住宅ローンお役立ち情報

変動金利(半年型)タイプ、固定金利期間選択型タイプ、全期間固定金利型タイプ、みんなはどれを選んでいる? 変動金利(半年型)タイプ、固定金利期間選択型タイプ、全期間固定金利型タイプ、みんなはどれを選んでいる?

金子千春

profile

金子千春(かねこちはる)

千春コンサルティング事務所代表。約9年間の銀行窓口経験を経て2004年よりFPとして独立。文京区民向けのライフプランセミナー、国家公務員共済組合主催の住宅ローンフェア講師、住宅展示場での住宅ローンセミナーやローン相談、宅建資格講座の講師、企業のDCセミナー、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ということのないようにという観点から、幅広い分野で活動中。

こんな金利タイプが選ばれています。~低金利なら、金利を固定するタイプを選択する人が多い?~

「住宅ローンの金利タイプは、ライフプランやライフイベント、家計の状況、金利見通しの考え方などを踏まえて自分にあったタイプを選びましょう。」これは、住宅ローンの金利タイプを選ぶ際に良く聞くセリフです。確かにその通りですが、とはいえ、周りの人がどんな考えで、どんな金利タイプを選んでいるかは気になりますよね。

特に、日本の金利は長期金利(10年国債利回り)が過去10年(2015年8月28日時点)で2%を超えたことがない低水準で推移しており、政策金利(無担保コール翌日物)も2008年12月より0.1%とほぼゼロに近い水準です。一部の金融機関では、住宅ローンの変動金利(半年型)の表面金利は0.5%台と非常に低い金利となっています。金利が低い状態なら長期で固定させてしまえば良いでは?と考えがちですが、実際にはどのような金利タイプが選ばれているのでしょうか?

金利タイプ別利用状況と長短金利

金利タイプ別利用状況と長短金利

(※出典:独立行政法人 住宅金融支援機構 民間住宅ローン利用者の実態調査
「金利タイプ別利用状況(速報)」2015年5・6月期より)

独立行政法人住宅金融支援機構で実施している民間住宅ローン利用者の実態調査をみると、時期によって変動はあるものの、変動金利(半年型)、固定金利期間選択型、全期間固定金利型のどれか1つのタイプに利用が偏っている状況ではありません。ただ、2015年3~6月期で全期間固定金利型が増えています。これは、長期金利(10年国債利回り)の低下と、フラット35Sの金利引下げ幅が2015年2月9日以降の融資実行分から拡大された影響だろうと思われます。

住宅ローンで重視するのは条件面から金利見通しへ

これまで「住宅ローンの選択で重視すること」として、「金利が低いから」「保証料が安い」「諸費用が安い」「繰上返済手数料が安いから」「繰上返済が少額から可能だから」など、金利、商品性や経費といった「条件」面に関する項目がこれまで上位を占めていました。

ところが、最近では「将来、金利が上昇する可能性があるので、将来の返済額をあらかじめ確定しておきたかったから」など、将来の金利見通しなど今後の金利の変動を視野に入れて選ぶ人が増えてきているようです。(表1)は、全期間固定型、固定期間選択型、変動(半年型)を選択した人が、今後1年間の金利の見通しをどう考えているかのデータです。この結果からも「今後の金利見通しをどう考えているか」は金利タイプの選択に影響を及ぼしていることがわかります。

表1<今後1年間の住宅ローンの金利見通し>金利タイプ別の割合

選んだタイプ 現状より上昇 ほとんど変わらない 現状より低下 わからない
全期間固定型 42.6% 41.1% 9.7% 6.6%
固定期間選択型 30.5% 55.7% 8.1% 5.7%
変動(半年型) 21.7% 64% 5.0% 9.3%

(独立行政法人住宅金融支援機構 2014年 民間住宅ローン利用者の実態調査「民間住宅利用者編」(第3回)より)

金利タイプ選択の注意点

もし将来金利が上昇する可能性が極めて高いと考えた場合でも、いつ、どのぐらい金利が上昇するかは誰にも正確に予想できません。また、金利が上昇してきたら変動金利(半年型)から固定金利型に変更すれば良いと考えていても、実際にタイミング良く変更できるかどうかわかりません。

住宅ローン返済額の変動というのは、家計にとっては「支出の不確定要素」であり、大きなリスクといえます。そのため、金利タイプの選択で重要なことは、「将来の金利見通し」と合わせて、金利が上昇した場合にどう対応するかを考えて準備しておくことなのです。もし「金利が●%上昇したら返済額がどれぐらい増えるのか?」、「もし返済額が増えた場合でも、今の収入や資産・財産で対応できるのか?」、「出産や進学、介護など生活費の増加などライフイベントに対応できるのか」を、金利見通しとあわせて、シミュレーション等を活用し事前にしっかり確認しておくと良いでしょう。

金利タイプの選択は、ライフプランやライフイベントに合わせて考える!

