マーケット情報
ロシアの素顔 〜意外な数字から〜

「ロシアの素顔〜意外な数字から〜」 第二回はロシアに住む人々に焦点をあててみましょう。
INDEX
第1回
第2回

第3回

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品を説明するページをご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

第2回
1. ロシアの人口は毎年0.5%ずつ減少 − 人口減は悪か?
 “2006 World Development Indicators(世界銀行)”によれば、ロシアの人口は90年から04年まで年平均0.2%ずつ減少しており、04年から20年は年平均0.5%(約70万人)ずつ減少していく見通しとなっています。一般に人口減少はネガティブに捉えられがちで、プーチン大統領も先日の大統領教書演説において人口減少に対する懸念を表明しました。確かに人口減少は「民族の減少」であり、憂慮すべき問題です。また、人口減少を前提としない社会制度(年金制度など)に負担をかけるという観点からも切実な問題です。

 しかし筆者の考察によれば、経済成長、特に生活水準を示す1人当たりGDPに対して、人口増減が及ぼす影響は限定的と考えられます。具体例を挙げますと、1955年度から2003年度の間、日本経済は年平均5.0%成長しましたが、このうち人口増による部分は0.7%にとどまりました。残りの4.3%は1人当たりの仕事量の増加、いわゆる生産性向上による成長です。また05年現在1人当たりGDPの上位5カ国はルクセンブルク、ノルウェイ、アイスランド、スイス、アイルランドといずれも人口1,000万人以下の国々です。逆に人口増加が著しい国の大半が、アフリカ大陸の貧しい国々であるという事実もあります。つまり経済成長の観点からは生産性向上こそが最も重要であり、人口増減の影響は案外小さいと考えられます。
2. 意外と飲まないロシア人 − 1人当たりアルコール摂取量は世界第19位
 ロシア人と言えばアルコール、といったイメージが定着しているようです。ロシア人男性の平均寿命は60歳弱と短いのですが、その理由としてアルコールの過剰摂取が挙げられることもしばしばです。しかし“WHO Global Status Report on Alcohol 2004”によれば、15歳以上のロシア人1人当たりのアルコール摂取量は年間10.58Lで、これは調査対象185カ国中19位と意外に低調(?)です。因みにロシアを上回るのは、ビールで有名なチェコ(同16.21L)・ドイツ(同12.89L)、ワインの本場フランス(同13.54L)、等です。同報告書には非公式アルコール推計消費量も掲載されていますが、これを加えてもロシアは世界第11位止まりです。

 ではなぜ「ロシア=アルコール」のイメージが定着したのか?2つほど理由が考えられます。まず先述のランキング上位20カ国中ロシアだけが1億人を超える人口大国であること、次に酒類別アルコール摂取量をみた場合、ウォッカなどのスピリッツ類によるアルコール摂取量がロシアは世界第3位と多いこと、などが考えられます。但し、最近はロシアでもウォッカよりビールやワインの需要が増える傾向にあります。
<1人当たりアルコール摂取量、出典:WHO>
順位 国名 摂取量(L)
1 ウガンダ 19.47
2 ルクセンブルク 17.54
3 チェコ 16.21
4 アイルランド 14.45
5 モルドバ 13.88
6 フランス 13.54
7 レユニオン 13.39
8 バミューダ 12.92
9 ドイツ 12.89
10 クロアチア 12.66
順位 国名 摂取量(L)
11 オーストリア 12.58
12 ポルトガル 12.49
13 スロバキア 12.41
14 リトアニア 12.32
15 スペイン 12.25
16 デンマーク 11.93
17 ハンガリー 11.92
18 スイス 11.53
19 ロシア 10.58
20 セントルシア 10.45
※ 15歳以上、ピュアアルコール換算
※ 出所 : WHO Global Status Report on Alcohol 2004
Перерыв(ペレリフ:休憩):ロシア人の矛盾 − 荒々しさと繊細さが同居
 タイトルに「意外な数字から」とある通り、本シリーズの主旨はロシアを数字で論理的に考察することです。ただ、人間には数字で割り切れない、矛盾した部分も存在します。ロシア人に多々見受けられる矛盾として、荒々しさと繊細さの二面性が挙げられます。ロシア人はよく熊に例えられます。それはロシア人の荒々しさや細部にこだわらない大らかさを象徴していると言えます。一方、音楽やバレエ、シンクロナイズドスイミングなどでロシア人が見せる技術の繊細さには熊の面影など微塵も感じられません。昔、ロシア人にこのことを尋ねたところ、「荒々しさと繊細さは相反する要素なのか?」と逆に切り返されてしまいました。知れば知るほど、ロシア人の奥の深さに魅了されます。
(文/丸紅経済研究所 榎本裕洋2006年6月15日作成)
当資料は、信頼できる情報をもとに各執筆者が作成しておりますが、正確性・完全性につい各執筆者または新生銀行が責任を負うものではありません。上記情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。
写真はすべてイメージです。
ページ上部へ戻る
戻る 印刷用ページへ

本資料における情報は、一般的な社会動向について榎本氏の見方を参考情報として提供するものであり、新生銀行が特定の金融商品の勧誘を行うものでも、新生銀行の相場観等を示すものでもありません。
従って、金融商品に投資を行う場合は、お客さまご自身の判断で行うようお願いいたします。本レポートは情報提供のみを目的に作成されたもので、投資・運用に当たっての最終的な判断は、お客さまの責任に委ねられます。
当行取扱いの関連ファンド
SGロシア東欧株ファンド JPM・BRICS5・ファンド
(愛称:ブリックス・ファイブ)
主にロシア・東欧諸国の株式に投資します。 ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ5カ国の株式におおむね均等に投資します。

投資信託は、価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。またお申し込み・保有・解約に当たっては所定の費用がかかります。なお、個別商品にかかるリスクや各種手数料について、必ず各商品の詳細ページまたは目論見書にてご確認ください。

投資信託一般について