住宅ローンお役立ち情報

住宅ローン金利が上昇したら、どう対処する? 住宅ローン金利が上昇したら、どう対処する?

金子千春

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金子千春(かねこちはる)

千春コンサルティング事務所代表。約9年間の銀行窓口経験を経て2004年よりFPとして独立。文京区民向けのライフプランセミナー、国家公務員共済組合主催の住宅ローンフェア講師、住宅展示場での住宅ローンセミナーやローン相談、宅建資格講座の講師、企業のDCセミナー、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ということのないようにという観点から、幅広い分野で活動中。

住宅ローン金利が上昇?

このところの長期金利の上昇を受けて、住宅ローンの金利がじりじりと上昇しています。長期金利に影響を受ける「フラット35」の借入金利(期間20年以上、融資率9割以下の場合)も、2017年2月金利が1.1%と、この1年で長期金利が最も低い水準にあった頃の2016年8月金利0.9%に比べると上昇しています。また、民間の主要大手金融機関でもそろって2017年1月の10年固定の住宅ローン金利を0.05%引き上げるなど、長期間金利を固定するタイプの住宅ローン金利の引き上げが目立っています。

<長期金利の推移とフラット35の最高金利と最低金利の推移>

<長期金利の推移とフラット35の最高金利と最低金利の推移>

(出所:各データをもとに筆者作成)

金利上昇を受けて住宅ローンの借り換え・新規も減少気味

最近では借り換えや新規の住宅ローンの申し込みは減少しているようです。 たとえば1月19日の日本経済新聞では、「2016年12月の主要8行(三菱東京UFJ銀行など3メガバンクと三井住友信託銀行、りそな銀行、さらに住信SBIネット銀行などインターネット専業3行)の住宅ローン申込件数は合計4.3万件と、2016年1月に日銀がマイナス金利政策を導入する前の水準まで低下。特に借り換えの件数が減っており、ローン契約に占める借り換え比率は2016年12月には約2割と、ピークの時の半分にまで減少している」との記事もありました。 借り換えが大幅に減少している理由には、マイナス金利導入後に活況を呈した借り換え需要が一巡したこともあると思われますが、やはり、ローン金利の上昇に敏感に反応されているのでしょうか・・・

長期金利上昇はまだ続く?

このところの長期金利の上昇は、昨年9月に日銀が打ち出した新緩和策の影響以上に、米国の株式市場と金利の上昇の影響が大きいとされています。
米国の新大統領ドナルド・トランプ氏が大規模な減税政策、規制緩和、インフラ設備投資を看板政策として掲げていることを受けて、米国では景気拡大期待が高まり、安全資産とされる国債を売って(金利の上昇要因)、リスク資産である株式を買う動きが加速しています。この流れが日本にも波及。日本での株式市場が底堅い値動きとなり、長期金利も昨年のマイナス金利政策導入以降、マイナス圏で推移していた新発10年国債利回りがプラス圏での推移に転じています。

<新発10年国債利回り 過去1年分の推移>

<新発10年国債利回り 過去1年分の推移>

  • 新発10年国債(終値)

(出所:日本相互証券株式会社)

今後、米国では期待通りに景気の拡大が確認できるようになれば、米国金利が一段と上昇するかもしれません。またその影響で日本の長期金利も上昇する可能性もあります。またトランプ大統領の円安批判を受けて、日米金利差が一段と拡大しかねない積極的な金利の引き下げ策は円安要因となるため、実施しにくいのではないかとの観測もあるようです。
一方で、前回のコラム「日銀の新緩和策で住宅ローンの金利は上昇する?」でも取り上げましたが、日銀は昨年9月に長期金利である10年物国債金利を「0%程度」に誘導する新緩和策(イールドカーブ・コントロール)を導入しており、想定以上に金利が上昇した場合は中期・超長期の国債買い入れ額を増額するなど金利上昇抑制に出ることも見込まれます。

そのため、日米の長期金利がどうなるのか?また住宅ローン金利もさらに上昇を続けるのかどうは、現時点ではわかりません。しかし、もし金利が上昇したらどうなるのか?その場合、どうしたらよいか?など、現状をしっかり把握し、慌てて行動することなく、アタマの整理をしておくことは重要でしょう。

多少金利が上昇したとしても、まだまだ低い金利水準

「多少の金利変動にはとらわれずに、自分のライフプランの変化を重視して住宅の買い時を見極める。そしてその時点で最適な住宅ローンを選ぶ」ことを、おススメします。なぜなら、たとえば金利推移を見極めようとして、住宅取得時期を遅らせてしまうと、ローン完済が後ずれして老後の資金計画に影響を及ぼす可能性もあるからです。
また、以前より金利は上昇したとはいえ、現在の借入金利の水準はまだ最低水準の近くにとどまっています。現在のように預貯金金利がほとんどない状況下では月2,000円の差は大きいものの、月々の返済金額が大幅に増えてしまうというわけでもありません。

<金利によって月返済額と総返済額がどの程度変わるか?>

  月返済額 総返済額
金利年0.9% 95,120円 34,243,009円
金利年1.0% 96,491円 34,736,908円
金利年1.1% 97,876円 35,235,171円

(※筆者試算 / 期間30年 ボーナス返済なし 3,000万円借入れ、その他、諸費用は考慮せず。新生銀行が提供している金利ではありません。)

金利水準が低いときの鉄則

「多少の金利変動にはとらわれずに、自分のライフプランの変化を重視して住宅の買い時を低金利状況下では、金利よりもむしろ融資手数料や保証料などの「諸経費」がどれだけかかるのか?が非常に大切です。また団信などの付帯サービスの充実度、あるいは繰り上げ返済の活用など返済の工夫も大きなポイントとなります。最近では住宅ローン控除や、すまい給付金などさまざまな住宅取得優遇策も多くあるので、それらもしっかり活用して、目先の金利の値動きにはあまり一喜一憂することなく、金利が多少動いても、家族を含めたライフプランに支障をきたさない住宅取得と返済計画をしっかり立て、自分のライフプランに合ったタイミングで、諸経費を含めて最適な住宅ローンを検討、比較、選択することが重要です。

金利上昇に備える・こちらも参考に

「多少の金利変動にはとらわれずに、自分のライフプランの変化を重視して住宅の買い時をこの新生銀行の「マネーレッスン」の中にも、住宅ローン金利が上昇した場合の備えに参考となるコンテンツがあります。わたしが過去に書いた「金利上昇!そのとき、あなたの住宅ローンはどうなる?」のほか、新生銀行のスタッフによる「固定金利タイプによる将来の金利上昇に備えたご提案」なども参考にしてみてはいかがでしょう。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • ・本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • ・金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • ・上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を新生銀行が保証するものではありません。
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