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須貝信一の「インド現地レポート」

株式会社インド・ビジネス・センターの須貝信一(すがい しんいち)さんによる現地の経済・為替・文化・生活などをテーマにしたコラムを紹介します。須貝さんは、外資系IT企業、経営コンサルタント等を経て【インド株式オンライン】、インド専門総合ポータルサイト【インドチャネル】を立ち上げました。コンテンツでは主に株式を担当されています。

2008/3

第1回 インドの金融街「ダラルストリート」を歩く

インドにはインド版ウォール街ともいうべき『ダラルストリート』という金融街があります。ムンバイは南北に伸びた街になっていますが、ダラルストリートは、その南側に突き出た半島のほぼ先端にあります。市の中心部から南へ車で向かうと、右側に海岸を見ながら30分〜1時間くらい走ったところです。

ところで『金融街』という言葉の響きからは、デキる男がビシッとスーツを着て歩いていそうですが、ここは違います。狭い通りに古めかしい雑居ビルが並んでおり、ネクタイを締めて歩いている人はなかなか見つかりません。近くに大きなムンバイ証券取引所がそびえたっており、ここが金融街であることがわかる程度です。証券取引所の電光掲示板周辺には個人投資家が落ち着かない様子でブラブラしています。

ダラルストリート
ダラルストリート

インドの個人投資家が投資対象とするのはあくまで「株式」が基本です。インドでは債券市場が発達しておらず、不動産も一般的に投資対象というものではないためです。株式投資では、信用取引で一発当てようとするタイプの投資家が多く、株価暴落時は「心臓発作で数人が入院」というニュースも聞かれます。

ムンバイ証券取引所は1875年に設立されたアジア最古の証券取引所ですが、そういう意味ではこのダラルストリートもアジア最古の金融街、兜町よりも歴史のある場所なのかもしれません。

巨大なアンテナが付いたムンバイ証券取引所の周りをぐるっと見渡すとICICI銀行やHDFC銀行、オリエンタル商業銀行、などインド株を勉強している日本の投資家にもある程度お馴染みの銀行の支店もあれば、不動産や証券で有名なインディアブルズの支店もあり、零細ブローカーまでひしめきあった感じです。そして、揚げ菓子やチャイ(インドの甘いミルクティー)の露店などがあったりと賑やかな感じです。一方、経済的に重要な公共的施設の付近でもあるため、ライフルを持ったガードマンがうろうろしていることも事実です。

ムンバイ証券取引所
ムンバイ証券取引所

ところで、インドでは人気のIPO(新規上場株)ともなると証券会社に行列をなしますが、これの申込用紙は街頭で配っています。パソコンはまだまだ普及していませんので、個人投資家たちも紙での申込です。

IT大国といってもハードインフラがまだまだ整っていないのが実情で、オンライントレードが一般に普及するには、まだ時間がかかりそうです。昨年は不動産大手DLFが上場、今年1月も電力大手リライアンス・パワーが上場し話題となりましたが、今年もICICI銀行傘下のICICI証券の上場が予定されています。

成長するインドでは常にIPOの話題があります。そのおかげもあってか、ムンバイ証券取引所は上場企業数が世界一多く、2007年末で4,887の企業が上場しています。東京証券取引所が2,414ですからムンバイ証券取引所は、その倍以上になります。

さて、タンクトップの男がグビグビ何か飲んでいます。よくメディアの写真でみかけるムンバイ証券取引所とは反対の角度からみたのがこちらの写真です。

ざっと、こんな雰囲気です。インドの金融街ダラルストリートの様子から、経済発展していくインドの中で、人々が一所懸命に生きている感じとマイペースにやっているカオスな感じが伝われば幸いです。

 
 
IPO申込用紙
IPO申込用紙
証券取引所の近くで、「飲む男」
証券取引所の近くで、「飲む男」

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