注目のファンド

新興国ファンドの選び方

2007年 12月作成

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提供:BRICs経済研究所

INDEX
何よりも確かなデータ「人口統計」で選ぶ!
やっぱり基本の「GDP経済成長率」、成長原動力の「消費」で選ぶ!
グローバル経済の現代、国際的な観点で選ぶ!
新興国だから、信用度のチェックも!


何よりも確かなデータ「人口統計」で選ぶ!

人口の増加スピード

中長期で新興国が高い経済成長をしていくためには、人口の増加が不可欠になってきます。人口が増加していれば、経済成長に必要な労働力が供給されることになるからです。また、経済発展をしていくなかで人口が増えると、個人消費の拡大効果も期待することができます。

人口の増加スピードという点では、パキスタンが年率+2.1%と突出して高い伸びになっています。これは、パキスタンがイスラム教の国家であるため、基本的に産児制限をしていないという事情があります。また、同様に産児制限をしていないインドやブラジル、ベトナムなども今後人口の高い伸びが期待できます。一方、「一人っ子政策」を採用している中国では今後、 人口の量的な拡大はあまり期待できません。 ロシアや東欧諸国は、平均寿命の短縮化が続くなかで、1990年代後半から人口が急速に減少しています。

生産年齢人口の割合

いくら人口が多くても、働き手となる生産年齢人口の割合が低ければ、経済成長に必要な労働力の供給はままらなず、生産水準や所得水準は高まっていきません。

 

ですから、新興国の将来の発展性をみるうえでは、年齢別人口構成がどのようになっているかも、重要な判断材料になります。新興国の年齢別人口構成をみると、現状では、ロシア、東欧(チェコ、ポーランド、ハンガリー)、中国で労働力人口の割合が高いことがわかります。また、今後は、出生率が高まっているベトナム、パキスタン、インドなどでも労働力人口の割合が高まることが予想されます。

やっぱり基本の「GDP経済成長率」、成長原動力の「消費」で選ぶ!

実質GDP成長率

新興国の経済の力強さをみるのに、最も重要な判断材料になるのが、実質GDP(国内総生産)成長率です。2006年の実質GDP成長率をみると、中国が10%を超えて最も高い成長を実現しています。また、ベトナムやインド、パキスタンなども8%前後の高い成長を実現しています。

また、ベトナムやインド、パキスタンなども8%前後の高い成長率になっています。ロシアも資源輸出と個人消費の拡大によって7%前後の高成長を維持しています。南米のブラジルはそれほど高い経済成長率ではありませんが、今後は個人消費や資源輸出の拡大によって、成長率が徐々に高まっていくことが予想されます。

個人消費の伸び率

新興国が中長期で高い経済成長をしていくには、購買力のある中産階級が国内で台頭する必要があります。多くの新興国は、資源や安価な製品を海外に輸出することによって高成長をしていますが、輸出に頼った高成長は持続的ではありません。資源の国際価格が下がったり、米国を中心とした世界経済が減速した場合に、その影響を強く受けてしまうからです。

その点、国内に購買力のある中産階級が台頭して、消費が高い伸びになっている新興国は、世界経済の影響を受けず、内需主導で自律的な高成長をしていくことができます。そこで、新興国の個人消費の強さをみますと、ロシアやベトナムなどが高い伸びになっていることがわかります。これらの国では、都市部を中心に中産階級が台頭して、消費が大きく盛り上がっていると言えるでしょう。

グローバル経済の現代、国際的な観点で選ぶ!

為替レートの上昇率

為替レートは様々な要因によって決まりますが、基本的には各国の経済の実力を反映するかたちで決定されます。ですから、通貨が上昇している国は、経済の実力が高まっていると判断することができます。また、日本から新興国のマーケットに現地通貨建てで投資をする際には、円に対して、新興国の通貨が上昇しているほうが望ましいといえます。投資先国の通貨が上昇することによって、為替差益を得ることができるからです。

各国の対ドル為替レートの上昇率をみますと、最近ではブラジルのレアルが非常に早いスピードで上昇していることがわかります。ブラジル政府が緊縮財政を採用しており、財政収支が改善していることが、ラジルの国際的な信任の高まりにつながって、レアルが上昇しているのです。中国は、通貨人民元の変動幅を一定の範囲に抑える政策をとっているので、経済の実力に比べて、人民元の上昇幅は緩やかなものにとどまっています。

直接投資の流入額

海外からの直接投資流入額の増加も、新興国が中長期で高成長をしていくうえでは重要とえいます。新興国に進出する先進国企業が増えれば、外資による投資活動・生産活動が活発化して直接経済成長が押し上げられます。また、高い技術水準をもった外資が新興国に進出すれば、その技術が自国の企業にも吸収されて、生産性の上昇を通じた高成長も期待できます。

海外からの直接投資が最も多いのは、中国ですが、 最近ではインドやベトナムへの直接投資も急増しています。インドは、インフラの整備を急いでいるほか、かつての中国のように「経済特区」構想を進めており、外資の誘致に積極的に取り組んでいるところです。ベトナムも、2007年1月にWTO(世界貿易機関)への加盟を実現して、投資制度・法制度の透明性を高めていますので、今後は外国企業が進出しやすい状況になってくるでしょう。

外貨準備高

中央銀行が保有する外貨準備高も、新興国経済の安 定性をみるうえでは重要な指標です。外貨準備が豊富 であれば、政治体制の変換など何らかのきっかけで、 海外から流入していた投資マネーが引き揚げられるよう になり、自国通貨に下落圧力がかかっても、為替介入に よって自国通貨の価値を防衛することができるからです。  

各国の外貨準備は、いずれも潤沢になっています。 なかでも中国の外貨準備高は1兆ドルを超えて世界第1位になっています。ロシアも日本についで世界第3位の外貨保有国になっています。  こうした状況をみると、1997年に発生したアジア通貨危機が再来する可能性は低いといえるのではないでしょうか。

新興国だから、信用度のチェックも!

格付け

新興国が安定して成長していくためには、政情が安定していることも重要です。政情が安定していれば、先進諸国の企業は安心して、新興国に進出していくことができます。また、政治が安定していると、国民のマインドも上向いて消費の拡大も期待することができます。政治が安定しているかどうかを、間接的に判断するには、格付け会社が出している各国の国債の格付けなどが参考になるでしょう。

なお、格付けは水準よりも、変化を見ておくことが望ましいといえます。 

門倉 貴史(かどくら たかし)
横浜銀行のシンクタンク 浜銀総合研究所の研究員時代の、社団法人日本経済研究センターならびに東南アジア経済研究所(シンガポール)への出向を経て、2002年に第一生命経済研究所に移籍、経済調査部主任エコノミストになる。2005年7月からは、BRICs経済研究所の代表に就任。専門は、日米経済、アジア経済、BRICs経済と多岐にわたる。同志社大学非常勤講師。

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