作成:2006年4月20日
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芳屋 昌治 氏 プロサーチ株式会社 宅地建物取引主任者・CFP・不動産コンサルティング技能登録 |
株式、REIT等、このページでご紹介する商品は、株価等の変動により損失が生じる可能性があります。また、お取引の際には取引手数料がかかります。
投資信託は、価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。またお申し込み・保有・解約に当たっては所定の費用がかかります。
REITとはReal Estate Investment Trustの頭文字をとった略語で、日本語に直訳すると不動産投資信託となります。昨今、日本でも話題となっている金融投資商品「J-REIT(日本版不動産投資信託/ジェイリート)」についてご紹介させていただきます。そもそもREITは、複数の投資家から、小額な資金を集め、その資金をプールして様々な不動産に投資し、それらの不動産から得られる賃料収入や売却利益を投資家に分配する仕組みです。皆さんも考えたことがありませんか?不動産に投資してみたいけれど数千万円から数億円を一人で出して、リスクを自分だけで背負うのは怖い。しかし、たとえば大勢集まって1人数十万円を出し合って、皆で不動産に投資して、その賃料や売却利益を分配できればいいのに。そうです、そのような集団不動産投資の進化型がREITなのです。
また、不動産投資の大きな弱点の1つである流動性・換金性の乏しさは、上場し、いつでも誰でも売買できることで改善されたのです。J-REITを1口購入して、保有している素敵なビルに行って「これは私のビル」なんて自慢してみるのもいいかもしれませんね。
<J-REITのイメージ図>

次にREITの歴史を見てみましょう。REITは1960年にアメリカで内国歳入法改正をきっかけに、はじめて創設されました。導入目的は大規模な不動産投資に対し、一般の小口投資家や個人投資家の参加機会を創設することにあり、市場は約2億米ドル程度と小さな規模からのスタートでした。その後、順調に市場が形成されたわけではなく、幾多の上昇下落を繰り返しながら徐々に大きくなってきました。特に1990年前後のアメリカ不動産不況を機会に、「不動産の所有と運営の分離」「UP-REIT(資産をREITに移転する際の優遇税制)」などを契機に市場規模は爆発的に拡大し、2006年4月1日現在、株式時価総額約37兆円、197銘柄までに成長しています。また、アメリカ以外の国でも多数のREITに似た商品が存在します。主なものでは、オーストラリアのLPT、フランスのSIIC、カナダのC-REIT、韓国のK-REIT(又はCR-REIT)、シンガポールのS-REITなどがあります。
日本では1990年代のバブル崩壊以降の不動産不況脱却、不良債権処理や一般投資家の投資機会拡大を目的に2001年9月10日に2銘柄が初めてJ-REITとして東証に上場しました。しかし、その記念すべき上場翌日の9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が勃発し、新聞やテレビはテロ事件を中心に報道したため、J-REITはほとんど注目されないまま、波乱のスタートを切ったわけです。それでも、初上場からわずか4年半で、投資証券の時価総額が3兆円、運用不動産資産総額は4兆円を超え、32銘柄(2006年4月1日現在)まで急拡大したことには目を見張るものがあります。今後10兆円規模になっていく可能性もあるでしょう。
<投資証券時価総額が1,000億円を超えるJ-REIT>
| コード | 投資法人名 | 時価総額 (億円) |
保有 棟数 |
投資対象 |
|---|---|---|---|---|
| 8951 | 日本ビルファンド投資法人 | 5,436 | 53 | オフィスビル |
| 8952 | ジャパンリアルエステイト投資法人 | 3,489 | 52 | オフィスビル |
| 8953 | 日本リテールファンド投資法人 | 2,777 | 36 | 商業施設 |
| 8959 | 野村不動産オフィスファンド投資法人 | 2,265 | 28 | オフィスビル |
| 8955 | 日本プライムリアルティ投資法人 | 1,903 | 44 | 事務所、商業施設 |
| 8954 | オリックス不動産投資法人 | 1,785 | 40 | 事務所、住居、商業施設、ホテル |
| 8961 | 森トラスト総合リート投資法人 | 1,590 | 10 | オフィスビル、商業施設、ホテル、住居 |
| 8957 | 東急リアル・エステート投資法人 | 1,575 | 17 | 事務所、商業施設 |
| 8962 | 日本レジデンシャル投資法人 | 1,196 | 108 | 住居 |
| 8960 | ユナイテッド・アーバン投資法人 | 1,138 | 25 | オフィスビル、商業施設、ホテル、住居 |
※2006年4月4日現在/プロサーチ調べ
J-REITの主な特徴は次の通りです。
不動産に投資する場合には高額の資金が必要であるという点が難点でしたが、J-REITは不動産投資を小口化したもので、数十万円からでも投資することのできる不動産投資と考えることができます。
少額で投資できるJ-REITですが、運用対象は全国のさまざまなタイプの複数の不動産に投資されているので必然的にJ-REIT自体が分散投資をしています。ですから異なった銘柄に投資することで、投資家は更なる分散投資が可能となります。
上場している一般の不動産会社とJ-REITの違いは、一般の不動産会社は不動産開発やマンション分譲、建物管理、リゾート開発・運営などさまざまな事業を行っているのに対して、J-REITは不動産投資だけを行う特殊な法人であるということです。
上場している一般の不動産会社とJ-REITの違いのもうひとつは、上場不動産会社は事業によって得た利益に対して約40%もの法人税等が課税され、税金を支払った残りの利益から株主に配当しますが、J-REITは利益のほぼ全て(配当可能利益の90%超)を投資家に配当することによって法人税は課税されないので、より大きな配当が可能です。
投資対象が不動産であるため、J-REITの収益の大半は、投資した不動産から得られる賃料収入です。賃料は基本的に安定した収入ですから、投資家への配当も比較的安定したものが期待できます。
J-REITの収益の基本は賃料収入です。1年後の市場や賃料は、比較的容易に予測できます。一方、一般の上場企業はどうでしょうか?さまざまな事業を行っているので、売上や利益は予測から大きく乖離することがあります。企業の利益変動が株価を左右するならば、株式投資はハイリスク・ハイリターンで、J-REITはミドルリスク・ミドルリターンと考えられます。
不動産市況や金利情勢をはじめとする経済環境等、各種要因によって不動産賃料が変動したり、自然災害による実物不動産に影響、不動産取引等に関する法律・税制の改正など、他の金融商品とは異なるREIT特有のリスクを内包しています。
2006年4月1日現在、分配金の利回りは概ね年3%〜5%程度と他の金融商品や上場株式配当利回りと比べて高い水準にあります。また、多くのJ-REITは半年毎に決算を行うため、その場合は年2回の配当支払いを目指します。但し、注意すべき点として「利回りの上昇」=「投資証券の価格下落」という構図になっている場合もあり、両面からREITを評価すべきです。
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