
[左]取締役代表執行役社長 ティエリー ポルテ [右]取締役代表執行役会長 杉山淳二
平成19年3月期、当行は、様々な課題に直面しました。その中で当行は、業務環境の大きな変化に対し、いくつかの大胆かつ困難な施策を実施いたしました。これにより、平成20年3月期に向けて収益力の伴う新たな成長への態勢を整えることができたと考えています。競争が激化する環境において、当行が優れた金融サービスグループとしての地位を確立するためには、過去7年間の変革と成長の基盤である、幅広くかつ充実したスキルと経験を活かしながら、継続的に差別化を図っていく必要があります。当行は、その方向性が正しいと確信する戦略をベースに、お客さまの期待とニーズを上回ることに努め、数々の直面する課題を発展の機会に転換していきたいと考えています。
平成19年3月期は、利上げ期待の後退や競争激化による貸出利鞘の伸び悩みなど不安定なマーケット状況を反映し、法人ならびに個人の金融取引を含め低調な滑り出しとなりました。期中には、消費者金融業界における法規制や環境の変化が、当行の消費者金融ビジネスおよび業績に大きな影響を及ぼすことが明らかとなりました。当行は、環境の変化に対し、迅速かつ断固とした対応として、消費者金融ビジネスの経営変革の加速、関連グループ会社にかかわる保守的な引き当ての実施、のれんおよび無形資産の減損と投資損失引当金の計上など、様々な施策を実施してまいりました。これらの施策により、平成20年3月期以降の当該ビジネスの実効性および収益性が確保されるものと考えています。
消費者金融ビジネスにおける環境変化の影響はありますが、当行は、引き続き強固な財務基盤を維持しており、インスティテューショナルバンキング、コンシューマーアンドコマーシャルファイナンス(CCF)およびリテールバンキングを3つの戦略業務分野とするビジネスモデルを展開してまいります。当行の規律あるリスク管理能力、高度なIT技術、質の高いコーポレート・ガバナンスおよびコンプライアンス体制は、当行が、より幅広い顧客層に対し、より多くの商品・サービスを提供する上での重要な基盤となっています。また当行は、業績に関する情報をステークホルダーや市場に対し適時適切に提供し、経営のより高い透明性確保に向けた取り組みを継続してまいります。
平成19年3月期の連結業務粗利益は、平成18年3月期比2.0%減の2,683億円となりました。営業経費が1,359億円から1,499億円に増加しましたが、これは主に3つの業務分野における新たな事業拡大に伴う商品および顧客サポートの拡充を反映したものです。これにより、経費率は49.7%から、55.9%となりました。(以上の数字はオペレーティングベース) 平成18年3月期は、760億円の連結当期純利益を計上しましたが、平成19年3月期は、子会社アプラスの延滞増加、引当基準の厳格化、その他損失等519億円のクレジットコストならびに繰延税金負債の戻し入れを差し引いたアプラスにかかわるのれんおよび無形資産の減損788億円の計上等により609億円の連結当期純損失となりました。のれんおよび無形資産の償却ならびに減損、それに伴う繰延税金負債取崩を除外したキャッシュ調整後ベース連結当期純利益は平成18年3月期は1,019億円でしたが、平成19年3月期は353億円となりました。当行単体では、平成18年3月期、748億円の当期純利益でしたが、消費者金融ビジネスへの投資に関連した株式の減損および投資損失引当金の計上により、平成19年3月期は、419億円の当期純損失となりました。その結果、当行は、経営健全化計画に基づく目標を達成することはできませんでした。
平成19年3月期末において当行の連結貸出金残高は前期末4兆875億円より25.9%増加し5兆1,463億円となり、預金・譲渡性預金は前期末4兆717億円より33.1%増加し、5兆4,209億円となりました。平成19年3月期末における当行の連結自己資本比率は13.13%、TierT比率は8.11%となっています。
