はじめての資産運用
マネー・運用の疑問を専門家に!FP100人アンケート 100人のFP紹介
【第4回】 作成2007年7月
住宅購入か賃貸かはある意味で正解のないテーマで、我々FPにとっても読者にとっても永遠の命題といえそうです。
回答結果については、FPの回答が購入と賃貸でほぼ半々、読者は購入が約64%とやや多く、4回目にして初めてFPと読者の方の回答に差が出ました。住宅購入を資産運用と捉えた上で経済合理性から答えを導き出すというアプローチが多かったFPに対して、読者の方は「想定外の費用に気づき、こんなことなら賃貸の方がよかったと後悔しています(40代男性・読者)」という貴重なご自身の経験や反省をもとに回答して頂いた方が多かったように感じられました。
いずれにしても昨今の金利上昇不安、住宅の大量供給、賃料相場の高止まり、将来不安などの環境を反映してか、多くの方が正解を導き出せないのも現実のようです。
近々、住宅の購入か一生賃貸かという選択を迫られそうな方は今回のFPや経験者の意見を大いに参考にしてみてください。

平下FPのまとめ

Q 住宅は購入派 vs 賃貸派 ?
 
バブル崩壊より低迷が続いていた土地価格が都市部から回復の兆しを見せはじめたこともあってか、住宅ローン金利の見通しに関する質問をお寄せいただきました。
金利見通しのついては第1回でアンケート回答いただき、過半数の方が大きくは上昇しないと予測しているとの結果でした。
しかし金利のみではなく、インフレリスクやライフプラン、そしてライフスタイルも考慮したうえで、将来にそなえて住宅を購入するべきか、賃貸で臨機応変に生活するか、あなたはどちらを選びますか?
<公示価格の推移>

出所:国土交通省ホームページ/平成19年地価公示
※1971年〜2007年の対前年変動率より1989年を100として指数化
公示価格は毎年1月1日に国土交通省が発表する1平方メートルあたりの土地の値段ですが、売買主の個別事情が関係する実勢価格とはずれもあり、また、前年の取引を調査して勘案されるため、実勢には遅行するとも言われています。
Q 回答期間:2007年7月4日〜7月13日
 
FPの答え 半々に票が割れたFP。「まずはどうしたいかを考えて」とのスタンスが多かったようです
購入 46.1% 賃貸 53.9%

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読者の答え 6割超が購入を希望。すでに購入された方の「買ってよかった!」という選択理由も多数。
購入 63.7% 賃貸 36.3%

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FPからのコメント  
落義門FP 回答:賃貸

住宅の購入には、ほとんどの日本人がローンを組んでいますので、持ち家と賃貸の違いは、借金をするのか、しないのかになります。持ち家は、住宅ローンの金利変動リスクに加えて、換金性リスクや価格変動リスクが内在します。さらに、持ち家は、取得費用や維持・管理のコストが発生し、売却する際には売却費用が掛かります。
日本人の持ち家思考や価値観は、現役時代のライフプランの中心的な位置付けにあり、高度成長期は、上述のリスクやコストを吸収することが可能でした。しかし、成熟経済に突入した状況下では、借金による不動産の保有コストは重くのし掛かってきます。加えて、生活の本拠を固定してしまう持ち家は、その取り巻く環境が、加速する少子高齢化に伴って、今後10年から15年にかけて大きく変わる可能性を考慮しておく必要があります。例えば、居住地を管轄する市や町の財政悪化が、ある日突然表面化するなどして医療や教育、治安などの現在当たり前に享受している行政サービスや地域の利便性に大きな変化が訪れ、快適な生活を送るのが困難になることも考えられます。従って、賃貸で効率的に転居できる方が、負担が軽く、ライフプランの変更や不動産市況、住環境の変化に柔軟に対応ができ、合理的と思われます。

志野泰家FP 回答:賃貸

金利面などからして、今の間に住宅を購入したほうが有利と思われがちですが、さまざまな目に見えないリスクが有りますので、その辺りを慎重に検討した方が良いでしょう。
まず、住宅購入の場合でも将来建物の修繕費は必要です。固定資産税も掛かってきます。将来転居をして住宅を売却する可能性があることにも注意してください。たとえば家族構成の変化により間取りや広さを変更したい、子供の進路の関係で引越しをしたい、ご近所付き合いの関係で引越しをしたい、自然災害などで建物の崩壊、(地震保険でも補償は半額が上限)将来田舎暮らしをしたい、などという可能性です。
以上のような理由でせっかく購入した家を売却しないといけない可能性はゼロとは言い切れません。もちろん住宅購入を全面否定するわけではありませんが、どうしても購入したい場合は将来の売却時に、ローンの残高と売却金額の関係でプラスになるような購入方法を探して見てください、土地と建物で『建物』は減価償却される点に注意して検討すると良いでしょう。住宅購入時の月々の返済金額と、家賃との単純比較だけでは危険です。

