吉田レポート
トレンドレスな夏相場
2008年7月10日
photo 吉田 恒
1962年、青森県生まれ。
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。 また、投資情報コングロマリット、T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。
財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。 為替ディーラーなど金融市場のプロ向け会員情報「Predictor」の編集責任者。 また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。
2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落など大相場予測をことごとく的中させ話題に。

  ドル円は方向感の乏しい展開が続いている。 ただし、そもそもこの7月前半というタイミングはそんな展開になりやすいということはありそうだ。

例年通りか、例年以上か

  昨年の7月ドル円値幅は5.65円と比較的大幅なものとなったが、これは下旬に入ってからドル急落が拡大したため。 中旬までのドル円は2円強の値幅で方向感の乏しい展開が続いていた。

  また、一昨年の場合も、7月ドル円はやはり半ばまでは2円強の値幅で一進一退が続いていた。 その前の年、2005年の場合は、7月を通じてドル円値幅は3円台にとどまる小動きだった。

  こんな具合に見ると、そもそも7月は半ば頃までは方向感の乏しい、小動きに終始しやすいということはありそうだ。 私は基本的に、3月から続いてきた円高「中休み」が転換点を迎えていると思っており、一方で昨年の夏のようなドル急落もどうかと思っている。 その意味では、例年通り、ある意味では例年以上に方向感を欠いた展開が続きやすいのではないかとも思っている。

高確率の夏相場

  前回レポートでも紹介したように、7月のドル騰落状況は、過去10年間で8勝2敗。 つまり、7月は1年12ヶ月の中で最もドル高になりやすい月だ。

  一方で8月のドルは、過去10年間で1勝9敗。 つまり7月とは正反対で、8月は1年の中で最もドル安になりやすい月だ。

  こんな具合に、「ドル高の7月」と「ドル安の8月」が続くのだから、夏相場は基本的には一方向の動きになりにくい。 過去10年間で、7−8月と同じ方向にドル円が動いたのは3回だけ。 つまり7割の確率で、夏相場は逆方向の動きになってきたわけだ。

  そんな過去の経験則からすると例外的な展開となったのが昨年の夏相場だった。 昨年は「ドル高の7月」にドルが急落、そして8月にかけてさらにドル続落となったのである。

  さて、そんな「例外的な夏相場」が2年連続で起こることになるだろうか。 低い確率の展開を予想するなら、それなりの根拠が必要になるが、今のところ私にその根拠はない。 そうであれば高い確率での展開を予想することになるだろう。 (Y)

<参考:2ヶ月のドル方向性>
参考:2ヶ月のドル方向性

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