吉田レポート
米大統領選挙年の「夏相場の終わり」
2008年7月28日
photo 吉田 恒
1962年、青森県生まれ。
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。 また、投資情報コングロマリット、T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。
財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。 為替ディーラーなど金融市場のプロ向け会員情報「Predictor」の編集責任者。 また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。
2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落など大相場予測をことごとく的中させ話題に。

  今月のドル円値幅は、先週までの段階で4円を超えている。 これは、1ヶ月のドル円としては、普通の値動きといえるものだ。 ただし、過去の米大統領選挙年の夏相場パターンからすると、動くのはこの7月まで。 8−9月と極端に動意を欠いていくのが基本だった。

「尻すぼみの夏」というパターン

  そして、9月が終わる頃になって振り返ると、今年の夏相場は7月でほぼ終わっていたことを確認する。 さて、今年もそんな過去のパターン通りになるのか。 そうなるなら、9月末までのドルの高値、安値は、7月末までにほぼ決まるか、またはすでにほぼ決まりつつあるということになる。

  過去3回の米大統領選挙年における7−9月のドル円平均値幅は、7月4.76円、8月3.27円、9月3.03円。 ドル円の月間値幅が4円台というのは一年を通じてもきわめて平均的なものであり、その意味では、大統領選挙年の夏相場は、7月までは普通に動くが、8−9月になると、ガクンと動意をなくす傾向があったことがわかるだろう。

  その結果、大統領選挙年は、7−9月3ヶ月のドル円値幅でも平均5円程度にとどまってきた。 このように見てくると、当然のことになるが、過去の大統領選挙年の夏相場は、7月の値幅が、ほとんど3ヶ月の値幅と一致してきたのである。

  さて、今月のドル円レンジは、先週までの段階で103.77−107.97円。 過去のパターンが今回も機能するなら、9月末までに基本的にこのレンジを大きく抜けないということになるし、別な言い方をすると、今週中に、より9月末までの確からしいドルの上下限が決まることになる。

  これは、あくまでも過去のパターンが今回も機能した場合ということになるが、では今回は異例の動きになるかといえば、これまでのところそういった要素があるようにも感じない。

もう一つの「大統領選挙年ジンクス」

  大統領選挙年は、こんな具合に夏にかけて小動きといった特徴があるが、一方で小動きは夏までであり、選挙が近付く秋になるととたんに大きく動き出すといったもう一つの特徴もある。

  過去5回の大統領選挙年のドル年間高値ないし安値を調べたところ、すべてのケースで年間の高値ないし安値、または高安値ともに、選挙前後で記録していた。 さて、このパターンが今回も機能するなら、今年のこれまでのところのレンジ、95−112円を、選挙前後で更新するということになる。

  こんな具合に、大統領選挙といったキーワードだけで、かなりいろんなことが為替を見る上でのヒントになる。 あとは、その経験則が今回は当てはまるか、それとも当てはまらないかを考えるわけだが、今のところ今回が当てはまらない感じもとくにはしない。 (Y)

<参考:米大統領選挙年のドル高・安値>
参考:米大統領選挙年のドル高・安値

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