吉田レポート
クロス円急落反転への鍵とは?
2008年9月16日
photo 吉田 恒
1962年、青森県生まれ。
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。 また、投資情報コングロマリット、T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。
財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。 為替ディーラーなど金融市場のプロ向け会員情報「Predictor」の編集責任者。 また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。
2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落など大相場予測をことごとく的中させ話題に。

  クロス円の急落相場が続いている。ただし私は、これも目先は転換点に入っていると思っている。理由の一つは、「クロス円急落の影の主役」ドル高が、転換に向かい始めたと思っていることだ。

円の実質ドル・ペッグ制

  最近のクロス円急落は、ドルと円の同時高の中で起こっている。そもそも、ドル・円同時高は、クロス円にとって最悪の組み合わせだ。ドル高だから、ドル以外の外貨は安くなる、そして円高だから、対円でドル以外の外貨はさらに安くなるわけだ。

  問題は、なぜ今ドル・円同時高になっているかということだが、その答えは「ドル高だから」ということになるだろう。同時高はともかく、そもそもドルと円が同じ方向に動くという現象は、2003年頃から続いてきたものだ。そしてその実態は、円のドルへの連動、つまり円が実質「ドル・ペッグ制」になっていたということだ。

  こういった中では、円自身に方向を決める主体性はない。ドル高なら最近のようにドル・円同時高になるし、そして昨年まではドル安だからドル・円同時安となってきた。ドル安だと、ドル以外の外貨は上がる、そして円安だから対円ではもっと上がる。つまり、ドル・円同時安の中で、昨年までは数年にわたったクロス円「青天井」相場が展開してきたわけだ。

ユーロ円アナロジーの示唆

  さて、こんなふうに見てきたら、最近のクロス円急落の「影の主役」はドル高ということになるだろう。そして、クロス円急落がさらに続くか、それとも転換するかの鍵も、ドル高が握っているということになるだろう。

  このドル高の目安を対ユーロで考えた場合、移動平均線からのかい離や、ポジション動向から「行き過ぎ圏」に入っていると私は考えている。そしてその、短期的に行き過ぎたユーロ安・ドル高の一つのリード役になっていると思われる原油安も、急落一幕は終わりに近いところに来ていると思っている。

  このようにドル高が転換点にあるなら、クロス円急落も目先は転換点にあるという解釈になる。そういった中、じつは昨年と今年のユーロ円は酷似した状況が続いており、それがさらに続くようなら、ユーロは急反発間近ということになる。

  相場は行き過ぎが常だ。ただし、一方で行き過ぎ相場は必ず修正されるということも真理である。ではその行き過ぎ修正が始まる兆候とは何か。単純なことなら、下げ相場では長い下ヒゲを残すとか、二番底を確認するということだろう。今はそんなサインを探すタイミングだと思っている。(Y)

<参考:昨年と今年のユーロ円相場>
昨年と今年のユーロ円相場

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