株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品を説明するページをご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。
| 【第6回】 | 作成2007年10月 |
![]() |
5月から続けてまいりましたFP100人アンケートも今回で一区切りです。 アンケート結果についてはFPの回答で「上昇トレンドに変化がない」が約70%・「低迷する」が約30%、読者の回答では「上昇トレンドに変化がない」が約60%、「低迷する」が約40%となりました。 折しもアンケートを実施したのが「米国発のサブプライムローン問題」に端を発する株安後ということもあり、コメントの中には“サブプライム”というキーワードが多く見られました。FP・読者ともに慎重派も多かった一方で、FPの回答結果では「上昇トレンドに変化がない」がかなり優勢でした。その理由として多くのFPは「新興国主導の経済成長」を挙げています。 これまで長きに渡って世界経済の牽引役を担ってきた米国をはじめとする先進国ですが、ここにきていろいろな歪みが目立ってきています。そのひとつがサブプライムローン問題だったように思えます。一部のFPが指摘しているように、米国の好景気・資産高によって過剰流動性(カネ余り)が生じ、有利な運用先を求めて地球上を駆け巡り、ひとつの信用不安から急速に萎む。その根底にはサブプライムローン関連商品の構造的な欠陥と行き過ぎたリスクテイクがあったことは否定できないと思います。いずれにせよ、先進国ではほかにも何らかの火種を抱えており、G7に代表される先進国の消費が今後も長きに渡って世界経済を牽引するという構図はもはや期待できないのかもしれません。これに代わる新たな牽引役として多くの方が新興国に期待していますが、果たしてBRICsやVISTA諸国の成長力は世界経済の救世主になれるのでしょうか? |
| 世界的な景気・マーケットの行方はどちらに? | ||
|
| 回答期間:2007年9月13日〜2007年10月19日現在 | |||||||||
|
| FPからのコメント |
| 大泉稔FP | ||
これまでの経済構造は、アメリカ一辺倒の感がありました。 しかし、最近では、国内外ともに巨大なマーケットを有する中国が台頭し、また資源と人口を多く有するVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)等が追随してきているようです。 なので、直近のニュースによる影響は一過性であり、長期的に観れば、拡大路線は続いていくものと考えております。 ともあれ、これまではアメリカを注視していれば良かった世界経済も、注目すべき国が広がった分、選択肢が増えたと言えるかもしれませんが、気配り目配りをする国が増え、また複雑になってきたとも言えるでしょう。情報収集には専門家同士の連携がますます必要な時代になってきたように思います。 |
||
| 清益功浩FP | ||
多様な金融商品が多く出ているため、今は、質の問題から、サブプライムローンと信用収縮不安が起こっていると考えています。ある程度、低迷する中で、劣悪な金融商品などは淘汰され、整理されていくと思われます。その期間は若干低迷することが予想されますが、ファンダメンタルズは悪くは無いと思いますので上昇トレンドは維持される可能性が高いと考えます。ただ上昇トレンドはゆっくりとした経済基調の中ですから、環境・エネルギー問題などで原材料の高騰などインフレ圧力が高まると、経済の回復の腰折れが出てくると考えられますので、注意が必要です。 |
||
| 小松英二FP | ||
米国経済は、サブプライム問題により景気の足を引っ張ることは濃厚であると考える。特に住宅市場の冷え込みが全体に伝播していくのではないかと思う。ただ、世界経済を考えるにあたり、米国経済の影響が落ちる反面、新興国やヨーロッパ諸国がその落ち込みをカバーするのではないかと考える。特に新興国は、資源保有国としての優位性や、働き盛りの世代が多いことが成長の原動力となり、高成長率の持続が予想される。まさに、成長に不可欠な「人、物、金」が、BRICsをはじめとする新興国に天与のかたちでもたらされたと考えて良いと思う。サブプライム問題による信用収縮が世界に広がる懸念を指摘する声もあるが、問題の所在が明らかとなり、世界的な政策協調が進む中で、適切なリスクの遮断が行なわれるものとみて良いのではないかと思う。 |
||
| 白根壽晴FP | ||
長期の景気拡大が続いてきたため、サブプライムに限らず、中国経済の過熱など世界的にひずみが拡大していると思う。何かをきっかけに質への逃避や信用収縮が起こり易い心理状況だと思われるので、今後も神経質な展開が続くと考える。 |
||
読者からのコメント
| ダッドタカ さん 40代男性(神奈川県) |
マネーゲームによる振れは大きいものの、中長期的には新興国の成長がマーケットを引っ張ると考えられる。ただ、日本の金利は国債の金利負担上昇や暴落リスクもあって政策的に急上昇はありえないと思う。
| 大和 さん 40代男性(東京都) |
