吉田レポート
試される円高「中休み」の転換
2008年8月11日
photo 吉田 恒
1962年、青森県生まれ。
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。 また、投資情報コングロマリット、T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。
財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。 為替ディーラーなど金融市場のプロ向け会員情報「Predictor」の編集責任者。 また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。
2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落など大相場予測をことごとく的中させ話題に。

  ドルはついに110円台を回復してきた。 昨年6月124円から今年3月95円まで約30円下がったドルが、ほぼ半値を戻してきたわけだ。 ここまでなら、これまで何度も紹介してきたように円高の1幕と2幕の間の「中休み」パターン通りである。

パターン通りだが

  過去の円高基調では、1幕と2幕の間に、1幕でドルが下がった分のほぼ半値を戻すといったパターンがあった。 また、その半値戻しのピークは、1幕終了から68−167営業日後、平均109営業日後につけていた。

  つまり最短3ヶ月後、平均5ヶ月後ということになる。 今回の1幕の終了は3月だったから、「中休み」のピークは6−8月と予想されたわけだ。

  また、この「中休み」におけるドルのピークは、約2ヶ月の間隔をはさんで2番天井を確認するといったパターンがあった。 今回、かりに6月中旬の108円半ばが1番天井だったら、8月中旬にかけて2番天井をつけるといったことになる。

  さて、こんなふうに見てくると、ここまではまったく過去の円高「中休み」のパターン通りの展開ということになり、 そのパターンからするとそろそろ円安も終わりが近いということになるが、果たしてどうだろう。

  最近の円安・ドル高が、バブル破裂気味の原油価格急落によって後押しされている感じがあることは間違いない。 そんな原油安は、この円安・ドル高が、あくまで過去の円高「中休み」パターン内におさまるか、 それともズレるものになっていくかを左右することになりそうだ。

円高と円安の境目は112円

  この数ヶ月の円安は、あくまで円高基調の中の調整に過ぎないのか、それともすでに円安基調に転じているのか。 その境目は基本的には112円だろう。

  ドルは一つのトレンドが展開する中で、何度かそれと逆方向に200日線をブレークするといった習性があるが、それは最大でも基本的に5%未満だ。

  さて、その200日線は現在で106円台後半。 最近にかけ一気に110円へ迫るドル高となったことで、200日線に対する上ブレ率は3%を超えて拡大してきた。

  上述のように、まだドル安基調の中にあり、あくまでこのドル高が調整の動きに過ぎないなら、200日線に対する上ブレ率は5%未満にとどまることになる。 したがって、ここまでの動きは、ドル安の調整に過ぎないことになる。

  逆にいえば、200日線を5%以上も上ブレてきた時、つまり現在の局面なら112円を越えるようなら、それはドル安の調整といった説明の範囲を超える。 つまりすでにドル安は終わり、ドル高に転換しているということになる。

  つまり、あの3月の95円でドル安が終わったと思うなら、ここでもドルは押し目買いになるだろうし、まだドル安が終わっていないと考えるならここはドル戻り売りとなる。 私は今のところ、後者だと思っている。 (Y)

<参考:ドル円200日線からのかい離率>
参考:ドル円200日線からのかい離率

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