作成 2007年9月![]() |
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主にベトナム、パキスタン、インド、中国の株式に投資します。 投資信託は、価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。またお申し込み・保有・解約に当たっては所定の費用がかかります。なお、個別商品にかかるリスクや各種手数料について、必ず各商品の詳細ページまたは目論見書にてご確認ください。 |


2006年の固定資産投資額が前年比24.0%増となるなど、中国では投資の高い伸びが続いています(図表7)。投資の過熱とインフレを懸念する中国人民銀行は、2007年7月20日、今年に入って3回目となる利上げを実施しました。1年物貸出基準金利は0.27%引き上げられて、水準では6.84%と約9年ぶりの高水準となっています。

(出所)中国国家統計局資料をもとにBRICs経済研究所にて作成
金融引き締めの効果によって、今後、中国経済の成長率は若干鈍化するとみられますが、国内の投資が急減速する可能性は低いといえます。その理由は、金融引き締め政策の影響を受けづらいオリンピック関連の投資の拡大が期待できるためです。

中国では、2008年の夏に北京オリンピックが開催されます。それに関連した道路、空港、港湾などのインフラ投資はまだ終わっていません。むしろ、これから本格化するとみられます。将来の需要の増加などをあてにした企業の投資は、金融引き締めの影響を受けてスローダウンしますが、オリンピック関連の投資は、今どうしてもやっておかなくてはならない投資なので、金融引き締めを強化したからといって、すぐに投資が手控えられるということにはなりません。また、2010年の上海万博に関連した投資もこれから拡大していくと予想されます。
中国本土の株式市場は過熱気味になっています。背景には、「ビッグイベントである北京五輪が開催されるまでは、中国政府が大掛かりな金融引き締め政策を実施することはないだろう。株価の調整もないはずだ。」と中国人の投資家が予想していることがあります。中国の個人投資家の間では、株式投資が空前の大ブームとなっており、すでに証券会社の口座数は1億口座に達しました。個人投資家の6割以上は月収が5万円程度の庶民で、彼らはギャンブル感覚で株式投資による一攫千金を夢見ています。個人投資家のほとんどが株式投資の初心者であるにもかかわらず、これまで蓄えた全財産を株式投資に注ぎ込んだり、会社の就業時間中に仕事もせずに株式売買を行うなと、その投資熱は異様なまでに高まっています。
経済発展の著しい中国では、都市部を中心に富裕層やそれに準ずるニューリッチ層と呼ばれる人たちが増えてきました。米国の証券会社メリルリンチとフランスのコンサルティング会社キャップジェミニがまとめた「World Wealth Report」によると、金融資産が100万ドル(約1億円)を超える富裕者の数は、2006年で約35万人(前年比+7.8%)に上ります(図表8)。富裕層・ニューリッチ層の間では、「見栄」の消費が拡大傾向にあり、それに伴って高級自動車や貴金属のアクセサリー、高級化粧品など高額商品の売上が伸びています。食生活の高度化・西洋化も進んでおり、上海や広州などの大都市沿岸部では、祝祭日に高級レストランやカジュアルレストランを利用する家族が急増しています。

(出所)メリルリンチ、キャップジェミニ資料をもとにBRICs経済研究所にて作成
さらに富裕層・ニューリッチ層の間では、空前のペットブームが起きています。犬を取り扱うペットショップの数は沿岸部を中心に急増しており、週末にはたくさんの家族連れが訪れます。子犬は様々な値段で販売されていますが、富裕層の場合は1匹1万元(約13.4万円)以上もする犬をキャッシュで購入するといわれます。血統の良い輸入犬になると、なんと一匹100万元(約1340万円)で取引されることもあります。
中国でオリンピック関連の投資が拡大していることなどから、近年、銅やニッケル(ステンレスに使われる材料)の国際価格が大幅に上昇しています。そうしたなか、日本国内では金属盗の被害が相次いでいます。これは、銅線や駐車場のチェーンポールなどあらゆる金属製品を盗んで、それを廃品回収業者などに転売することによって、利益を得ようというものです。2006年には約5700件もの金属盗による被害が出ており、被害総額は約20億円に上ります。中国で開催される北京オリンピックは、対中輸出の増加を通じて日本経済にもプラスの恩恵をもたらしますが、その裏で、資源価格の高騰や金属盗の被害などマイナスの効果も発生していることには注意をしておくことが必要でしょう。


特別行政自治区となっている香港とマカオの経済が好調に推移しています。この背景には、中国本土から巨額のマネーが流れてきていることがあります。たとえば、香港は観光産業が景気をけん引していますが、これは中国政府が香港と締結したCEPA(経済貿易緊密化協定)の一環として、2003年後半から個人旅行を徐々に解禁したことの影響が大きいといわれます。実際、香港を訪れる中国人観光客の数は急増しており、観光客の地域別内訳をみると、中国本土は1999年にわずか28.9%でしたが、2006年は53.8%を占めるようになりました。
また、マカオのカジノには毎晩たくさんの外国人観光客がお金を落としていきますが、最近では、高成長を続ける中国本土から多数の観光客がマカオに押し寄せており、これもマカオのカジノ産業に繁栄をもたらしています。中国本土からマカオへの渡航制限が緩和されたため、北京、上海、広州など沿岸部の富裕層・ニューリッチ層を中心にたくさんの中国人がマカオのカジノを訪れるようになっているのです。
このように香港・マカオと中国の関係は緊密化しており、両者は一体化しつつあるといえるでしょう。

中国では、豊かな人たちが増える傍らで、健康上の問題が深刻化しつつあります。経済発展に伴う食生活・生活習慣の劇的な変化によって、太りすぎの人やメタボリック・シンドロームに悩む人が増えてきたのです。とくに、肥満の増加が目立つのが、富裕層・ニューリッチ層が集中する沿岸都市部です。都市部では、デスクワークが中心のホワイトカラーが台頭しており、仕事のストレスなどで太りやすい生活環境になっています。食事を高カロリーのファストフードなどで済ませる人も少なくありません。また、通勤でマイカーを利用する人も増えており、日常生活で運動をする機会が極端に少なくなっています。北京や上海などでは、ダイエットをするためにフィットネスクラブに通う人が増えています。
本資料はBRICs経済研究所が作成
情報の正確性・信憑性には相当の注意をもって作成しておりますが、執筆者および新生銀行がその内容を保証するものではありません。投資のご判断は自己責任にてお願いいたします。
門倉 貴史(かどくら たかし)
横浜銀行のシンクタンク 浜銀総合研究所の研究員時代の、社団法人日本経済研究センターならびに東南アジア経済研究所(シンガポール)への出向を経て、2002年に第一生命経済研究所に移籍、経済調査部主任エコノミストになる。2005年7月からは、BRICs経済研究所の代表に就任。専門は、日米経済、アジア経済、BRICs経済と多岐にわたる。同志社大学非常勤講師。
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