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昨年来、株価が急落すると円高になるといった状況が続いてきた。これをリスク回避と説明することが一般的だった。 ところが最近は米株がことごとく年初来安値更新となっているにもかかわらずそれほど円高になっていない。 つまりリスク回避で円高といった反応が薄れていることを示している。
なぜこのように為替と株の連動関係が変化しているかはわかりやすい。 昨年と最近の大きな違いは為替のポジションだ。主要5通貨のポジション合計は、昨年6月までは何度か40万枚を越えていた。 これは確認できる20004年以降で断トツだった。つまり、昨年6月まで、為替では異常なポジションの拡大、つまり「リスクとり過ぎ」になっていた。
ところが、最近はこのポジション合計が一時3万枚台まで縮小した。 昨年ピークの10分の1以下に縮小し、2004年以降ではほぼ最低規模に縮小したのである。 つまり「リスクとり過ぎ」は是正され、むしろ「リスクとらなさ過ぎ」気味になっていた。
昨年までの「リスクとり過ぎ」の主役の一つ円キャリー取引と見られた。 したがってリスク回避は「行き過ぎたリスクテーク」の修正で円高となった。 しかし最近は「リスクとらなさ過ぎ」のため、リスク回避でも為替の影響は限られているということだろう。
そしてそれはまた、円キャリー取引が昨年に比べるとかなり縮小している可能性も示している。
為替市場で、円キャリー取引のようなリスクをとる取引が縮小しているということは、投機的取引の縮小といった意味にもなる。 ということは、為替相場への影響度が、実需取引のそれが相対的に大きくなっている可能性があるわけだ。
為替の実需は、基本的には貿易と資本の2つに大別される。 その中で、基本的には、実需相場では貿易黒字国の通貨が上昇しやすく、貿易赤字国通貨は下落しやすい。 このように考えると、3月から円安・ドル高が進んできたことはどのように考えたらいいだろうか。
一つには、4月、新年度入りで新規外債投資など資本流出が拡大した影響が考えられる。 また、貿易黒字大国日本だが、急激な円高の反動を受けて輸出予約などの修正が入った可能性もあったのではないか。
為替ポジションが、最近と同じほどに縮小したのは2004年4月、2005年1月などだが、当時は円高が進んでいた。 投機取引の縮小で円高というのはわかりやすい。 今回の場合はその意味でこれまでとは異なるものの、投機取引の縮小傾向がまだ続くようなら、基本的には貿易黒字を背景に円高になりやすい構図があるということは、頭に入れておく必要があるだろう。 (Y)
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