マーケット情報(経済)
株価の推移

ベトナム VN指数 (2000年末〜2007年末)

出所:ブルームバーグのデータをもとに新生銀行が作成

門倉 貴史氏

BRICs経済研究所 門倉 貴史氏

ベトナム経済は好調に推移している。大都市部を中心に中産階級が台頭していることから、特に個人消費が高い伸びになっており、2006年の実質個人消費は前年比7.5%増を記録した。マスターカードがアジア各国の中産階級を対象に行った消費者指数調査(2007年10月末、2008年上期の見通し)では、ベトナムの消費者心理がアジアで最高の水準になっており、今後も個人消費が好調に推移することを示唆している。米国でサブプライム問題が深刻化しているため、米国向け輸出は減速が見込まれるが、国内需要が好調に推移するため、2008年も8%程度の高い経済成長が期待できる。

株価は調整色を強めている。これは、すでに株式上場している優良企業が大量の新株発行をしているため。大量の新株発行によりこれらの企業の1株あたり利益が低下して、株価に割高感が生じている。しかし、今後は、海外からの投資マネー流入によって株価が再度上昇局面に入ってくる可能性が高いといえる。ドイモイ(刷新)政策加速によって、有力国有企業の民営化・株式公開計画が目白押しとなっているため。2008年には有力国有企業26社の民営化を予定。(2008年1月7日現在)

戸松信博氏

グローバルリンク・アドバイザーズ 戸松信博氏

2007年11月からの調整局面が続いているベトナム株であるが、2008年上半期にはバオベト保険やベトコムバンクの上場が控えている。これらの大型企業の上場は、短期的には市場から資金を吸い上げてしまう動きにつながるが、長期的にみるとベトナムの株式市場全体が一段と大きな飛躍を迎えるきっかけとなる。これらの国を代表する大型株の上場は、ベトナムの株式市場全体の時価総額拡大と、機関投資家でも投資できる銘柄が登場することにつながるためだ。例えば、中国でも、中国石油などの大企業が上場した2000年から2007年の高値までに、H株指数は約10倍の成長をとげた。

具体的な株価動向予想としては、現在のところ下記の2つのシナリオが考えられる。
(1)調整が1年〜1年半ほど続くケース。
ベトナム株は2006年後半から2007年3月まで急上昇したので、調整に1年半ほどかかれば、2008年9月頃まで調整が続くことになる。しかしながら、現在のベトナム株のPERは23倍前後である一方で、金融や不動産などの主力株は、前年比ベースで数倍増の利益伸び率を記録している企業が少なくない。つまり、現在の株価のまま秋頃まで推移すれば、2008年や2009年決算から見る予想PERはかなり低くなる。そうなれば、例年のアノマリーに従って(年末の決算状況が見えてくる秋口ごろから、大型の無償増資などを目当てに買いが入るケース)2008年の夏場ごろまでは現在の調整局面が続くものの、秋口ごろから上昇を開始するケースが考えられる。

(2)現在の調整機関は旧正月までに終わり、2008年2〜3月に予定されている決算発表に向けて、上昇していくパターン。ベトナム企業の成長力は非常に大きいだけに、一旦市場の雰囲気が改善してくれば、すぐに回復基調となるケースも十分に考えられる。例えば、一部の不動産銘柄などは前年比数倍の増益見込みであるにもかかわらずPERは20〜25倍前後。これらの企業の2007年決算が監査済みの数字として明らかになり、2008年以降の計画が提示されて割安であることが明らかになってくれば、徐々に市場の雰囲気は明るくなってくるのではないかと予想される。(2008年1月7日現在)

フラトン・マネジメント

フラトン・マネジメント

2008年のベトナムの株式市場は中国の数年前と同様に力強く成長するのではないかと考えている。1980年代中ごろの刷新(ドイモイ)政策による改革以降、ベトナムは中央政府による計画経済から開放経済へと移行することに成功した。
望ましい人口構成、投資の急激な増加、安定的な政治環境により、安定し力強い経済成長を遂げており、実質経済成長率は過去10年間においても7%を超えているが、2008年においても8.5%から9%の成長が見込まれている。インフレ率の上昇が現在懸念されてはいるが、ベトナムの2008年の株式市場は株式市場をサポートするようなマクロ経済政策や、対外投資の増加、差し迫っている大型国営企業の上場の成功、さらなる流動性の供給により投資しやすい環境を作ることでより堅調に推移するのではないかと考えている。(2008年1月8日現在)

※本資料は、執筆者のマーケットに対する考え方を紹介するもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。ご投資される際は、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。

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