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BRICsのひとつとして成長著しいロシア。飛行機に乗れば2時間ほどで着いてしまう隣国ですが、その素顔は案外知られていません。物不足?行列?いえいえ、それは昔の話。これから3回にわたって、ロシアの素顔を覗いてみましょう。今回はロシアの経済規模や生活水準と、それを支える人的資源の様子を見てみましょう。
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第1回
1. BRICs中で最も生活水準が高い国、ロシア − BRICsという扱いには不満も?
IMFのWorld Economic Outlook April 2006によれば、2005年現在のロシアの経済規模(GDP)は7,662億米ドルで世界第14位となっています。中国が2兆2,248億米ドル、ブラジルが7,927億米ドル、インドが7,754億米ドルですから、ロシアの経済規模はBRICs中最小です。しかし、国民の平均的な生活水準を示す一人当たり名目GDPを見ると状況は一変し、ブラジル4,316米ドル、中国1,703米ドル、インド714米ドルに対してロシアは5,369米ドルと一躍BRICs中トップに躍り出ます。またForbes誌による2006年世界長者番付でも、リストアップされた793人のうち、ロシア人は33人と、インド人23人、ブラジル人16人、中国人8人を凌駕する結果となりました(これは貧富の格差という負の側面でもあるのですが・・・)。
ロシア人とBRICsについて話した際、「自分達を電気もガスもあまり普及していない国々と一括りにして欲しくない」と不満をぶつけられたことがあります。BRICsの中でも、ブラジル・ロシアと中国・インドは分けて考える必要があるように思います。
<BRICs各国の一人当たり名目GDPの推移(米ドル)>
出典:IMF "World Economic Outlook, April 2006"のデータに基づき筆者作成、06、07年はIMF予測
2. ロシア(含む旧ソ連)のノーベル賞受賞者数は21人
世界銀行のWorld Development Indicators 2006によれば、ロシアにおける第三次教育(大学および職業専門学校)進学率は65%と、ブラジル(同20%)、インド(同11%)、中国(同15%)を大きく引き離しています。因みに日本は同52%。教育システムの異なる国同士の比較は慎重に行う必要がありますが、ロシアの教育水準は先進国と比較しても遜色ないといえるかも知れません。また専門教育の質も高く、旧ソ連時代も含めれば21人ものノーベル賞受賞者(物理学10人、生理学・医学2人、化学1人、経済学1人、文学5人、平和2人)を輩出しています。ソ連崩壊後も3人が物理学賞を受賞するなど、高い科学水準は健在のようです。ロシア政府も科学イノベーション、情報通信、防衛・航空、といった知識集約型産業を経済成長の柱のひとつに据えており、今後ロシア経済が発展していく上で、人的資源や科学技術の果たす役割は極めて大きなものとなるでしょう。
Перерыв(ペレリフ:休憩):テニス界に巻き起こるロシア旋風 − 頑張れ、サフィン!
 今更といった感もありますが、2004年のウィンブルドンで優勝したマリア・シャラポワを筆頭に、昨今のロシア人テニス選手の活躍には目を見張るものがあります。5月8日現在、世界トップ10の中に、男子は1人、女子は4人のロシア人がランクインしています。ソ連時代から中堅クラスの選手は存在しましたが、四大大会(全豪、全仏、全英、全米)シングルスのタイトルを争う選手が出てきたのは90年代後半からです。躍進の背景を推測すると、1.エリツィン大統領が巻き起こしたテニスブーム、2.ソ連崩壊後、海外でのトレーニングが容易になった、といった理由が考えられます。私が注目している選手はマラト・サフィン。モスクワ出身の26歳で、かつて世界No.1になったこともある男子選手です。やや気分屋なのが欠点ですが、潜在能力は男子選手No.1だと思います。ルックスもいいので、活躍次第ではシャラポワ並みの人気も期待できそうです。6月には全英オープンが始まりますが、サフィンがロシア人初の全英男子シングルスチャンピオンに輝くことを密かに期待しています。
(文/丸紅経済研究所 榎本裕洋2006年5月15日作成)
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