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原油価格(WTI)が、1ヶ月余りで2割を大きく超える急落となる中で、「バブル破裂」との見方が増えてきた。 ところで、「バブル破裂」相場には一定のパターンがあることが一部で知られているが、それに沿った展開が今後続くなら、 WTIは2010年にかけて50ドルまで下落、今回の最高値147ドルをふたたび回復するまでには20年以上、つまり2030年以降になるといったシナリオになる。 ただバブル破裂でも、今回の場合原油という「消費財」が対象だけに、過去のパターンとは微妙に異なることも予想されている。
20世紀3大バブル破裂相場とされるのは、1930年代の大恐慌時に展開した米株暴落、1980年からの金相場暴落、そして1990年からの日本のバブル破裂、日経平均暴落だ。 さらに、21世紀最初のバブル破裂相場は、2000年3月からのITバブル破裂、ナスダック暴落だ。
これら過去のバブル破裂相場と呼ばれる値動きは、 数十年、日米、さらに株、金相場の違いにかかわらず、かなり共通したパターンがあるということで、一部ではよく知られてきた。
そんなバブル破裂相場パターンにおける第一の基本は、大底入れまで2.5−3年かかり、その中で高値から7割前後下落するということ。 このような長期下落相場となるだけに、一般的にバブル破裂が始まっていることが認識されるのは、破裂開始から半年以上といった具合に大分長い時間が経過してから。
逆にいえば、バブル破裂から半年程度は、そういった認識がないことから「新たな不幸」を招くこともある。 ITバブル破裂のナスダック暴落は、今からすると2000年3月から始まったのが明らかだが、この時、日本銀行は2000年8月にゼロ金利解除に踏み切っていた。 当時、ITバブル破裂といった深刻な認識が欠如し、金融政策の正常化を焦った結果がその後のさらなる日本経済低迷を後押しする要因になったといえるだろう。
ところで、バブル破裂相場は2−3年の長期下落相場が展開するが、その中には上下動のサイクルがもちろんある。 基本的には破裂1幕は2−3ヶ月で3割前後の下落で一段落、その後半年程度の「中休み」が展開し、 その中で半値戻しを達成すると、あらためて破裂第2幕に向かうといった具合だ。
そして、過去のバブル破裂相場は、大底入れ後も戻りが鈍いという特徴がある。 1990年からの日本のバブル破裂からすでに18年も経過し、そして2000年からのITバブル破裂からも8年以上経過する中で、 それぞれのバブル高値はまったく回復するに至っておらず、回復どころか最大で6割程度の値戻しにとどまっている。
さて、こんな過去のバブル破裂パターンが、今回WTIにおいても繰り返されるなら、 大底入れは50ドル、その後ふたたび前回の高値147ドルを回復するのは2030年以降といった見通しになってしまう。 原油価格も、過去のバブル破裂相場と同様に「失われた10年、20年」に突入したということなのか。
株と異なり、原油にはかなり明確な需給が存在する。 需給的には、将来的な原油価格上昇に対する異論は基本的にない。 だからこそ、長期上昇シナリオに便乗した資金によってバブルが演出されたということはありうるだろうが、 株価バブル破裂のように、7割下がるか、そして元に戻るまで20年もかかるかとなると懐疑的な見方が有力視されている。 (Y)
※ NASDAQは00年3月2週、日経平均は89年12月最終週、 金(80年)は80年1月3週、金(現在)は06年5月2週を100%とする
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