マーケット情報(経済)
2007年の投資信託トレンド
2008年の‘自分流ファンド生活’に向けて! 提供:島田知保氏(「投資信託事情」編集長) 作成:2008年1月8日

投資信託は、価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。またお申し込み・保有・解約に当たっては所定の費用がかかります。なお、個別商品にかかるリスクや各種手数料について、必ず各商品の詳細ページまたは目論見書(目論見書補完書面を含みます)にてご確認ください。

新興国、テーマファンド好きの投資家必見、
2008年目先の変動に煩わされない‘自分流ファンド生活’を
ゲットするポイントをご紹介します。

2007年に運用開始したファンドの傾向は?

2007年、どんなファンドが人気だったのでしょうか。新しく運用開始したファンドの傾向を見てみましょう。2007年に誕生したファンドの投資対象別残高ランキングをご覧ください。

<2007年新規設定ファンドの投資対象別純資産残高ランキング>
順位 本数 ファンド名 2007年12月 うち特定テーマ、地域・国限定ファンド
純資産
(百万円)
本数 純資産 本数率
(%)
純資産率
(%)
1 65本 海外株(グローバル) 1,671,640 36本 747,150 55.4 44.7
2 36本 債券(グローバル・欧・米) 1,045,440        
3 30本 海外株(アジア・オセアニア) 1,027,269 16本 613,614 53.3 59.7
4 40本 バランス(グローバル、欧米日) 896,031        
5 30本 海外株(新興国株) 749,542 16本 626,952 53.3 83.6
6 14本 バランス(アジア・新興国) 364,009        
7 48本 日本株 260,674 6本 34,934 12.5 13.4
8 16本 債券(新興国) 228,675        
9 10本 北米・欧州株 218,569        
10 24本 RETI 205,462        
11 41本 バランス(生涯設計・ライフサイクル・TY*) 164,889        
12 14本 派生商品・ヘッジ運用など 70,454        
13 8本 コモディティ 42,121        
14 10本 債券(日本) 18,182        
15 3本 債券(ハイイールド) 13,945        
16 4本 マネー 4,853        
17 1本 CB(アジア) 4,462        
  394本 2007年新規ファンド合計 6,986,217 追加型株式投信総合計に対する比率 10.8
  追加型株式投資信託総合計 64,912,817  
*TY:ターゲット・イヤー型
ファンドの分類、集計: 投資信託事情調査会

株式型、債券型、バランス型のすべてのタイプで海外に投資するファンドが上位を占めています。本数だけ見れば48本と海外株式に次いで多い日本株型ファンドですが、純資産残高では7位になっており、本数は多くても資金が多く集まってはいないことがわかります。

表の右の方には「うち特定テーマ、地域・国限定ファンド」(以下、特定型ファンドと呼びます。)として、各カテゴリーの中でテーマや地域・国を限定しているファンドがどのくらいあるかを示しています。第1位の海外株(グローバル)では、65本中36本、残高の44.7%がこの特定型ファンドです。例えば、地球温暖化防止関連株、水関連株、資源・エネルギー関連株、インフラ関連株などの投資テーマを掲げたファンドがこれにあたります。

また、海外株(アジア・オセアニア)でも30本中16本、残高の59.7%が特定型ファンドです。これらのファンドではアジア・オセアニア全体ではなく、中国、ベトナム、インド、パキスタンなど特定の地域や国の株式が投資対象となっています。新興国株はさらに特定型への偏りが顕著で、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)、VISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)、MENA(中東・北アフリカ)、EMEA(東欧・中東・アフリカ)や、ロシア、ブラジル、エジプトなどの特定地域・特定国ファンドが30本中16本、残高のなんと83.6%を占めています。

なんと、資産分散型ファンドにも特定型が登場

もうひとつ善戦したのが4位、6位、11位のバランス型(株、債券、その他の資産などに分散投資をするファンド)、いわゆる「資産分散型ファンド」です。グローバルなバランス型ファンドを中心に、定期的な分配金を目的とする資産活用型のファンドがリタイアメント世代の人気を集めました。また、ファンドの中身をリスク資産から安定運用に移行する年限を定めたターゲットイヤー型や、若い方が長く付き合うのに適した資産形成型のファンドも注目を集めました。

同時に、バランス型でも「アジアの株、債券に分散投資」など、特定地域への分散投資といった新しいタイプの特定型ファンドが生まれました。また、投資対象に新興国の債券や株式、コモディティ(商品)、売りポジションをも保有するヘッジ運用手法などを含むタイプなども生まれ、「新興国」と「資産の多様化」がキーワードとなりました。

