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新興国である投資先として注目を集めるロシア・東欧諸国。とはいえ、この地域・人々になじみがないという方も多いのではないでしょうか。ロシア・東欧諸国を長年にわたり訪問・研究してきた専門家に、これらの地域を社会・文化などの面から教えていただきます。
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「ヨーロッパの観光地」から「欧州の工場」に〜「裏庭」の東欧
地図にみる東欧
 「東欧」という言葉は、30歳台の半ば以上の人にとっては、「東側」(社会主義陣営)の一員としてソ連の影響下にあった国々というイメージでしょう。しかし、今やその多くがEU(欧州連合)に加盟している、またはしようとしており、旧ソ連・ロシアの影は薄くなりました。
地域でみると、まず有名なのがポーランド・チェコ・スロバキア・ハンガリーの4ヵ国で、これらが一般的な「東欧諸国」のイメージではないでしょうか。そして北寄りのバルト海に面するエストニア・ラトビア・リトアニアといったバルト諸国。さらにルーマニア、ブルガリアなど南寄りのバルカン半島にあるバルカン諸国と大きくは3つにわけられます。この国々は地図で見るとヨーロッパの中央部にあるため、最近では「中欧」あるいは「中東欧」と称することが一般的です。(歴史的には、ドイツ、オーストリアおよび周辺を中欧と称していました。)
東欧諸国の歴史をひもとく
この地域は、ドイツやオーストリア領に属していたため、20世紀の二度の世界大戦で両国が敗れたことをきっかけに、東欧の国家が生まれたという経緯があります。伝記上の人物でいえば、ドイツの哲学者のカントは、現在のドイツよりも東方で現ロシア領のカリーニングラード(ポーランドとリトアニアに挟まれた旧ケーニヒスベルク)で一生を過ごしました。また他にも、ドイツ語で書いた作家のカフカは、プラハ(現在のチェコの首都)に住むユダヤ人でした。中東欧諸国には、ロシア語を解する人々も多いのですが、ドイツ語も比較的通用します。このことから、中東欧諸国はドイツあるいはオーストリアの「裏庭」という見方をする人もいます。民族的には、ロシア人と同じスラブ系が多く、それ以外ではエストニア人やハンガリー人などのアジア系の民族、古代ローマ人の子孫を自称するラテン系のルーマニア人など多様です。彼らはロシアやドイツといった大国の侵略、支配の歴史を経てきたために、民族としての自覚が高く、「われわれはヨーロッパ人である」という意識が強いことが共通しているといえます。
現代の東欧
一方現代に目を戻すと、旅行客の多く訪れる風光明媚な土地に。モーツァルトを題材にした映画『アマデウス』は、チェコの首都プラハでロケをした美しい映像に注目。このプラハはヨーロッパの古い町並みがそっくり残っており、日本からも毎年多数の観光客が訪れています。ハンガリーの首都ブダペストも「ドナウ川の真珠」と呼ばれる美しい街です。このように中東欧には、古いヨーロッパの残る観光地がたくさんあります。
 さらにここ数年は、中東欧はヨーロッパの工場として重要な地域となってきました。たとえば、スロバキアは人口500万人の小国(日本で言えば福岡県と同じぐらいの人口)ですが、フォルクスワーゲンが早くから工場を構え、プジョー等も工場を建設中です。同国は乗用車の生産が急ピッチで増加する予定で、人口1人あたりの生産台数が世界一にもなる勢いです。日本企業もトヨタをはじめ、松下、シャープなど多くの自動車、家電企業がポーランド、チェコなどへ中東欧への投資を行っています。中東欧はヨーロッパの成長センターになりつつあるのです。
次回からは、各国の特色やニュースなどをお届けする予定です。一見、なじみのない地域と思われがちですが、意外と身近な話題に事欠かない、「近い」国々なのです。
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