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本稿は新生銀行市場営業本部の見解をもとに制作したもので新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。本資料は信頼できると思われる情報に基づいて新生銀行が作成しておりますが、情報の正確性、完全性が保証されているものではありません。本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。ご投資される際は、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
ギリシャ債務問題がドタバタの末ながらも当面の解決となり、市場が一息ついたのもつかの間。3月後半からは再びスペインの国債利回りが上昇しはじめるなど、依然として不安感がくすぶりつづける欧州の信用不安。
さすがに「ユーロがなくなるのでは?」といった不安や「欧州で突然リーマンショックのような金融機関の破綻などが再び起こるのでは?」といった危機感は、ギリシャの債務問題の決着により若干後退はしたものの、欧州問題を収束させるには、まだまだもっともっとさまざまな制度や政治の改善が必要で、通貨のみならず財政の統合など難しい問題にも取り組んでいく必要があると考えられます。さらにこれ以上財政が悪化しないように緊縮財政を貫きながらも、税収を増やすべく景気の落ち込みを回避しなくてはならないなど、非常に難しい運営が求められています。このような難問が、わずか何ヵ月間といった期間で解決するのは困難と思われ、おそらくこの先も欧州への不安心理が相場に居座ることになりそうです。
そして市場参加者にとって、一番の悩みはおそらく、『欧州の問題が、欧州域内での問題に留まってくれない事』なのではないでしょうか。つまり、今回の信用不安は、スペインの国債入札の不調がきっかけとされています。その不安の連鎖は再び、世界中の株価や主要国の国債利回りなどの幅広い資産市場に及びました。今回、市場参加者の多くが再認識したのは、欧州問題の動向を抜きに、米国、日本、豪州、中国といった国々の通貨や資産市場の動きを見通すのは極めて難しい、ということではないでしょうか。
では、このようにこれからも長い付き合いとなりそうな欧州問題に関するニュースがどういう波及経路−波及思考−を経て、他の地域の通貨や市場に影響を及ぼすのか、整理しておきましょう。
1.スペインの国債を沢山持っているスペインの金融機関、欧州域内の金融機関の資本不足へ不安が高まる → 多くの新興国への投資資金が縮小するとの市場のムード → 新興国の景気悪化 → 株式市場下落、新興国通貨下落・・・。
このような展開となると、市場は「リスク回避的な相場」に向かいやすくなります。その場合は、原油などのリスク資産も売られやすくなり、豪ドルやブラジルレアルといった資源国通貨の下落要因(円高)になる可能性があります。
2.米国、ドイツの国債に資金がさらに向かいやすくなります。なぜなら、市場参加者は、信用不安から逃れるための"避難先"として、経済基盤の大きい米国の国債である米国債や域内随一の経済規模と経常黒字を維持しているドイツのドイツ国債に資金を向けざるを得なくなると考えられるからです。この結果、国債の価格は投資家の買いにより上昇し、金利が下がりますので、日本とこれら米国やドイツとの間の金利差縮小観測から、米ドルやユーロを売る材料となり、これもまた円が買われやすくなる(円高)要因となる場合があります。
このように欧州問題の再燃はどちらかと言うと『円高要因』となりやすく、引き続き外貨運用の不安材料であり続ける可能性があります。
尚、4月末のゴールデンウィーク前半には再びイタリアスペインの国債の入札が予定されています。結果次第ではまた円高に向かう可能性もありますので、注目をしておいてください。
| 5月の欧州の予定表 | |
|---|---|
| 3日 | ECB 政策委員会 |
| 6日 | フランス大統領選挙決戦投票 ギリシャ総選挙予定 |
| 11日 | 欧州委員会 (春季経済見通し発表) |
| 14〜15日 | ユーロ圏EU財務相会合 |
| 16日 | ECB 政策委員会 |
| 17日 | スペイン入札 |
| 31日 | アイルランド 財政協定国民投票実施予定 |

常日頃から疑問に思っていることや、専門用語。さらにマーケットでは、普通に語られているけども、実際にはどんな意味なのか知らない・・・。なんて、いまさら聞けない為替マーケットの疑問までをQ&A方式で、新生銀行 市場営業本部の政井が解説します。
経営学修士。トロントドミニオン銀行資本市場部 アソシエイトディレクター、カリヨン銀行金融商品営業部部長を歴任後、2007年5月新生銀行に入行。『ニュースモーニングサテライト(テレビ東京)』への出演をはじめ、新聞・雑誌などのメディアを介して為替相場に関しコメントを発信。セミナーでの講演も多数。

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