
株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品を説明するページをご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。
1987年10月19日に米国株式市場は未曾有の大暴落を経験しました。この大暴落(NYダウ30種平均の下落率は同日だけで約23%)は後に暗黒の月曜日“ブラックマンデー”と名付けられ、多くの投資家の記憶に深く刻まれています。この米国発の株安は瞬く間に日本をはじめとする世界の株式市場にも拡大し、主要な株式市場に多大な影響を与えました(参考までに同日の日経平均株価の下落率は約15%でした)。
このような大暴落に直面すると、株式や債券といったいわゆる伝統的資産を保有している限り、投資先がどの国でも、どのような資産で保有していたとしても短期間に資産価値が大きく目減りしてしまいます。
では、もしこのような状況に直面した場合には、我々はどのように対処すべきなのでしょうか。
買っていた株や投資信託の価格が下落してきたら、円高が進んで持っている外貨が安くなってしまったら・・・、あなたならどうしますか?
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| 相場を長い目で見て 安くなったら追加買い |
反転上昇すると信じて とにかく保有し続ける |
損失が拡大しないように 一旦リセットする |
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| 最初に買ったときと経済状況が変わっていなければ、もしくは自分なりの見通しに変化がなければ、「安くなったからさらに買おう」という行為は合理的です。 しかし、経済環境等が変化しているのに、自分が元々考えていた見通しを意固地になって変えようとしないだけの場合は危険です。行動ファイナンス学では「既に保有している=上昇してほしい」という潜在意識が働いて、受け取る情報を取捨選択したり、曲解するなどのおそれがあると指摘しています。 買い増すという意識ではなく「初めて買う」つもりで、あらためて情報収集・検討をしてみるとよいかもしれません。 |
「塩漬け」は大きな評価損の存在に耐えられなくなった自分(の心)を守るために行われる面があります。たとえば「売らなければ損にはならない」は、塩漬けしてしまう人の専売特許ともいえるセリフで、自己弁護的です。 さて、塩漬けしてしまった場合に考えるべきことがあります。それは「何に投資するのが最もよいか?」です。 例えば塩漬けしてしまったA株と、実は今もっとも有望だと考えているB株があったとしたら、B株を別途買う、またはB株に乗り換えるべきかもしれません。常に有望な投資先を探す意欲を失わないことが大切となります。 |
損切りは勇気がいると思われた方、実は逆です。 |
それでは冒頭のブラックマンデーを例に、実際の対処法を考えてみましょう。
ブラックマンデー後の結果をみる限り、その時点で慌てることなく資産を持ち続けるか、あるいは株価のバーゲンセールと捉えて安値圏で買い増しをした投資家は、資産を暴落前の水準かそれ以上に増やすことができた可能性が高いのです。何故ならNY株(NYダウ30種平均)も日経平均株価も徐々に落ち着きを取り戻し、約2年後にはブラックマンデー前の水準まで戻したからです。


つまり、このことからわかるのは、この大暴落で大きな損失を確定させてしまった投資家の多くは、暴落直後に資産を慌てて売却した投資家や、株安がさらなる大暴落の序章に過ぎないと考えて、オプションのプットを購入したり、空売りをした投資家だということです。もちろん、戦後に起こった株価の急落局面でも、その時々で急落の原因は異なりますし、市場の時価総額(規模)や急落後の戻りに要した期間も異なりますから、このブラックマンデーの教訓がすべての急落局面に当てはまるとはいえません。
我々にできることは、もしこのような急落に直面しても冷静に対処し、どのような要因でそれが起こったのかを分析し情報を収集することです。
急落の要因を見極める必要があります。
(1) ファンダメンタルズ(経済の基礎的な条件)の変化によってもたらされるトレンド変化なのか
(2) 短期的な需給関係や心理的な要因によるものなのか
もし(1)であれば一旦保有する資産を売却して現金かそれに近いものに換えておくのもよいでしょう。しかし(2)の場合では、それほど慌てる必要はなく、時間の経過と共に落ち着きを取り戻す可能性が高いと考えられます。ブラックマンデーのケースでは急落後の相場が示すとおり、(2)のケースに該当しました。ここで注意したいのは、このような急落局面では悲観的な意見やマイナス材料が支配的になりやすいということです。専門家の多くは悲観的な意見を口にするかもしれませんが、我々はそれらに惑わされないだけの信念を持って行動しなければなりません。それができるか否かの鍵を握るのは、投資目的に合った資産配分で投資をしているかどうか、投資期間を自ら限定してしまっていないかどうかという基本的なことなのです。
短期的な相場の動きをどう捉えどう対処するかの難しさは、先人の教えでもある「相場格言」等にもよく表れています。急落や急騰といった場面で、いかに冷静に対処できるかは各投資家の心の強さによるところが大きいと言えるかもしれません。
参考までに相場の動きと投資家の行動心理について謳った相場格言をいくつかご紹介しておきます。
では最後に、投資後の資産配分の見直しについて考えてみましょう。
| 1.4つのコントロール | | | | |
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平下淳
ファイナンシャルプランナー(CFP)。平下淳FP事務所代表。
大手証券会社、外資系生保、独立系FP会社を経て2000年より独立。金融機関向け研修コンテンツ(講義・教材・Web素材等)の企画・製作業務を手掛ける。自らも年間200回を超える講義・講演を行う傍ら顧客向け情報発信も積極的に行っている。