では、前述の注意点等を踏まえて、金利タイプ選択のポイントをまとめてみます。 自分と家庭の将来設計に適した金利タイプを選択する参考にしてみてください。また、是非、将来の収支計画や家庭のライフイベント表を作成してみることをおすすめします。

表2 <住宅ローン選びのポイント・選択肢の一例>

属性や考え方など 住宅ローン選びのポイント・選択肢
退職金で完済する予定
  • 実質の返済期間は「60歳-契約年齢」に沿った金利タイプを選べる
    (例)40歳で借入、実質的に60歳で完済する予定であれば当初期間は35年で組んだとしても、20年間金利を固定するタイプを選べる
  • 60歳時のローン残高を事前にチェックすると同時に退職金の概算も把握しておく
  • もし、退職金で完済をした場合、手元資金に不安があるならば、早いうちから毎月少しずつ繰上返済をして、ローン残高を減らしておく
  • 繰上返済機能が充実した商品を選んでおく)
60歳以降も働く
  • 60歳以降の収入減に備えて、ローンを2本立てで組む方法もある。うち1本を「60歳-契約年齢」で組み、1本は60歳時点で完済できるように工夫することも検討してみる
子どもがまだ小さい
  • 子供の成長に伴い教育費の負担が増加する期間は少なくとも金利変動リスクを避けるのが無難
  • 子供が成長するまでは専業主婦(夫)、成長後に共働きを予定している場合は、収入増を繰上返済に充当することを見込み、まずは長期固定タイプで月々の返済を軽くすることを検討する
子どもが独立したあとは、家計に余裕がでる
  • 家計に余裕がでる時期に合わせて「子ども独立年齢-借入時の子どもの年齢」に沿った金利タイプを選ぶ
    (例)22歳で独立。現在10歳であれば、全期間固定金利型でなくても、当初12年程度金利を固定するタイプも選べる
共働き
  • 世帯の収入が多く、ゆとりがある場合は、変動金利タイプも選べる
  • 繰上返済機能が充実した商品を選んでおく
  • 配偶者の働き方、いつまで働くかに注意
将来、まとまった資産を得られる見込みがある
  • 繰上返済原資となる可能性があるが、資産を得られる時期が未確定の場合は、金利変動リスクを負うのは避ける

みんなは、住宅ローンを30年間以上かけて返済している?

住宅ローンは30年、35年といった長期間返済していくことを前提に金利タイプを考えることが必要と思いがちですが、実は、住宅ローンを借りた人のうち、8割以上の人が20年以下、9割以上の人が25年以下で完済しています(10年以下での完済割合も多いがこれは借換え)。これは当初は30年以上の長期にわたり返済する予定で住宅ローンを組んだとしても、退職金で完済したり、少しずつ繰上げ返済をしてできる限り早く返すケースが多いからです。

住宅ローンの貸出期間

住宅ローンの貸出期間

(独立行政法人 住宅金融支援機構 2014年民間住宅ローンの貸出動向調査より)

想定外のことが起きる可能性も考慮・借入期間を短くできる!と考えるのは要注意

多くの人が実際には20年程度で返済を済ませているからといって、借入期間を短くするような返済計画を立てるのは要注意です。日本銀行の調査(※出典:2007年 日本銀行 リスク管理と金融機関経営に関する調査論文)によると、ローンのデフォルト(債務不履行)率は、借入数年後から10年以内がピークとなっています。デフォルトに陥った理由はさまざまですが、借入時には「大丈夫!返済できる!」と思っていながら、たとえば給料や賞与が予想以上に増えなかったり減ったり、思わぬ出費を強いられたりと、当初考えていた収支計画や返済計画に「想定外」のことが生じてしまったケースも多いと思われます。

そのため、たとえば繰上返済を利用して20年程度で返済する返済計画を持ちながらも、借入期間は30年~35年として月々の返済額を低く抑え想定外のリスクをコントロールできる余地を残しながら、さらに金利変動リスクも勘案して、借入期間のうち20年間を固定にするなどの方法を検討してみてはいかがでしょう。住宅ローンの返済は長期に渡るものですので、焦りは禁物です。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • ・本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
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