松山尚登FP 回答:賃貸

決して住宅購入が悪いと言う訳ではありません。ただ金利先高感などからあせって購入する必要はないと言うことです。数年前から住宅購入計画を立てられて頭金も準備し、ご自身のライフステージの中で今が住宅購入の時期であるという方にとっては、購入に踏み切り易い時期ではないかと思います。『頭金なしで家が建ちます。』『家賃払うぐらいの返済額でローンが組めます。』と言った広告やセールストークにつられ衝動買いしてしまうことは避けたいものです。公示価格については、都心部では上昇傾向にあるものの、地方では今だ下げ止っていない地域も見られ、地域格差が広がっています。また少子高齢化社会を迎え人口が減少していく日本において土地の価格が急激に上昇するというのも考えにくい状況です。現在の都心におけるマンションも過剰供給気味のように感じます。ご自身のライフプランにおける住宅購入時期を決めてしっかりと準備をした上で住宅購入をされることをお勧めします。無理に住宅ローンの変動金利リスクを背負う必要はありませんよ。

浜本のり子FP 回答:購入

住宅は購入か賃貸かを考えるときの大切なポイントは、やはり個人のライフプランです。しかし、世の中を見渡してみればデフレ脱却で、これからはインフレへの対策が必要なってくるでしょう。急激な上昇はないにしても、金利、株価、不動産価格は上昇基調にあると思われます。まだまだ超低金利といえる今のうちに長期固定金利で借金をして、資産価値が上昇すると思われるモノに投資をするのが賢いやり方。従いまして、住宅は購入です。

春田孝二FP 回答:購入

住宅を購入すべきか or 賃貸 か? このような相談は、本当に多いです。 住宅購入と生涯賃貸 どちらが得といううことはないと思いますが、30代で住宅を取得して60歳までに返済すると考えますと・・・ 住宅取得は、ローン返済期間の60歳までで比べるとローン返済額の方が 大きくなりますが、家賃の方は、それ以降も支払いが続くため、最終的には逆転します。
また、万が一のことがあった場合、住宅購入の方は団体信用生命保険に 加入していれば、ローンの残債は自動的に返済され、支払いはなくなりますが、賃貸の場合は家賃の支払いが続くため、家賃相当分の生命保険に加入しておく 必要があります。これらは、数字や金額だけでどちらが得でどちらが損なんてことは当然いえません。数字・金額以外のことで客観的にみて それぞれのメリット・デメリットがありますので整理しておきます。
○住宅購入(持ち家)メリット   
・世間的に信用があるといわれる  
・子供に資産が残せる  
・不動産の売却が可能   
・万が一の時ローン返済がなくなる  
・終身での家賃がいらない
○賃貸住宅メリット   
・気軽さがあり、給与等の変動に応じて転居が出来る   
・飽きたり、古くなったら転居できる   
・維持費(固定資産税等)がいらない  
・長期ローンの心配がない
また、お子様が独立してお孫さんができた時には、 賃貸住宅より、持家のほうが来てもらいやすいということもありえます。 総合的な判断は必要ですが、私は計画的な”住宅取得”をお勧めします。

渡辺行雄FP 回答:購入

1.現在の低いローン金利の恩恵 2.ゆとりある老後を考えた場合、住宅ローンならばほとんどの方が60歳〜70歳の間で完済しているので、その分を老後の資金に充当できる。 3.老後資金に不足が発生した場合、リバースモーゲージも活用できる。 4.住宅コストを考えた場合、生涯賃貸の方が有利になるとは思われるが、現実問題として、一生涯支払い続ける家賃を予め用意しておくことは難しいと考える(お金は持っていれば、使ってしまうもの。)

