新興国である投資先として注目を集めるロシア・東欧諸国。とはいえ、この地域・人々になじみがないという方も多いのではないでしょうか。ロシア・東欧諸国を長年にわたり訪問・研究してきた専門家に、これらの地域を社会・文化などの面から教えていただきます。

これが出る頃はサッカーワールドカップで世間はもちきりかもしれませんが、別のあるスポーツの話をしたいと思います。
現在の相撲人気は、外国人力士、とくにモンゴル勢によって支えられているのはよく知られていますが、最近はモンゴルよりもユーラシア大陸の西の外国人も目立つようになってきました。その筆頭は、ご存知、ブルガリア出身の琴欧州です。当初は、欧州という名前の響きは違和感もありましたが、彼の活躍で私たちにもおなじみとなってきました。
幕内では、琴欧州がユーラシア大陸では最も西の出身ということになっていたのですが、この5月の夏場所では、エストニア出身の把瑠都(ばると)も幕内力士となり、戦列に加わりました。彼の特長である怪力で最後まで優勝争いに加わり、敢闘賞を受賞しました。
数場所前に何げなくテレビをつけていたら、下位の優勝決定戦をやっておりました。その対戦相手が、把瑠都(ばると)と臥牙丸です。こちらも振り仮名なしで読めませんね。後者の力士は「ががまる」、旧ソ連のグルジア出身です。2人の顔付きがアジア系ではなく、その四股名の響きが私にはなじみのものだったのですぐに名前を覚えてしまいました。
相撲に詳しい人はすでに、幕内には黒海というグルジア出身の力士が活躍していることをご存知でしょう。さらに幕内には、露鵬(ろほう)と白露山(はくろさん)のロシア出身の力士もおります。この2人は兄弟でして、出身はロシアといっても南のはずれ、2年前に学校でテロリストの人質事件で100人を上回る死者をだした北オセチア共和国です。これはグルジアの隣です。グルジア出身の力士は4人もおります。
旧ソ連・東欧出身の力士は、モンゴル勢よりも日本との言葉・文化の違いがより大きく、周辺に同国人も少ないため苦労が多いと思います。しかし、把瑠都(ばると)は5か国語を話し、バーの用心棒の経験もあると言います。黒海は、グルジアの民族紛争で難民であったという話しです。また、琴欧州は両親に車を買ってあげたことがニュースになっていました。彼らは、はるばるユーラシアの西から「相撲」で“ジャパニーズドリーム”を目指すと言ったところでしょうか。
旧ソ連・東欧出身の力士は柔道やレスリングなどの出身者が多いようです。柔道と言えば、ロシアのプーチン大統領が柔道家であることが有名ですが、空手も旧ソ連東欧ではメジャーな格闘技です。日本における「空手」よりもステータスが高いようで、閣僚、政治家、実業家などで空手の愛好者も目立ちます。例えば、政治家やビジネスマンが日本とのコネクションのきっかけを空手に託していることもあります。
最後に…
日本相撲協会公式サイトでは、幕内の力士たちを写真つきで紹介しています。東欧以外にも世界のあちらこちらで“SUMO”は支持されているのかもしれません。