当行は、引き続き3つの業務分野を戦略の柱に据え、事業および顧客基盤の拡大を図っていますが、平成19年3月期は、業務分野間の連携も実を結び、効果的なクロスセルや案件紹介、共同プロジェクトやコスト削減などの面でより多くのシナジー効果を生み出すことができました。
インスティテューショナルバンキング業務では、金融商品・サービスの専門家とお客さまを担当するRM(リレーションシップ・マネージャー)が一体となり、一顧客当たりの商品・サービスの提供数の増加を図っています。法人向け貸出も増加する中、お客さまに対してソリューションを提供する機会も増えています。当行のパートナーという位置づけにある地域金融機関との関係も引き続き強化されており、不動産ビジネスにかかわるお客さまとも長期的な関係を築いています。また、将来性のある公共部門に対しても当行は様々な分野における革新的なソリューションの提供を行っています。
コンシューマーアンドコマーシャルファイナンス業務では、子会社であるアプラスが主要な加盟店と密接かつ収益性の高い取引を推進しており、強力な提携関係を確立しています。当行のリース事業子会社である昭和リース(株)は、当行の他分野からの新たな商品・サービスの提供により、中小企業のお客さまとの関係を強化しています。
リテールバンキング業務では、引き続き提供商品の充実とお客さまへのコンサルティングサービスの強化を図るとともに、インスティテューショナルバンキング部門などと密接に協力しながら、富裕層のお客さまのニーズにより一層応えるよう努めています。さらに、リテール部門は、平成19年3月にアプラスが発行を開始した「新生VISAカード」の申し込み取り次ぎを行うなど、各部門との連携を強化しながら、お客さまへのより良いサービスの提供を目指しています。
当行の情報テクノロジーを担当する金融インフラ部門は、各ビジネス部門と連携してお客さまに提供する商品・サービスの改善およびサポートを行うだけではなく、お客さまとの直接的な協力関係を築きながら、お客さまの事業の発展を支援するための技術的なサポートと専門知識の提供も行っています。
平成20年3月期は、自信を持ってビジネスを推進し、収益力を伴う成長を実現していきたいと考えています。消費者金融ビジネスにおいては、収益性が高くかつ健全なビジネスモデルへの転換を図る必要があります。リテールバンキング業務では、順調に拡大するお客さまに対し最適な商品・サービスを提供することにより、収益性の回復を目指します。インスティテューショナルバンキング業務では、業務基盤をさらに強化し、持続的、安定的な収益を生み出す必要があります。また、効率的な組織機能を維持していくためにはリスク管理、コンプライアンス、コーポレート・ガバナンスや業務インフラを改善していかなければなりません。社員が“新生ビジョン&バリュー”を理解し、お客さまのニーズに沿ったサービスを提供していくことにより、一貫性があり、明確で、普遍的な新生銀行の文化を 築き上げることが必要だと考えています。
事業環境が絶え間なく変化し、競争が激化する中、当行は、革新性を有しつつ差別化を図っていくことが重要と考え、お客さまに対して価値あるサービスを提供することにより多くの貢献ができる機会を追求しております。また、お客さまの期待を上回ることで、よりロイヤルティーと収益性の高い顧客基盤を構築できると確信しています。これを達成するためには、3つの業務分野において最先端のソリューションを提供し、お客さまから選ばれる銀行になる必要があると考えています。
お客さまの変わらぬご愛顧、株主の皆さまの温かいご支援ならびに、社員の努力に感謝いたします。
平成19年3月期の業績は大変残念な結果となりましたが、当行は、すべてのステークホルダーに対し、価値をご提供することが最大の責務と考えており、平成20年3月期のビジネスならびに業績の目標を達成すべく、自信を持って戦略を推進してまいります。
今後とも、皆さまには、なお一層のご支援・ご指導を賜りますようお願い申しあげます。
平成19年6月19日
| 取締役代表執行役社長 ティエリー ポルテ ![]() |
取締役代表執行役会長 杉山淳二
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最終更新日: 2007年6月26日