現役東大生が株式投資に挑戦
これならわかる! 魅力ある株の選び方
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パソコンとi-Pod 服のセンスで勝負! 本を買うならネット?お店?

株式、REIT等、このページでご紹介する商品は、株価等の変動により損失が生じる可能性があります。また、お取引の際には取引手数料がかかります。

服のセンスと株式投資のセンスは一致する!?
― 2004年4月 ―
よしセカンドラウンドだ!今回はアメリカのアパレル業界から自分が買いたい銘柄を選んでくるんだ!期限は1週間!
はーい♪
アパレルってなんや?
(・・・ウフフ。今回は勝ったも同然ね。)
― 1週間後 ―
よし、ちゃんと調べてきたか?
こうして実際に選んでみると自分の知識の定着具合も株式投資の感覚も、肌で感じられただろ。今回は2回目だし、だいぶ慣れてきたんじゃないか?
そうですね。たくさんの候補から絞っていくうちに、どんな知識をどこでどうやってを使えばいいかも分かるし、本当に投資しているかのような実感が湧きますね。
ほんまやなぁ。もういつでも本番の取引ができるんちゃうかなぁ。
まぁ落ち着け。もうちょっとだけ訓練してからでも遅くはない。
了解。ほんならいきましょか。ななは何にしたん?
私はGAP(ギャップ)にしたわ。アメリカの大手アパレルメーカーよ。小売も手がけているわ。
日本にもたくさん店舗があるし、私も普段着はGAPで買うことが多いわ。
おれはNIKE(ナイキ)にしたで。最初に浮かんだのがスポーツウェアやシューズやねんよ。スポーツするなら、絶対ナイキの製品1つは持ってるんちゃうかな?ちゅうくらい有名やし。バスケットシューズのジョーダンシリーズなんかは大人気で、値段が多少高くてもみんな買うから、今後もジョーダンシリーズみたいな大人気商品を売り出していけば、売上も株価も伸びるんちゃうかなぁって思ったんや。
私もナイキのスポーツウェアを持っているわ。たしかスポーツシューズもナイキだった気がする。でも、私はナイキの広告宣伝のやり方には危うさを感じてるわ。ナイキは以前から広告宣伝にスポーツ界の超有名選手を起用して、ものすごく派手なテレビCMなんかを大々的にやるのよね。でもタイガーウッズなどと契約を結ぶのに巨額の契約金が必要だったり、広告宣伝費がかさむ割に成果を出しきれていなんじゃないかと思うのよ。これについてどう思う?
たしかに広告宣伝費が多いのは事実やな。例えばナイキは2000年に、そのシェアのおよそ半分をアディダスが占めていたとされるサッカー関連市場に攻勢をかけるために、イギリスのサッカークラブ・マンチェスターユナイテッドと493億円(13年)のオフィシャルサプライヤー契約を結んだりして、お金に糸目をつけず、大規模な広告宣伝活動を繰り広げているなぁ。
たしかに金額だけ見たら、こんなに広告宣伝費使って元とれてるんかな?思うけど、業績はきっちり伸びてるから効果は出てるんちゃうかな。ほんなら、具体的にナイキの業績を見ていこうか。ナイキは2003年に売上高100億ドルの大台を超えて、2004年には120億ドルまで伸びてるで。純利益も2002年は10億ドルやったんやけど2004年には15億ドルまで伸びとる。地域で見ると特にアジアを中心に売上が伸びてるようやな。広告宣伝費は確かに高くついとるけど、世界的に人気のある有名スポーツ選手を使った広告宣伝は、それこそ世界中にインパクトを与えることができるから、コストに見合うだけの効果はあるんとちゃうか!
※オフィシャルサプライヤー契約:この契約を結ぶことで、ナイキは相手方(ここではマンチェスターユナイテッド)のロゴを使用したあらゆる商品の企画・販売を行うことができるようになる。
ナイキ社 業績の推移
ナイキ社 純利益の推移
なるほどね、わかったわ。じゃあ、次はギャップの業績を見てみましょうか。ギャップは「Old Navy(オールド・ネイビー)」「Banana Republic(バナナ・リパブリック)」「GAP(ギャップ)」といったブランドを立ち上げて、世界中に店舗を展開して売上を拡大させているわ。2002年の売上高は140億ドルで、それが2004年には160億ドルまで伸びていて、純利益も2002年の約10億ドルから2004年には20億ドルを超えて、2倍ほどに伸びているのよ。実は2001年秋から米国経済不振の影響を受けてアメリカ国内の消費が落ち込んでいったのね。そのときギャップは800万ドルの赤字を計上することになったの。でも、そこでファッション志向からベーシック志向に戦略を転換し手売上を伸ばし、コスト削減の努力もしてきたらしいわ。この調子で売上を伸ばしつつ、株価も上がっていくんじゃないかしら。
