貧富の差に見るインドの潜在的成長力
その歩道を少し進むと「あれ?」歩道の上に薄手のカーテン生地のような布に包まれた物体。よく見ると人間の足の裏が2つ布からはみ出して見えます。「寝ているんだろう。」11月半ばではありますが、朝晩でも気温25度ぐらい。「薄い布キレだけでも風邪は引かないだろう」と思いつつさらに進むと、食べ物や飲み物、雑誌を売る小さな屋台が10以上並び、忙しそうに準備中。トラックの荷台に氷の塊を積んで持ってくる人も。そしてその少し離れたところにも布に包まって寝ている人が・・・。
翌日は泊まっていたホテルで結婚披露宴があり、きれいな刺繍いっぱいのサリー、10個以上も金の腕輪をつけてキラキラ輝くアクセサリーの花嫁。そして豪華な刺繍が施された衣装の花婿。参列者も男性はシャツも上着もズボンも真っ白いフワッとした服装。女性は色とりどりのサリー。とても華やかでした。
同じホテルの中と外で、格段の貧富の差を実感しました。
日本に戻ってから、同時期にインドを訪れていたアナリストと会いました。彼はムンバイ郊外の自動車工場に行ったそうですが、市街地を離れるとだんだんに道が狭くなり未舗装な道路に・・・。そしてホコリだらけの道端で寝ている人もたくさんいたとのこと。さらに、帰りは大渋滞でまったく動かなくなってしまい、朝1時間半で行った道を5時間かけて帰ってきたそうです。そんなことから「インドの発展はまだまだ」と感じたようです。
たった1年、高速道路完成!?
しかし、ここで注意しなければいけないのが工事期間です。インドではインフラ工事にかかる時間が、日本(先進国?) の常識と比べて非常に短いようです。例えば、ムンバイ市内を移動していたときに片道2車線の海沿いの道が非常に混み合っていたのですが、案内してくれていた現地のアナリストが、海岸から200-300メートルぐらい先の何もないところを指して、「渋滞解消のためにあそこにもうすぐバイパスができる」と言うのです。ムンバイの繁華街の間を結ぶ2キロぐらいの海上バイパスの予定地でした。そこで私が「何年ぐらいかかる予定? 」と聞くと「来年の半ばには完成予定。」と。私は一瞬聞き間違いかと思いました。まだ全く着手している様子もない海の中に1年足らずの間に道路ができる? 私が驚いたのを見て、そのあとも街中で一般道路の上をビルの合間を縫って走る高架道路(2〜3Km程度)を走りながら、「この道は1年ちょっとで作った」などと誇らしげに説明します。
東京の首都高速道路も1964年のオリンピックなどのために突貫工事で作ったと聞いています。1970年代までは都内にも舗装していない道路はいたるところにありました。そう考えると「なるほど、インドは今そういう時期なのかな?」と納得しました。今、インドでは幹線道路の整備計画が目白押しです。
南北・東西の主要都市(デリー、ムンバイ、コルコタ、チェンナイなど)を十字および菱形に12,000キロ以上を結ぶ幹線道路の建設が進行中です。ちなみに日本の高速道路の総延長は7,000キロ強。国土の広い中国は10年間で約30,000キロを整備したそうです。インドでも道路建設や電力を初めとする国内投資は目覚しい伸びが続きそうです。
貧富の格差と、経済のダイナミックな発展が隣り合っているのが、インドの現状です。マイナス面があっても明日にはそれがプラスに変わっている。そんな高度経済成長への自信と力強さを感じました。

ムンバイに到着したのは夜。22時すぎにホテルに到着、時差(3時間半)と疲労でそのままバタっ、『zzz』。早朝すがすがしい気分で目が覚め、6時すぎにはホテル周辺の散歩に出ました。