為替・マーケット用語集

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対米証券投資
  • ※外貨メール2007年2月19日掲載

先日、米財務省が発表した2006年12月の対米証券投資は、約110億米ドルの売り越しとなったそうです。ちなみに売り越しとなったのは、2005年6月以来初とのこと。さて、対米証券投資が冷え込むとどのような影響が出るものなのでしょうか。

新生銀行 何を表す指標なのでしょうか?
松田氏 対米証券投資とは海外からの米国証券購入額を表しています。米国証券とは米国株式や米国債などを示します。つまり、米国以外の国から米国に流入する資本の金額を示しています。

対米証券投資は、英語では“Treasury International Capital System”で、TICあるいはTICSと略称されます。
新生銀行 市場の注目度は高いのでしょうか?
松田氏 当然、注目度も重要度も高い経済指標です。米国へ流入する資本が大きいのか小さいのかを表しているのですから、「米国への投資意欲が高いか否か」つまり、「米国経済への期待感を反映する指標」といえます。

この指標が大きくプラス(買い越し)の場合は、米国への投資意欲が旺盛であると判断できます。逆にマイナス(売り越し)の場合は米国からの資本流出を示していますから、米国への信認が低下しているとも判断できます。
新生銀行 為替相場との相関は高いか?
松田氏 そうですね。為替相場との相関性が高い指標といえます。通常は、対米証券投資が大きくプラス(買い越し)の場合は、「米ドル買い」の材料になり、逆に、マイナス(売り越し)の場合は、「米ドル売り」の材料になります。対米証券投資は米国貿易収支と比較されることも多い指標です。米国の貿易収支は巨額の赤字です。特に最近はイラク戦争などの影響も大きく、恒常的な貿易赤字国です。この米国貿易赤字を埋めているのが対米証券投資と言われています。

米国への資金流入が巨額の貿易赤字をカバーできていれば、需給面で米ドル買いと米ドル売りが相殺されて均衡が保たれますが、資本流入が不足すると需給面から「米ドル売り」の憶測を呼ぶことになるのです。
松田 哲 氏
三菱信託銀行本店国際資金為替部にて、外国為替、国際資金業務のエキスパートとして活躍。 三菱信託銀行より、米国ファースト・インターステート銀行に転職。 その後、仏国パリバ銀行、クレディ・スイス銀行、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーを歴任。 東京外国為替市場委員会委員。 直筆による新刊「FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?」発売中。

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