投資対象の限定化や多様化は、ニーズのある方には大変便利な選択肢となります。ただ、同時に投資内容が複雑になり、ファンドの内容や情報開示が難解になりがちです。また、1本で分散投資をしたいと考える初心者にとっては、投資内容の把握や、他の保有資産とのバランスがわかりにくくなってしまうという欠点もあります。

資産分散型のファンドは、保有するリスク資産の中心(コア)部分として活用するのに適しています。ファンドを選ぶ際には、どんな資産への投資が自分に必要なのかを考えることが大切です。長く付き合うには、特定型のような「流行の投資対象」などはコアにすえるファンドにあらかじめ入っているよりも、切り離して個別のファンドを選ぶほうが、自分で自由にメリハリをつけられるので便利でしょう。例えば、アジアへの資産分散ファンドなどは、初めての資産分散ファンドとしてコアで持つのではなく、すでに保有しているグローバル投資にメリハリをつける部分として保有するといった目的に適していると考えるといいでしょう。

多種多様なファンド? 浮かび上がるひとつの「成長ストーリー」と注意点

これら新ファンドの傾向をよく見ると、ひとつのストーリーが見えてきます。人気があったのは成長著しい新興国に投資するファンドで、中でも投資家がイメージしやすい特定の地域や国々を列挙したファンドが資金を集めました。

さて新興国が成長すると何が起こるでしょうか? 人やモノを運ぶ交通や上下水道などインフラの整備が必要です。そこでインフラ関連株のファンドが人気を集めます。また高度成長の中でエネルギーや資源が必要になり、きれいな水や豊かな暮らしのための食糧が必要になります。そこで、資源・エネルギー関連株や水、食糧、農業などの関連株ファンドが人気となります。

さらに、新興国の急激な成長がもたらす問題として、深刻な環境破壊と地球温暖化が懸念されます。そこで地球温暖化防止関連株として、代替エネルギー(植物性エタノールの原料となる農産物なども含む)、水や資源の浄化・循環に関連する企業の株が注目されます。さてこれらのテーマをよく見ると、資源・エネルギーや水、食糧といったテーマと重複しており、「成長期待と環境指向」2つの投資魅力を得て、ますます人気が高まります。

2007年の人気新ファンドは、多種多様なテーマがあるように見えて、実は「新興国の成長」というひとつのシナリオから展開されるテーマであったことがわかります。2007年の新ファンドは、「新興国」が根幹のテーマとなった1年だったのです。新興国は確かに注目すべき大きな成長の流れの中にあり、魅力的な投資対象です。ただ、こうした人気テーマへの投資には、いくつかの注意したい点があります。

  1. あらかじめ限定されたテーマや特定国・特定地域への投資は、集中投資となりがちです。投資信託の最大のメリットである「分散投資」の効果が限定的になります。その分、リターンの期待も大きくなりますが、リスクも大きくなり、基準価額の変動幅は大きくなる可能性が高くなります
  2. 長期で有効なテーマであっても、メディアが新しいテーマを追い求め、投資家も目新しさで短期投資をする傾向があります。その結果、長期的な投資テーマのファンドでも、資金流入が続かずに純資産が減少してファンド自体が短命に終わる可能性もあります
  3. 次々に移り変わる人気のテーマを追い、タイミングよく売買して投資に勝ち続けることはかなり難しいことといえます

このような注意点を踏まえて、資産の中心(コア)部分と楽しむ、冒険する部分をはっきり分けて、自分流の投資を楽しみましょう。

投資対象テーマや地域・国が限定的なファンドを選ぶポイントは、

  1. なるべく純資産額が大きいファンドを選び
  2. 短期の基準価額のぶれに一喜一憂せず
  3. 自分のテーマとして関心のあるものを大切に育てることが悠々投資のコツです。

2008年も目先の変動に煩わされない自分流ファンド生活を送りましょう!

島田 知保 氏
OLから国会議員公設秘書を経て1995年から月刊「投資信託事情」編集長。専門誌発行とともに投資信託や長期投資、社会的責任投資の啓蒙活動に取り組んでいる。

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    ※各種数値は2008年6月24日現在、新生銀行で取扱中の商品におけるそれぞれについての最大値を明記しています。 商品ごとに手数料や費用は異なりますのでお申し込みの際は必ず目論見書(目論見書補完書面を含みます)でご確認ください。
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