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96年12月がその分岐点です。96年12月より後に終わる10年の投資は、すべてマイナスで、それより前に終わるものは、すべてプラス。 さて、96年12月に終わる投資ということは、投資を開始したのは86年12月です。つまり過去の「10年投資」の成否を分けた分岐点は、"スタートライン"でいえば86年12月ということになります。
・86年12月以降に開始した投資は、10年の長期をもってしてもマイナス。
・86年11月以前に開始した10年間の投資は、例外なくすべてプラス。
過去データを10年で作為的に切っただけの分析ではありますが、この単純な事実が興味深いと思いました。それは、この86年あたりが、いわゆる"バブル"の出発点ではないかと思うからです。 85年9月のプラザ合意後の円高は、86年1月に200円を突破して以降、急速に上昇テンポを速めました。そしてその阻止を狙った利下げは、86年1月末から87年2月まで5回、5%から一気に2.5%まで行われました。
その後、債権大国として世界経済の資金供給役を期待された日本の利上げタイミングが、89年5月と欧米より1年近く遅れたことが、バブル生成の背景であったと分析されることがあるようです。 86年年初に13,000円だった日経平均は、12月には18,000円になり、その2年後の88年12月には3万円の大台に乗せ、さらにその1年後の89年12月には、4万円に届きそうな38,915円でピークを付けたのはご存知の通りです。 では、この86年末以降の投資の"スタートライン"は、果たして長期投資を行なうにあたって妥当だったのかどうか? 株式投資の過去分析としては、あまりに単純化しすぎた議論だと思います。しかし「上がってこないと買えない私達日本人」、ほとんどはこれより後のスタートラインから投資を始め、失敗し、そして「もうやりたくない」と思っている。またそれを見聞きしてきた人も「株は恐い」と感じている。それが現在の私達なのかもしれません。 10年以上におよぶ株価の調整の中、私達のアタマの中に深く刻まれてきた「株は恐い」という考え方の背景には、実はただ単に、「スタートする位置が間違っていたのかもしれない」という、シンプルな側面もありうるのではないかと思うのです。 恐いには恐いなりの理由がある。しかしそれは、"スタートラインを大間違い"すれば、いくら長期投資しても報われないという当たり前のことなのかも知れない。 こんな風に考えてみることによって、では現在の私達のいるスタートライン、日経平均で1万円近辺ってどうなのだろう? 後から振り返ってみて"大間違いしたスタートライン"なのだろうか?という、「今月が底なのか、来月は上がるのか」といった難しくてなかなか当たらない相場見通しとは違った、しかし本当の投資に重要な「大局的な考え方」ができるようになると思うのです。 |