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金利上昇!そのとき、あなたの住宅ローンはどうなる? 金利上昇!そのとき、あなたの住宅ローンはどうなる?

金子千春

profile

金子千春(かねこちはる)

千春コンサルティング事務所代表。約9年間の銀行窓口経験を経て2004年よりFPとして独立。文京区民向けのライフプランセミナー、国家公務員共済組合主催の住宅ローンフェア講師、住宅展示場での住宅ローンセミナーやローン相談、宅建資格講座の講師、企業のDCセミナー、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ということのないようにという観点から、幅広い分野で活動中。

選ぶなら、変動金利?固定金利?

住宅ローンの金利には大きく分けると「変動金利型」と「固定金利型」があり、どちらを選ぶか?で悩む方も多いでしょう。今回はそれぞれの特徴を学びながら、もし将来金利が上昇した場合の影響から対処方法までを解説します。

変動金利・固定金利の特徴

変動金利のうち、たとえば半年型の場合、「短期プライムレート」と呼ばれる、銀行が融資に問題がないと判断した信用力の高い企業に融資をする際に適用される金利(期間1年以内)に基づいて決定されます。また短期プライムレートは、日銀の政策金利にほぼ連動しています。
一方、固定金利は「長期金利」に基づいています。長期金利の代表的なものに「新発10年国債利回り」があります。この長期金利の水準は、主に国内外の投資家が参加する市場取引で決定されます。
つまり、住宅ローンの変動金利は、短期金利=日銀の金融政策の動向に、固定金利は、長期金利=市場参加者の金利見通しにそれぞれ影響を受けることになります。
一般的に、日銀の政策金利は「現在」の景況観に、市場取引は先を見越した「将来」の景気見通しに、それぞれ影響されやすいといわれています。そのため、たとえば金利が上昇していく過程では、長期金利が先行して上昇し、政策金利は遅行する傾向にあります。変動金利か固定金利を選ぶ際にはこの点も踏まえて考えてみるとよいでしょう。
なお、金融機関によっては住宅ローン金利を独自に決定し、変動・固定金利ともに、上記の金利に連動しないものもあります。

過去に金利が上昇したとき、住宅ローンの金利はどう変化した?

では、実際に過去の事例で、日銀の政策金利、長期金利が住宅ロ-ン金利にどう影響したか を確認してみましょう。

<日銀政策金利と大手A銀行変動金利(半年型)店頭金利の推移>

<日銀政策金利と大手A銀行変動金利(半年型)店頭金利の推移>

※日銀政策金利とA銀行金利推移のデータを基に筆者が作成

<長期金利(新発10年国債利回り)とフラット35の最高・最低金利
および大手A銀行期間別店頭金利の推移>

<長期金利(新発10年国債利回り)とフラット35の最高・最低金利および大手A銀行期間別店頭金利の推移>

※新発10年国債利回りは日本相互証券発表の期末値を基に筆者が作成。

※フラット35の金利は返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下(頭金が1割以上の場合)の過去のデータを使用

変動金利(半年型)は日銀の政策金利に、全期間固定金利型やフラット35、5年固定、10年固定など固定金利期間選択型は新発10年国債利回りにほぼ連動していることが見てとれます。

では、次からは、金利が上昇した場合の対応策「実践編」です。

金利が上昇したときには、月返済額はどう変わる?

住宅ローンの金利タイプの選択では、金利が上昇した場合に返済額がどう変化するかを想定し、対処法を事前に準備しておくことが非常に大切です。
まず、金利が上昇した際に、月返済額がどう変化するかを見てみましょう。

<借り入れ条件> (仮定の条件で試算)