ギャップ社 業績の推移
ギャップ社 純利益の推移
ファッション志向からベーシック志向ってどういうことや?
おれはファッションに疎いからよう意味がわからんなぁ。
だから女の子にもてないのよ(笑)
何言うとるねん。おれはモテモテや・・・いや、そんなことないか。
はいはい(苦笑)。
ギャップはもともとカジュアルなブランドだったんだけど、高級な素材を使ってファッション性を重視した商品ラインナップに切り替えたらしいのよ。景気がいいときはそれでもよかったんだけど、アメリカの景気が冷え込んでいって、だんだんお客さんの見る目が厳しくなって売れなくなったのよ。そこで、ギャップは元々の商品コンセプトに戻って、「Old Navy(オールド・ネイビー)」ブランドでファミリー向けに低価格な商品を提供する方針に転換したのよ。
でも、一度消費者が抱いたイメージっていうのは変えにくいやろ。そんなにすぐに結果がついてくるかなぁ。その点、ナイキの戦略は一貫してるで。スポーツする人に対して、最高の製品を提供するっていうコンセプトのもと、いろいろな商品が作られてるで。ギャップはころころコンセプト変えてるようではあかんのちゃうかぁ?
でも、ベーシック志向に変えてから業績も好転しているからうまくいってるんだと思うわ。もともとギャップには好不調の波というか、サイクルがあると言われているのよ。1985年以降、まずベーシック志向で店舗を拡大していって徐々に飽和感が高まって売上が頭打ちになってくると、今度はファッション路線に走って売上を落とす・・・そんなサイクルを繰り返しているみたいなの。今はちょうどベーシック志向に入って調子が上向きはじめた状態だから、しばらくは株価にもプラスなんじゃないかしら?
うーん、でも必ずしもサイクル通りになるっていう保証はないやん。しかも、なんでそういうサイクルになるのがわかっててファッション志向にしたりするん?経営陣は大丈夫か???
それはそうだけど・・・。ギャップっていう会社を何年も見続けているアナリストの人が、今後の株価はいい調子で上がるんじゃないかって言っているし、期待していいんじゃないかと思うわ。
アナリストのいうことを信じて儲かるなら、株式投資なんて楽なもんやと思うけどなぁ・・・
まぁ、たしかにギャップの売上が増えてるのはわかったけど、前回も言ったとおり、「額」より「伸び率」のほうが大事とちゃうかな。それを見てみようや。ナイキの伸び率を見てみい。売上高、営業利益、純利益、どれをとってもほぼ10%以上やで。ナイキは一貫して高い割合で成長してるんや。あと財務も見とこう。株主資本比率は60%を超えていて、ばっちり健全やで。
<ナイキ社の売上高、純利益の伸び率>
  売上高 営業利益 純利益
2002年-2003年度 8% 13% 17%
2003年-2004年度 15% 20% 24%
<ギャップ社の売上高、純利益の伸び率>
  売上高 営業利益 純利益
2002年-2003年度 10% 21% 86%
2003年-2004年度 3% 7% 5%
※出所:各社アニュアルレポート
ギャップの伸び率は1桁%台だから正直いって負けてるけど、財務だったらギャップも負けてないわ。株主資本比率はおよそ49%で十分健全だわ。さらに豊富な現預金を活かして、2005年までに有利子負債をしっかり返していって、配当を9セントから18セントまで増やす予定なのよ。株主のことをきちんと考えている点にも注目してほしいわ。ナイキは株主を大事にしてる? どんなに売上や利益が伸びていても株主を大事にしていなかったらダメじゃないかしら?
単位:百万米ドル ナイキ(2004年3月) ギャップ(2004年1月)
総資産 7,891 10,048
株主資本 4,781 4.936
有利子負債 1,620 1,325
株主資本比率 60.5% 49.1%
※出所:各社アニュアルレポート
株主に対しては、配当はもちろんのこと、株価の上昇でしっかりお返ししてる思うで。ナイキの株価チャートを見てみい。この1年で52ドルから78ドルまで伸びとるんや。配当うんぬんよりもこの株価の上昇がなにより株主に報いてるって言えるんちゃうか。
ナイキ 株価チャート
ふうん。でもその株価が上昇してるっていうのは、これまでの株主にとってはいいかもしれないけど、私たちにとってはどうかしら。これだけ株価が上がり続けていると割高すぎたりしないのかしら?
 
