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投資信託などの取引の損益通算 投資信託などの取引の損益通算

市川 雄一郎

profile

市川 雄一郎(いちかわ ゆういちろう)

フロンティアアドバイザーズ株式会社 代表取締役

CFP (日本FP協会認定)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士 (国家検定資格)
1969年埼玉県生まれの東京育ち。大学時代は米国で過ごす。

日本FP協会においての相談業務や銀行、証券など金融機関においてのアドバイザー経験も豊富。メディア活動も多い。共著本は多数あるが、初心者向けの「はじめての資産運用」(日本経済新聞社)は改訂版を含めて計10刷まで増刷された。独自の視点で経済を読み解き、難解な経済用語をわかりやすく伝えることに定評がある。

2016年も残すところ後わずかとなってまいりました(2016年11月末作成)。マイナス金利の導入、英国のEU離脱を決めた国民投票、米国の大統領選など、マーケットが大きく変動する局面もあった今年の資産運用のパフォーマンスは如何でしたでしょうか?
資産運用では年内にチェックしておいた方が良いことがいくつかあります。『江戸っ子は宵越しの銭は持たぬ』などと言われますが、しっかり手続きを済ませて、年を越したいものです。 今回は第1回目『投資信託などの取引の損益通算』です。

損益通算とは?

まず「損益通算」とは何か?からご説明しましょう。
毎年1月1日から12月末日の間に投資信託や株式等の売買を行った際に発生した損益を通算(プラス面とマイナス面を合わせて計算)することです。
例えば、A投資信託を売買して5万円の譲渡利益が出たとします。一方で、B投資信託では売買の結果3万円の損失が出たとします。この場合、譲渡益5万円から譲渡損失3万円を差し引いた利益2万円分のみが課税対象となるのです。合算した通算額が0円以下なら、課税されません。
また譲渡益や配当金、普通分配金などの利益と譲渡損失を合算した結果、損失の方が大きくなってしまった場合は、確定申告を行うことで、その譲渡損失を3年間繰越することも可能です(確定申告をしないと繰越できません)。なお、確定申告は、翌年の2月16日~3月15日までが申告期間となります。
なお、NISA口座での損益は特定口座等、他の口座と損益通算ができませんのでご注意ください。

今年のうちに確認しておきたいこと「今年の収支確認」。資産見直しの機会としても活用

上記のように、損益通算ができる期間は1月1日~12月末日までの取引ですので、まずは今年の損益状況を確認しましょう。そしてもし、資産の見直しを行うなら、年内をひとつのタイミングとして考えてみるのも良いと思います。なお、この場合の取引とは、取引を行った日ではなく、原則、受渡日である点には注意が必要です(特に海外市場の資産で運用する投資信託などは、海外市場の休場日のために受渡日が後ろ倒しになる場合もありますので、投資信託などは年内最終受渡日がいつになるのか?は、各取引金融機関のホームページなどで確認をすることをお勧めします)。

損益通算のメリットは、保有資産を見直す場合に有効です。たとえば、既にある取引で損失が生じた方で、今保有している投資信託で利益が出ているような場合。もし利益が出ている投資信託の売却を検討されているのであれば、今回の売却で得られる利益は既に生じている損失と通算ができます。逆に既にある取引で利益が出ていて、一方で損失を抱えてしまっているものの売却を検討しているのであれば、今回の売却で生じる損失を、既に生じている利益分と損益通算できます。また保有している資産の中で、損しているものと利益が出ているものとを組み合わせて売却することも検討できるでしょう。
とはいえ、あくまでも投資信託を活用した資産運用の基本は長期運用ですので、年内の損益通算を理由に、売却を急ぐ必要はまったくありません。ただ、たとえば保有資産の見直し、入れ替えを検討している場合には、頭の片隅にでも入れておいて欲しい情報のひとつです。また大きな損や利益が出ている場合には、損益通算ができることを踏まえて、資産の見直しを検討してみるのも良いでしょう。

開設した口座によって、税金の申告方法が異なります。
2種類の特定口座と一般口座 どの口座を開いていますか?

投資信託や株式で運用をされている方は、①特定口座(源泉徴収あり)、②特定口座(源泉徴収なし)、③一般口座のいずれかの口座を必ず開いていらっしゃるはずです。まず、ご自身がどの口座を開いているか、確認してください。複数の金融機関で取引をされている方の場合は、種類の違う口座を開いている場合もありますので、各金融機関の口座ごとに確認が必要です。というのも、口座によって、税金の申告方法が異なるからです。ご自身が開設された口座と、税金の申告方法については、お取引金融機関などでご確認されることをお勧めします。

特定口座、一般口座の違いなどについては、新生銀行のホームページの情報も参考にしてみてください

本稿の損益通算や確定申告の仕組みの説明は、一般的な説明を目的としており、また記載内容は簡略化されております。表現に関する正確性を当行が保証するものではありません。またお客さまの個別の税務に関しては、本稿と別の取り扱いとなる場合がございますので、詳細は、必ずお取引のある金融機関及び最寄の税務署や税理士等の専門家にお尋ねください。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • ・本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • ・金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • ・上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を新生銀行が保証するものではありません。
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