングでクロスしています。
やや大雑把な解説になりますが、MACDは2つの移動平均線の離れ具合に反応するため、EMA、ましてやSMAそのものよりも今後の方向性に敏感です。12日や26日の平均値同士がクロスするよりも早く、その動きを察知するのです。
しかし、これを感覚的に言えば「2つのEMAが近づいてきたから、そろそろクロスするだろう」という早まった予測であり、ある意味、EMAよりも早めに反応して当たり前・・・ということになります。
であれば、移動平均線の参照期間自体を短くしたらどうなるか?・・・というのが上のチャートの「4日、12日」のSMAによるクロスです。参照期間を短くすれば、直近の動きにより敏感に反応するはずです。案の定、「12日、26日、9日」のMACDとほぼ同タイミングで「クロス」しています。つまりMACDとシグナルによるクロスは、より短い期間のSMA(またはEMA)のクロスとほとんど変わらない、ということになるのです。
下のチャートはもっとわかりやすくご覧いただけるように、「4日、12日」のSMAと、「12日、26日、9日」のMACDを表示させたものです。上段(SMA)と下段(MACD)にそれぞれ出現しているサインが、ほぼ同じタイミングであることがより顕著におわかりいただけると思います。MACDの正体がだんだん明白になってきたかと思います。
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5 より短い期間の移動平均線と同じ意味。つまり、紛らわしいサインも多い。
さて、MACDとシグナルのクロスによる売買サインがどれくらい有効なのかをみてみましょう。下は米ドル/円相場が106円から113円近辺まで緩やかに上昇していった相場ですが、明らかにクロスしたとわかるポイントで売買しても、まったく成果が上がらなかったことがわかります。これは「移動平均線は揉み合い相場に弱い」という性質をそのまま引き継いでいるからです。よって、比較的大きな波を描く場面では、MACDはもう少し有効なサインを発するはずです。
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6 MACDは特別な分析方法ではない。何を分析しているのかを知ることが大事。
MACDに限った話ではありませんが、よほど大きな値動きが出現しない限り、クロスによるサインが出る瞬間というのは「これは本当にクロスするのだろうか?」といった程度の微妙なクロスか、あるいは接触でしかなく、次のローソク足が決まる頃にようやく方向感がハッキリとしてきて「ああ、やっぱりクロスした」などと、事後的に確認することが多いようです。
では、MACDとシグナルによるクロスが、ハッキリと確認できたポイントで売買した場合、どのような投資成果が得られるのでしょうか。下のチャートで確認してみてください。1番目の比較的大きな波を描いた場面では多少利益が出ていますが、その後の小さな波ではやはり、あまり成果が上がっていないようです。
結局は、短い期間での移動平均線によるサインと同じような成果しか出すことができないのです。
[4]で示したように、「12日、26日、9日」のMACDと、「4日、12日」のSMAを表示させながら、チャートの時間軸を行ったり来たり動かしてみると、いかに2つの分析が酷似しているかおわかりいただけると思います。MACDが移動平均線を使った分析である以上、大きな流れに乗れたときに有効な分析手法となります。
最後に、もう1つのサインについて。MACDのチャートで、ピンク色の棒が示しているのは「MACDとシグナルの差」でしたが、この「差」が縮まりかけたところで、「天井」や「底値」が近づいている、と察知する方法があります。こう書くと、とても有効なサインに思えるかもしれませんが、MACDなど見なくても、値動きが緩やかになったところで誰でもそれくらいのことは察知できてしまいます。テクニカル分析には「たったそれだけのこと」を、もっともらしく説くものも存在しますので、深みにはまってしまわぬよう、どうかご注意ください。
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「リアルタイム為替チャート」でのMACDの描画方法はこちら
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本稿はテクニカル分析に関する一般的な考え方を紹介するもので、新生銀行がこの投資手法を推奨したり、また特定の金融商品を勧誘・推奨するものではありません。株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品を説明するページをご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

※チャート出典/FX Trek社 本稿記載のチャートは過去の実績であり、将来を示唆・約束・保証しません。

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