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新興国である投資先として注目を集めるロシア・東欧諸国。とはいえ、この地域・人々になじみがないという方も多いのではないでしょうか。ロシア・東欧諸国を長年にわたり訪問・研究してきた専門家に、これらの地域を社会・文化などの面から教えていただきます。
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ロシアの家電市場
ロシアではどんな家電が売れている?
小売形態が小規模店から量販店へと近代化している変化に歩調を合わせるような形で、売れ筋の商品も急速に変化しています。たとえば、ビデオデッキからDVDプレーヤーへの移行が急速に進んでいますし、薄型テレビの売れ行きも急増しています。一部報道によれば、ロシアの薄型テレビ市場がさらに急拡大するとの判断から、ある日本メーカーが薄型テレビの現地組み立てを開始するとされています。洗濯機も、全自動式のものが市場の7割以上を占めるようになっています。
ロシアの家電メーカー
 ソ連解体後、ロシアの家電メーカーは外国製品との競争に敗れ、一部の例外を除き、一時ほぼ壊滅状態になりました。たとえばテレビの生産量は、1990年代中ごろには、ソ連時代末期の約15分の1の約30万台/年にまで落ち込みました。国産のテレビは外国製品と比較すると低品質で危険を伴ったことから、消費者に敬遠されたようです。
例えば、国産テレビが発火し、それが原因で火事が発生するという事件もあったようです。私の体験でも、モスクワに留学していた1985年に寮で裏面が焼け焦げたテレビを見たことがあります。発火するソ連製テレビの話は当時知られていて、1980年代後半には日本で「モスクワのテレビはなぜ火を噴くのか」という題名の本が出版されています。
ところが、2000年頃より、ユニット部品の多くを外国から輸入しロシア国内で組み立てるという生産方式が定着し、ロシアの家電の生産量は急激に回復しています。2005年のテレビの生産量は約680万台と、ソ連時代末期の数字を大きく上回りました。テレビ以外の家電製品の国内生産量も全般的に伸びています。外国製部品を専ら使用するようになった結果、国産家電製品の品質が劇的に向上し、ロシア市場でも評判が高まっているのです。ロシアの総合家電メーカーとしては、ロールセン、ソコル、ポーラーなどが有名です。
健闘する日本メーカー
世界各地同様、ロシアでも日本の機械製品は非常に優秀との評価が定着しています。勿論、家電製品も例外ではありません。特に日本の家電製品が入手困難だった十数年前は、希少価値も加わり、我々の想像を絶するような高い評価を得ることも珍しくありませんでした。たとえば、確か、1980年代末か1990年代前半のことだったと記憶していますが、私のロシア人の友人は、海外出張のときに買った日本製のビデオデッキと交換でロシア製乗用車(中古車ですが、非常に状態の良い車でした)を手に入れました。最近は韓国メーカーや国産メーカーが台頭してきており、かつてほどの「神通力」はなくなっていますが、日本メーカーのAV家電は今も根強い人気とブランド力を誇っています。ただ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジといった大型家電は、一部の例外(エアコン等)を除き、どういうわけか人気がありません。伝統的に欧州、特にイタリアのメーカーの製品の人気が高いようです。
(文/ロシア東欧貿易会 坂口泉、2006年8月作成)
本コラムでは、日本とロシア・東欧のビジネスの懸け橋をつとめている社団法人ロシア東欧貿易会の経済研究所のスタッフがロシア・東欧最新情報を連載する予定です。隣国ロシア・東欧の「素顔」をご紹介できればと考えています。
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