注目のファンド
2007年9月28日(金)運用開始
新生・フラトンVPICファンド 設定・運用 新生インベストメント・マネジメント 作成 2007年9月

主にベトナム、パキスタン、インド、中国の株式に投資します。

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カテゴリー:国際株式型申込金額:1万円〜
パキスタンBRICs経済研究所の門倉貴史氏に、4ヵ国の現況についてレポートいただきました。

注目ポイント

重厚長大産業が台頭し始めたパキスタン

ポストBRICsの有力グループ「ネクスト・イレブン」にも顔を出すパキスタンは、隣国のインドと同様、経済活動に占める農業部門の割合が高く、基本的に農業生産の多寡に経済成長が左右されやすい構造となっています。

製造業もこれまでは繊維産業が中心となっていたため、綿花の収穫高などの影響を受け易かったのです。1990年代は、農業部門が全般的に振るわなかったため、低い経済成長率が続きました。たとえば、99年度はサトウキビの収穫減の影響で経済成長率が前年比+3.9%に低下、00年度も干ばつの影響で農業が振るわなかったことから、同+2.0%の低成長となりました。

しかし、01年度以降は、経済成長率が徐々に加速しており、07年度は前年比+7.0%の高成長となる見込みです(図表4)。農業生産が回復したことに加えて、農業以外の産業が徐々に育ってきたことが、近年の高成長につながっています。製造業においても、農業生産に左右される繊維セクターのほか、自動車など重厚長大型の産業が台頭しつつあります。98年度に3万7262台にとどまっていた国内の乗用車販売台数は、中産階級の増加などによって急増しており、2006年度の販売対数は16万5268台に達しました(図表5)。

実質経済成長率
(出所)パキスタン統計局資料をもとにBRICs経済研究所にて作成
※07年度は政府見通し

乗用車販売台数
(出所)パキスタン自動車連合会資料をもとにBRICs経済研究所にて作成

外資の導入やIMF(国際通貨基金)をはじめとする海外からの経済援助・融資、内需の拡大、新産業の育成といったプラスの要因をかんがみると、パキスタン経済は中長期的に高成長路線を歩むことが期待できそうです。

懸念材料

政情・治安の安定が喫緊の課題

パキスタンにとってのアキレス腱は、国内の政情や治安が不安定であるという点です。最近では、国内でイスラム過激派の活動が活発化しています。2007年7月には、首都イスラマバードのモスクに過激派の神学生らが籠城するという事件が発生し、100人以上の犠牲者が出てしまいました。また、パキスタン北西部の部族地域では、イスラム原理主義のタリバンと国際テロ組織アルカイーダが活動を展開しています。

パキスタン政府は、米国から金融支援・軍事支援を受けながら、こうした問題の解決に取り組んでいますが、まだ有効な手立ては打たれていません。パキスタンが外資導入をテコに高い経済成長をしていくためには、政情・治安の安定を急ぐ必要があるでしょう。

規制緩和で外資の進出が加速

パルヴェーズ・ムシャラフ大統領が、金融や貿易の自由化といった各種の規制緩和を積極的に進めていることなどを背景に、パキスタンでは海外からの投資が増加傾向にあります。中央銀行が発表する国際収支統計をみると、近年、パキスタンへの対内直接投資が急増していることが分かります。06年度の対内直接投資額は約51億ドルと、前年実績(35.2億ドル)に比べて1.4倍の規模に膨らみました。株式や債券などの対内証券投資も増加しており、06年度は05年度実績に比べて5.2倍の規模に達しました。パキスタンへの投資が増えている背景には、規制緩和の効果に加えて、同国の経済が好調に推移していることもあります。現状、海外からパキスタンへの投資は欧米や原油の国際価格高騰で潤う中東地域が中心となっており、電力や通信、不動産などの分野で投資を増やしています。

海外からの投資マネーがたくさん流入していることから株式市場も活況を呈しています。カラチ証券取引所の代表的な株価指数であるカラチ株価指数は、2002年頃から上昇傾向で推移しています。株式市場には、中東など海外で働くパキスタン人のマネーも相当程度流入しているといわれます。

インフレの加速が懸念材料

パキスタンにとって、短期的な景気の懸念材料はインフレーション(物価の上昇)の加速です。ここ数年、高成長を続けてきたため、足元の景気はやや過熱気味となっています。需要の拡大に供給が追いつかなくなって、モノの値段に上昇圧力が生じているのです。また最近の原油の国際価格の上昇も、物価に対する上昇圧力として働き始めています。06年度のインフレ率は+7.9%と高い伸びになりました。07年度のインフレ目標は+6.5%となっていますが、現在はその目標を超えており、中央銀行は金融引き締め政策をとっています。インフレが顕在化すれば、金融引き締め政策の強化によって、パキスタンの景気が冷え込む可能性があることには十分な注意が必要でしょう。

雪解けの兆しが見られる印パ両国の緊張関係

インドとパキスタンは、長年カシミール地方の領有権を巡って争ってきました。ただ、近年では両国の関係に改善の兆しが出てきています。2003年にインドのバジパイ首相(当時)が対話を呼びかけて以来、両国は関係改善のための対話を続けています。

2005年4月には、インドのシン首相とパキスタンのムシャラフ大統領がニューデリーで会談し、両国の間で道路・鉄道往来を活発化させ、貿易促進のための委員会を復活させることで合意しました。さらに2005年10月8日に発生したパキスタン北部の大地震の際には、カシミール地方が大きな被害を受けたため、インドからの救援物資などの輸送を目的として、停戦ラインを両国住民が往来することを認めることとなりました。

パキスタンは、これまで財政支出の多くを軍事費に当ててきましたが、最近ではインドとの軍事的緊張が改善傾向にあるため、軍事予算が先行き縮小していく公算が大きいといえます。印パの関係改善は、両国の貿易量の拡大やインドが計画している中東からの天然ガス・パイプライン敷設につながるといったプラス効果が期待できます。印パ両国の関係が完全に正常化するまでは、なお時間を要するとみられますが、両国の関係が良い方向に向かっていることは間違いありません

子どもの強制労働が社会問題に

パキスタンでは、隣国のインドと同様に皮革産業が発達しています。特にサッカーボールの製造が盛んで、世界のボールの約3分の2はパキスタンでつくられているといわれます。サッカーのワールドカップの公式戦で使用されるサッカーボールも、そのほとんどがパキスタン製です。ボールを生産・輸出して外貨を稼ぐために、多くの労働者がサッカーボールの製造に従事していますが、農村部を中心に、子どもたちが劣悪な労働条件のもと、強制的に作業に従事させられるケースも少なくありません。丸1日、ボールの製造を手伝わされて、学校に通うことすらできない子どもも大勢います。国際労働機関(ILO)などが監視に乗り出すなどの対策も進んでいますが、子どもの強制労働の問題はまだ解決されていません。

ベトナムパキスタンインド中国

本資料はBRICs経済研究所が作成
情報の正確性・信憑性には相当の注意をもって作成しておりますが、執筆者および新生銀行がその内容を保証するものではありません。投資のご判断は自己責任にてお願いいたします。

門倉 貴史(かどくら たかし)
横浜銀行のシンクタンク 浜銀総合研究所の研究員時代の、社団法人日本経済研究センターならびに東南アジア経済研究所(シンガポール)への出向を経て、2002年に第一生命経済研究所に移籍、経済調査部主任エコノミストになる。2005年7月からは、BRICs経済研究所の代表に就任。専門は、日米経済、アジア経済、BRICs経済と多岐にわたる。同志社大学非常勤講師。

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