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ドルは一気に110円へ迫るなど上昇傾向が続いている。 昨年は8月にドル暴落の「悪夢」の展開となったが、今年は事情が違うようだ。
昨年の夏、「狂った円高」が起こった。 ハイライトは、8月16日。この日一日でドル円は116.74円から112.01円へ一気に5円弱ものドル暴落となった。
ドル円の歴史には、1998年など一日で10円、二日で20円ものドル大暴落が起こったこともあったが、それに次ぐほどの記録的なドル暴落となったのが昨年8月だったわけだ。
ここ数日、ドル円はともかく、クロス円はじりじり下落(円高)となる場面もあった。 この背景には、一年前の悪夢の記憶のもと、ポジションの圧縮を進める影響もあるのではないか。
ただ、一年前と最近ではかなり違うとも思う。 たとえば、シカゴIMM統計でみると、昨年は7月末時点で円が5万枚のショート、ユーロは7万枚、ポンドは6万枚のそれぞれロングだった。 円売り、外貨買いが顕著な中で、その巻き戻しをうながされて円全面急反騰となったわけだ。
これに対して最近は、円が0.6万枚のショート、ユーロも1.6万枚のショート、ポンドは0.1万枚のロング。 一年前に比べるとポジションの偏りがほとんどないことがわかる。昨夏のような反動が入る状況ではなさそうだ。
以上説明してきたことから、この8月に昨年のようなドル暴落はないと思うが、ただ8月のドル騰落状況(対円)は過去13年間で4勝9敗。 また、過去10年間で見ると1勝9敗といった具合で、経験則的には一年で最もドル安になりやすい月だけに、このところのドル高・円安傾向に変化が生じる可能性は注目される。
ところで、ここ数日ユーロは1.55ドルを久しぶりに割り込んで下落している。 ただ一方で、これまでの実績からするとかなりユーロ「売られ過ぎ」気味にもなっているため、さらなるユーロ売り余力は微妙だ。
シカゴIMM統計によると、これまでのユーロショートの最高は2.5万枚、一方ユーロロングの最高は10万枚超。 これを見る限り、ユーロ売りとユーロ買いでは限度に大きな違いがありそうだ。
このようにユーロショートの拡大にはおのずと限度があり、一方ユーロロングは大幅に拡大することから、 ユーロが大きく下落するのは、ユーロショートを拡大する過程より、むしろユーロロングの調整、つまりユーロ「買われ過ぎ」の反動から始まることが少なくなかった。
最近のように、ユーロショートが2万枚前後まで達したケースでは、 一段と3万枚を超えてユーロショート拡大に向かうことでユーロ一段安になるというより、 むしろユーロ売りが一巡し、当面のユーロ底入れとなることがこれまでは多かったが、さて今回はどうか? (Y)
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