2007年マーケット予測
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投資に必要なリスクコントロール 取材日/2006年12月

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品を説明するページをご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

「資産分散」「時間分散」「長期投資」リスクコントロールの代表的な手法
 1.リスクを回避するための「投資信託」という考え方

グラフ:各為替レートの2006年1月6日の数値を100として指数化(2006年1月〜12月の1年間分のNY週足終値)※提供:マネーアンドマネー新興市場に投資をしている投資家の多くは個別株式に対する投資ではなく、投資信託といういわば「パッケージ商品」を利用しています。これはかなり合理的な投資行動であるといえます。例えば新興国の株式市場への投資を考える場合、日本に住む投資家がこれらの国の株式市場に直接アクセスすることは困難ですし、できたとしても我々のように海外に住む投資家に対して発信される情報量が少なかったり、情報の入手自体が困難であったりすることが考えられます。また海外から発信されるレポートなどを読む際の語学力の問題もあるでしょう。これらの障害自体、我々にとってはリスクといえるのです。これらのリスクを少しでも回避するためには、投資信託という商品のメリットが最大限に生かされます。

投資信託ではファンドマネージャーといわれる運用担当者がそれぞれの担当地域をリサーチして投資信託に組入れる銘柄を選択しています。そこには長年培われた情報収集力、情報分析力等のノウハウの蓄積があり、我々もそのノウ ハウを間接的に享受することができます。

また、海外の市場に参加するための諸コスト(情報コストも含む)についても投資信託では多くの金額で運用するため、投資家個々人が直接購入する場合と比較してスケールメリットがあるといえるでしょう。以上のことから、我々にとってはこの投資信託を利用して新興国株式市場にアクセスする方法が合理的といえるのです。

 2.ふたつの分散

いうまでもなく投資信託という商品では、投資対象とするセクターや銘柄を分散してリスクの低減を図っています。これは投資信託のみならず、比較的大きな資金を投資する場合の基本といえるでしょう。いわゆる「投資対象の分散」です。

しかし我々にできるのはこれだけなのでしょうか?「分散投資」にもいくつかの種類があることは一般にあまり知られていません。例えば値動きの大きい銘柄や投資信託等に投資をする場合に、投資タイミングを分散する手法は誰にでもできてかつ効果が期待できます。具体的には、株式や投資信託を少額づつ積み立てで購入するのです。例えば毎月10万円づつを買い付けていけば、毎月の価格は変動しているはずですから「価格(株価や投資信託の基準価額)が高い時には少ししか買えず、安い時にはたくさん買える」ということになります。これは「別窓で開きますドルコスト平均法」といって値動きの比較的激しい投資対象には効果的な運用手法です。

これ以外にも投資対象国や地域が偏らないように分散する「投資対象国の分散(=国際分散投資)」があります。さらに、為替ヘッジをしない場合は投資対象国の通貨が偏らないようにするのも基本といえるでしょう。一見上手く分散されているようなポートフォリオでも、中身を見ると特定の資産クラス(国内株式や国内債券、外国株式や外国債券)に偏ってしまっていたり、特定の国や通貨に偏ってしまっていることがよくあります。これらの過ちは、すべての投資対象(例えば投資信託)を同じ時期に一度に購入するなら気付きやすいのですが、途中で買い増したり、一部解約、再購入などを繰り返していると保有しているポートフォリオ全体のバランスはより見えにくくなってしまうのです。今一度ご自身が保有されるポートフォリオについて見直してみましょう。

 3.長期投資の難しさ

先に触れました分散投資、少額投資の他にも価格変動リスクを低減する手法に長期投資が挙げられます。「時間を味方につける」ということです。これはごく当たり前のことながら、意外と実践するのが難しいのです。例えば投資家から運用を託されているようなプロの投資家であれば、1年、半年のように比較的短い期間のパフォーマンスで運用の良し悪しを評価されてしまう傾向にあることから、「じっくり長期投資で、5年後、10年後を見ててください」という説明はあまり受け入れられません。

一方、時間にあまり制約のない投資家は5年、10年という長い期間におけるリターンを追求すればよいので、運用の途中経過に関して、一喜一憂せず、投資している資産や国に関して見通しを再考しなければならないような出来事が起きたときにリバランス(投資配分の組みなおし)をすればよいといえます。長期投資の効果については今更説明の必要はないかもしれませんが、この長期投資こそが価格変動リスクのある資産に投資をする場合、心強い味方になってくれるのです。

平下淳私は昨年来、新生銀行の「バーチャル投信」と題する企画においてインド、ブラジルを始めとする新興国株式ファンドを積極的に活用してきました。しかし新興国の代表的な株価指数は昨年後半頃から既にかなりの上昇率を記録し、今後いつ調整局面に入ってもおかしくない水準にまで達していると思います。

新興国の株高は好調なファンダメンタルズに支えられているのと同時にアメリカ、日本を始めとする海外からの直接投資によって、雇用、内需が拡大するといった好循環が生まれていると考えられており、今後も先進国と比較して相対的に高い経済成長を遂げるであろうとの私の見方に変化はありませんが、株式相場がいつまでも一本調子に上昇するとは思っていません。仮に「マーケット予測2007」で田中氏が指摘されるように米景気の失速に端を発する世界景気低迷という負のシナリオが現実となった場合に、海外ファンド資金等が新興国などから流失し、一気に株式市場が冷え切ってしまうような事態も懸念されます。

我々はこのような負のシナリオに過剰に神経を尖らすのではなく、もしそうなったとしても“大怪我”をしないよう慎重な投資行動を取らなければならなりません。また同時にそのような事態になっても慌てないようにご自身のリスク許容度に合致したポートフォリオを構築しておくことがより重要だと考えます。

相場の見通しについては田中氏の見方をご参考いただければと思いますが、氏のシナリオが現実になる、ならないということよりも、ひとつの可能性として肝に銘じておくことは大切です。蛇足ですが、投資家は自分にとって都合のよい情報だけを過大評価してしまうというミスを犯すことがよくあるのです。そこで、今一度基本に立ち返り、誰にでも簡単に実行できる、“大怪我をしない”投資を行うために実践したいことを、3つの視点からレポートしました。 ぜひご自身の投資スタイルやポートフォリオの見直しにお役立ていただければと思います。

平下淳 平下淳FP事務所/代表
大手証券会社、外資系生保、独立系FP会社を経て2000年より独立。金融機関向け研修コンテンツ(講義・教材・web素材等)の企画・制作業務を手掛ける。自らも年間200回を超える講義・講演を行う傍ら、顧客向け情報発信も精力的に行う。
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※情報提供:平下淳FP事務所 本稿は平下氏による一般的な投資に対する考え方を紹介するもので、新生銀行が特定の金融商品の売買やそのタイミング等について勧誘・推奨するものではありません。本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。ご投資される際は、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。