読者からのコメント

レモン さん 20代女性(神奈川県) 回答:賃貸

現在正社員で勤務してはいないので新築の物件を買うより古くても安い賃貸で暮らして自分の好きな趣味やキャリアアップのためにお金を使うほうがいい。まして地震大国の日本で新築を買うとなるとまだ不安と近所付き合いが大変です。昔から住んでいる人は新築住宅を購入する人に対して町内会の集まりや騒音がうるさいと気をつけているのに嫌がらせのように言われるかやはり不安があります。 それでも自分がもし買うとしたら中古住宅を買って自分でリフォームして住んでみたいと思いますし、住宅を買うのはやはり住む環境を重視です。

noza さん 30代女性(北海道) 回答:賃貸

住宅を購入した場合の支払いや、メンテナンス等の費用を考えると、新築しても値下がりが大きく、海外に比べ耐用年数も短い等、今の日本の住宅事情では負担が大きい。

だんわん さん 30代男性(大阪府) 回答:購入

最近土地を購入しましたが、上に述べてあるように実勢価格と公示価格に大きな乖離があることに驚きました。現在の公示価格については、土地購入時には殆ど何の参考にもならないし、ましてや公示価格を楯に値段の交渉を行うというような役割も殆どないようなので、もう少し現実的な、購入時に参考になるような指数を新たに設定するべきだと思いました。

kira さん 30代女性(兵庫県) 回答:購入

毎月の支払額が家賃と同じくらいの額で、設備的にも居住環境的にも賃貸よりも高いクオリティが手に入るので購入しました。売って買い換えることは考えていないので資産価値よりも設備や環境重視の我が家には購入した方が何かと良かったと思っています。ただ伏兵はマンションの管理費や修繕積立金!そして固定資産税!単純に住宅ローンの支払額だけを家賃と比較すると痛い目に遭うと思います。それをきちんと計算に入れておくことが大切です。

義男 さん 30代男性(東京都) 回答:購入

私はマンションを購入しましたが、当初は居住目的でした。しかし、ローンの支払いが終了した現在、マンションを貸し収入を得るようなこともできると考えられ人生設計の幅が広がった気がします。

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平下FPのまとめ

平下 淳FP
ファイナンシャルプランナー(CFP)

大手証券会社、外資系保険会社などを経て2000年2月より独立。金融機関向けの教育・研修コンテンツ制作を数多く手掛ける傍ら投資家向けの情報発信も精力的に行っている。平下 淳FP事務所代表。

今回の質問についていえば、住宅購入を資産運用、つまり「不動産という資産に対する投資」と考えるか、あるいは「生涯にわたって住まいを確保するためのコスト負担」と捉えるかで回答はおおまかに分かれるのだと思います。資産運用として捉えた場合、「将来の資産価格の上昇はいまのところ考えにくい(30代読者・男性)」というコメントが示すように資産価格の上昇については慎重な見方が多かったようです。この点はFPと読者とで意見がほぼ共通していました。
しかしながら、住宅の取得が他の資産への投資、とりわけ株式投資や債券投資と異なる点は、資産の購入・取得自体に満足度が得られるということです。株式や債券を取得しただけでは満足は得られませんが、住宅取得の場合は、取得後に家具を買い揃えたり、友人を招待したりすることで様々な“満足”が得られるのではないでしょうか。このことは、「終の棲家にしてもよいと思えれば住宅購入(30代読者・男性)」「庭でバーベキューパーティーして花火がゆったりと見れるところがよかったので(30代読者・男性)」などのコメントからも窺えます。このようにマイホームの購入には、「満足度に対する対価を支払う」という側面があることを忘れてはなりません。従って、少し大雑把にいうと、住宅購入によってもたらされる満足度と住宅購入によるコスト負担(住宅ローンの金利負担や固定資産税、リフォーム費用、修繕積立金などのランニングコスト)とを比較して決めるというのが本来は合理的なのだと考えます。しかし、実際に購入される方の多くは「子供の進学時期に合わせて」「40歳までにはローンを組みたい」「社宅を出なければいけない」など、おおよそ経済的合理性とは無関係な理由に背中を押される形で住宅購入を決めているという実情もあるようです。

かくいう私も来年あたり、その選択を迫られそうですが、私自身がひとつだけ考えていることは、「住宅ローンの返済があるから」という理由で転職や独立(私の場合は自営ですから新たなビジネス展開とでもいいましょうか)の障害となるような事態だけは避けたいということです。もし買うのであれば、無理のない資金計画を立てた上でその範囲内で満足度を最大化する物件の購入を検討するのが肝心だと思うのです。
また、経済学でいうところの「利他的な遺産動機」、例えば、自分に万が一のことがあった場合に、妻や子供に資産を遺したいという動機、があると住宅ローンに団体信用生命保険を付保して住宅を購入する方が賃貸よりも合理的なのかもしれません。以前私もマンション販売業者からその点を強調され、心が動きかけたことがあります(笑)。

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