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新興国である投資先として注目を集めるロシア・東欧諸国。とはいえ、この地域・人々になじみがないという方も多いのではないでしょうか。ロシア・東欧諸国を長年にわたり訪問・研究してきた専門家に、これらの地域を社会・文化などの面から教えていただきます。
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ロシアのビール事情
ソ連解体後、急激に伸びた消費量
 ロシアのお酒といえばウォッカ、というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。ウォッカはアルコール度数が40〜50度超と非常に高く、古くより根強い人気を誇っています。 一方、日本の夏の風物詩(?)ビールはというと、ロシアでは90年代の半ばぐらいまではあまり人気のある飲み物ではありませんでした。寒い国だからということ以上に、ロシア国内にあまり良いビールメーカーがなく、私が訪れたときも、正直に言ってロシアのビールはあまり美味しくないなと思ったものです。さらに、輸入ビールは高価すぎて、庶民には手の届かない存在でした。 こうして、「ロシアのお酒といえばウォッカ」という時代が随分長く続きました。
ところが、90年代の半ばごろから状況が変ってきました。これには3つの理由が考えられます。ひとつには、比較的安価な輸入ビールが市場に出回るようになったこと。そして、美味しいビールを生産できる国内メーカーも増えてきたこと。さらに消費者の意識も変化し、若者を中心に度数の強いウォッカよりもビールの方が健康に良いし、第一ビールの方がスタイリッシュだと考える人が急増し始めたことです。
このような事情を背景にロシアのビール消費量は1995年ごろより急激に伸び始め、2004年の消費量は1993年当時の約3倍に達しました。キリンビールの調査によれば、ロシアは日本を上回る世界第4位のビール消費国(2004年)だそうです。
外資系が中心の業界地図
ロシアのビール業界は、外資系のメーカーが中心になっています。販売量上位5社の顔ぶれを見ると、英スコティッシュ&ニューカッスル(S&N)とデンマークのカールスバーグの合弁企業であるBBH、インベヴ系のサン・インターブリュー、ハイネケン、SABミラー等、すべて外資系のメーカーによって占められています。それら上位5社の市場シェアの合計は、全体の90%近くにまで達します。以前は純ロシア資本のビールメーカーも結構沢山あったのですが、ここ数年、次々と外資系企業に買収されているのです。
たとえば、ハイネケンは2002年にブラボーというロシアのメーカーを約4億米ドルで買収したのを皮切りに、これまで、10社近くのメーカーを買収しています。また、インベヴもチニコフをいうビールメーカーを2005年夏に約2億ドルで買収しています。 このような外資系企業の動きからもわかるとおり、ロシアのビール市場は世界的に注目されている市場なのです。 ちなみに日本メーカーのビールはどうかというと、日本での値段と比較すると少し高めですが、スーパーマーケットなどで購入することができます。
(文/ロシア東欧貿易会 坂口泉、2006年6月作成)
本コラムでは、日本とロシア・東欧のビジネスの懸け橋をつとめている社団法人ロシア東欧貿易会の経済研究所のスタッフがロシア・東欧最新情報を連載する予定です。隣国ロシア・東欧の「素顔」をご紹介できればと考えています。
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