うっ、確かに。(痛いところをつかれた!)
でも、PERは19.05倍、そんなに高すぎるってわけではないと思うねんけどなぁ。ROEも13.5%で2桁にのせてるし、売上が今後も同じくらいずつ伸びていけば、利益も株価も着実に伸びていくと思うで。
ギャップは今まで業績が悪かったせいもあって、PERは17.94倍よ。PBRに関しても3.21倍でナイキより低いわ。この割安度からいって、ギャップのほうがいいと思うんだけどどう?
2004年度
予想PER
予想PBR
予想ROE
ナイキ社 19.05 4.02 13.5%
ギャップ社 17.94 3.21 9.73%
※出所:各社アニュアルレポートをもとにAgentsが作成
 
うーん、ちょっと待ってや。整理してみよう。
売上の伸び率はナイキ、財務は優劣つけ難い、割安度ではギャップかぁ。うーん、これはどっちの銘柄がいいか判断しにくいなぁ。
やっぱり、割安度が重要だと思うわ。前回の銘柄選択のときのことを思い出してみて。アップルかマイクロソフトかを決める際にも、マイクロソフトのほうが過去の業績が安定していたけれど、その分株価が伸びる余地は少ないと考えたじゃない?
うーん、確かにそうやけど、アップルはあのときi-podっていう商品を投入していて、売上がすごく伸びる可能性があったからなぁ。ギャップの場合は正直、売上がどれだけ伸びていくか疑問やねんよなぁ。
じゃあ、これは? オンライン小売市場に関するプラスの情報があるの。今、オンライン小売市場の規模ってすごく拡大しているのね。下のグラフ「U.S. apparel market(2004)」を見てみて。
全小売市場のうちオンライン市場の占める割合って今はまだ5.2%なんだけれど、ギャップは売上構成比のおよそ半分を占めている看板ブランド「Old Navy(オールドネイビー)」の販売をWebサイト上でも展開しているわ。また、その下の図「Estimated CAGR(年成長率)2004-2007」を見てもらえればわかるように、今後もオンライン市場はどんどん伸びていく気がするわ。オンラインというチャネルに関してギャップが問題意識をもって取り組んでいるのよ。彼らは実店舗とのシナジーを生み出す策も考えているわ。
U.S. apparel market(2004)
Estimated CAGR(2004-2007)
いやぁ、でもオンライン市場って言っても、そんなに市場規模が小さいんやったらあんまり売上に貢献せんのとちゃうかなぁ? それにナイキだって一応、オンラインショップやってるしなぁ。
まだほかにも売上が伸びる理由があるわよ!
ギャップは、人数の多いベビーブーマー世代(1946-64)の女性市場を意識していなかったことを反省して、その層にあたる40歳以上の女性客にはデパートで、その層より年下の40歳以下の女性客には専門店で購入してもらう方針を打ち出しているの。この大きな市場の攻略に成功すれば売上も大きく伸びると思うわ。
まるで、ギャップの社員さんみたいやなぁ。そんなに言うんやったらええか。
多少疑問は残るけど、ななの熱意に負けたわ。
ほな、チャートが悪くなかったらギャップでいきましょ。
ほんとに!?よかったぁ、いろいろ調べてきたかいがあった〜♪
じゃ、ギャップのチャートを見てみよか。
ギャップ 株価チャート
下値の支持線は徐々に上がってきてるし、このまま上昇基調でいくんじゃないかしら。
前回の高値でもある23ドルのラインをこえるかどうかが勝負やな。
 
そうね。でもまぁ、チャートの形もまずまず悪くないっていうことで、「買い」の決定をしましょうよ!これだけ調べたんだから、株価上がってほしいな〜!
― 1年後。2005年4月。 ―
楽しみ〜!さあ、ギャップはどうなったのか見てみましょうよ。
<2004年4月〜2005年3月までの変化率比較>
あれ〜!?ギャップはわずかに下がってる〜。
一時的には上昇したようやけど、やっぱり売上がそんなに伸びなかったから持ちこたえられなかったんやろなぁ。ナイキのほうは10%弱上がってるで。どや?
割安かどうかも大事だが、売上が伸びるかどうかも同じくらい大事ってことだ。ナイキの売上は従来と変わらない伸び率で推移しているようだし、違いが株価に現れたのかもしれないな。
そっかぁ、今回はちょっと視野が狭かったかも。気合を入れていろいろ調べてたら「もう絶対ギャップはいい!」ってハシャギすぎちゃって、全体が見えなくなってたわ。言われてみれば、売上の伸びはイマイチだったものね。
まぁ、そんな悲しい顔すんなや。美人が台無しやで!これを教訓に次回がんばったらえーやん。
そうね。次回はもっと冷静に銘柄を分析しようっと。
先生、今回もありがとうございました。勉強になりました。
おーきに!
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当資料は株式投資一般に関する情報の提供を目的として東京大学株式投資クラブAgentsが2005年4月に作成したものであり、特定の企業の分析、評価を行うことを目的としたものではなく、また新生銀行は記載内容の正確性や完全性を保証致しません。
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