借入金額 3,000万円 借入期間30年 元利均等返済、ボーナス返済なし

・変動金利(半年型) 当初金利0.88%
・固定金利期間選択型 当初10年固定 1.3%
当初20年固定 1.55%
・全期間固定金利型 35年固定 1.59%

※保証料や融資手数料、団信などのコストは勘案せず。

※いずれも試算は概算で、実際の借入時の返済金額を保証するものではありません。

表1<固定金利期間選択型と35年固定の当初月返済額>

当初月返済額
固定金利期間選択型
(当初10年固定)
100,681円
固定金利期間選択型
(当初20年固定)
104,257円
35年固定 104,836円

表2<変動金利(半年型)で5年ごとに金利が1%上昇した場合の月返済額>

当初 6年目~ 11年目~ 16年目~ 21年目~
金利 0.880% 1.880% 2.880% 3.880% 4.880%
月返済額 94,847円 106,738円 117,063円 125,416円 131,401円
返済増加額 ----- 11,891円 22,216円 30,569円 36,554円
金利 月返済額 返済増加額
当初 0.880% 94,847円 -----
6年目~ 1.880% 106,738円 11,891円
11年目~ 2.880% 117,063円 22,216円
16年目~ 3.880% 125,416円 30,569円
21年目~ 4.880% 131,401円 36,554円

※返済額の試算は、住宅金融支援機構の借り入れシミレーションツールを利用して算出

表のように、当初の月返済額は、変動金利(半年型)で組んだ場合が最も低いですが、仮に5年後に金利が1%上昇すると、月返済金額は10年固定、20年固定、35年固定で組んだ場合の月返済額を超えてしまいます。
住宅ローンの返済は長期に及びます。金利上昇により返済額が増加する際に、教育費の増加など家計の支出が増加したり、見込んでいた収入が減ってしまうなど想定外のことが起きると、返済に支障をきたす可能性もあります。
いつどの程度金利が上昇するかを予測することは不可能ですが、金利が変動するタイプの商品を選ぶ際には、将来金利の上昇があった場合にはどの程度返済額が変化するかを事前にしっかり試算し、支出の増加や想定外のことがあっても金利の変化に対応ができるかどうかを確認しておく必要があるでしょう。

では、次は金利変動への対応方法を紹介します。

月返済額の変化にどう対応する?
『変動金利(半年型)を選ぶ場合は、繰上げ返済を活用することもひとつの選択肢』

元利均等返済方式で住宅ローンを組む場合、金利の低い分、変動金利型(半年型)の方が毎月の返済に対する元本に充当される金額が多くなります。したがって、もし金利が上昇しなければ、変動金利(半年型)を選択した方が有利です。ただ金利が将来上昇するのか、しないのか、また上昇する場合でも、いつどの程度上昇するかはわかりません。そのため、変動金利(半年変動型)を選択した場合に将来の金利上昇にも対応するには、繰上げ返済をうまく活用することがひとつの選択肢となるでしょう。当初返済額が少ないうちに、将来の金利上昇による返済額の増加想定分を先行して繰上げ返済に回し、ローン残高を少しでも減らしておくことで、金利上昇時の返済額への影響を抑える効果があります。

そのため、繰上げ返済コストが安く、少ない金額からいつでも繰上げ返済ができるようなタイプの商品を選ぶ工夫も忘れないでくださいね。

『家計支出に変動要素が多い人は、長期間金利を固定するタイプを選ぶ選択肢もあり』

今後の将来の生活設計(ライフプラン)において、出産、教育費の増加、あるいは親の介護をする必要があるなど、将来の不確定要素が多い人は、将来の支出の変化に対応できるようにしておくことが大切です。たとえ住宅ローンを組む段階ではある程度の変化に対応ができ返済できる自信があったとしても、さらに想定外のことが起こる可能性もあります。そのような将来の不確定要素が多い人は、なるべく月々の返済額を抑えながら、繰上げ返済をうまく活用して、着実にローン残高を減らしていく方法が有効で、この場合は、借入期間を30~35年と長期間にし、長期間金利が固定できるものを選ぶと良いでしょう。 また、貯蓄があると変化にも対応しやすくなりますので、余裕のある返済額に抑え、住宅ローン返済をしながらも貯蓄ができるような資金計画づくりも検討してみてください。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • ・本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • ・金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • ・上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を新生銀行が保証するものではありません。
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