世界経済は移行期を続けており、米国の影響を受けやすい一極型経済構造から、他の先進国や新興国を含めた多極型経済構造に変貌しつつあると考えている。今回のサブプライム問題の根は深く、米国の経済や金融市場は、当面、足取りの重い展開が続くと思われるが、成長率こそ鈍化するものの、世界経済は新興国を中心に成長軌道を続けると予想している。
| 夏株 さん 40代女性(神奈川県) |
アメリカの経済力ある年代の人口減少のため。ただでさえ消費が落ち込むと予想されるのに、そこへサブプライムの問題が発生した。アメリカ経済が世界を動かしている構図はそう簡単に変わるとは思えない。ヨーロッパも、オーストラリアも、自国は順調でも米ドルが下がれば一緒に下がるように思う。日本経済はアメリカとは逆に大きな流れとしては上昇すると思う。この先も世界同時株安を経験するだろうと思うが、10年から20年の流れで見た時に、日経平均株価は倍近く上がると思う。このように期待できることもあると考えているが、いったんは低迷状態に陥ると思う。
| むし さん 30代男性(東京都) |
どこまで行ったら終焉といえるのか。流動性の危機は人間の心理をそのまま反映しよう。怖くなればなるほど連鎖する。世界同時株安が残した教訓は「世界経済は確実に連鎖する」という新たな事実。各国独自の金利調整だけで金融政策をコントロールできる時代は限界に来ている。世界的に景気が拡大し、高成長が続いてきたのはまぎれもなく信用力を過大評価されたものが消費を優先したことによる。米国低所得者然り、新興国民然り。この人たちが一斉に信用力を剥奪されたとき、問題はピークを迎えよう。
| | | バックナンバー | | |
【ご注意】
本稿はFP各氏の作成日現在の考え方を紹介するもので、新生銀行が特定の金融商品を勧誘・推奨するものではありません。 読者コメントは、お客さまおひとりおひとりの投稿を、原則としてそのまま掲載したものです(※投稿内容で不適切と思われる箇所については当行にて削除・修正等をおこなう場合があります)。本資料は情報提供を目的としたものであり、いかなる有価証券の売買等を勧誘するもの、新生銀行の投資方針等を示唆するものではありません。投資される際は、お客さまご自身の責任と判断で行っていただきますようお願いいたします。
平下 淳FP
ファイナンシャルプランナー(CFP)
大手証券会社、外資系保険会社などを経て2000年2月より独立。金融機関向けの教育・研修コンテンツ制作を数多く手掛ける傍ら投資家向けの情報発信も精力的に行っている。平下 淳FP事務所代表。
「世界経済は移行期を続けており、米国の影響を受けやすい一極型経済構造から、他の先進国や新興国を含めた多極型経済構造に変貌しつつある。今回のサブプライム問題の根は深く、米国の経済や金融市場は、当面、足取りの重い展開が続くが、成長率こそ鈍化するものの、世界経済は新興国を中心に成長軌道を続ける。(FPコメントより)」
「サブプライム問題は根が深いと言われていますが、長期的に見れば世界経済は全体的に上昇トレンドになると個人的には考えています。(中略) 短期的に見れば、株価も低迷することもありますが長期運用のスタンスで臨んでいれば、今回のような問題にも一喜一憂する必要はないと思います。(FPコメントより抜粋)」
これらはいずれも「上昇トレンドに変化がない」と回答したFPのコメントです。確かに、今までのような先進国主導の成長ではなく、多くの方が今後の成長力や消費大国として期待を寄せる新興諸国主導の成長を前提に考えれば「上昇トレンドに変化がない」と捉えるのも頷けます。
中国やインドを含むアジア太平洋諸国の成長力は高い伸びを継続しており、これらの国のいくつかが数年から十数年後に先進国に成り代わる可能は十分にあるでしょう。しかし、その一方でこれらの国々も環境問題、地域紛争、人口問題などの不安材料を抱えており、こうした新興国のトップランナー達も決して順風満帆というわけではなさそうです。世界に目を向けてもテロ、原油価格の高騰など、不安材料を挙げればキリがありません。日銀総裁は株安後の記者会見で「世界経済を巡る不確実性が増大している」と懸念を表明しましが、どのような不確実性が存在し、いつ、どの国や地域で表面化するかを正確に予測することは極めて困難です。ただ、多くの方がその気配を感じているように、世界経済を牽引するプレーヤーの交代時期は確実に近づいているのではないでしょうか。我々は今後の10年から20年で世界経済のパラダイムシフトを体験することになるのかもしれません。
これまで6回のアンケート、ご愛読ありがとうございました。また、参加して下さったFP、読者の方々に感謝申し上げます。こうして一つのテーマを様々な角度から分析し自分なりの予測を立てることは、専門家であるFPのみならず、一般の投資家にとっても大変重要なプロセスです。予想が結果的に的中するか否かよりも、情報を収集し複数のシナリオを想定しながら分析する、上ブレ要因や下ブレ要因を考慮して答えを導き出すといった習慣を身につけることで、今後起こりうる事態に対しての備えができ、それが現実のものとなった場合に冷静に対処できるのだと思います。また文章に書き留めることで自分の意見や考え方、矛盾点などを整理できるという効果もあるでしょう。是非これからも実践してみて下さい。