はじめての資産運用
ケーススタディで考えるマネースキルアップ講座  
読者9人9様のライフプラン&資産づくりのケーススタディ
 
第4回30代、妻は専業主婦、子供ありのケース
 
 
豊田眞弓/ファイナンシャル・プランナー

マネーカウンセリングネットWealthメンバー。1995年より独立系FP。新聞・雑誌、サイトへの寄稿・監修、個人相談業務、セミナー講師などで活動しており、生活感あるアドバイスに定評がある。「今日からのお金持ちレシピ」(明日香出版社、共著)、「住宅ローン賢い人はこう借りる」(共著、PHP研究所)ほか著書も多数。
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ケーススタディ
ケーススタディ3:(34歳男性Sさん)
「世帯年収手取り500万円で貯蓄は300万円。子供は2人、住宅ローンあり」
<Sさんのプロフィール>
34歳会社員、既婚。妻は35歳専業主婦、子供は長女5歳(年中)、長男2歳。
住まい持ち家(マンション)、2003年住宅取得
手取り年収手取り(夫)約500万円
(税込み約570万円)
年間貯蓄:約80万円
手取り月収手取り(夫)約32万円
貯蓄300万円(110万円は普通預金、150万円は定期預金、財形貯蓄40万円)
貯蓄内訳予備費200万円、子供の教育資金40万円、繰上げ返済60万円
 
<Sさんのライフイベント表 (単位:万円)>
 
西暦長女長男

ライフイベント

予算 備考
2004343552長女幼稚園、繰上げ返済120 
2005353663車の買い替え1200 
2006363774長女小学校、繰上げ返済120 
2007373885長男幼稚園  
2008383996繰上げ返済120 
20093940107長男小学校  
20104041118繰上げ返済120 
20114142129家族旅行70 
201242431310長女中学、繰上げ返済120 
201343441411車の買い替え2200 
201444451512繰上げ返済120 
201545461613長男中学校、長女高校400長女の教育費を高校入学までに400万円
201646471714繰上げ返済120 
201747481815   
201848491916長女大学、長男高校、繰上げ返済120長男の教育費を高校入学までに400万円
201949502017   
202050512118繰上げ返済120 
202151522219長男大学  
202252532320長女就職、繰上げ返済、ローン完済120 
202353542421車の買い替え3200 
202454552522   
 
<Sさんの未来のために必要な貯蓄 (単位:万円)>

目的

目標金額
(1)


いつまで


現在の貯蓄
(2)

必要貯蓄額
(2)−(1)

年間貯蓄目標
貯蓄プラン
金融商品
毎月毎月ボー
ナス年間
予備費200常時普通預金50
定期預金150
0000-
長女の
教育資金
40011年後財形貯蓄40
36033121
財形貯蓄
長男の
教育資金
40014年後040029117財形貯蓄
住宅ローン
繰上げ返済
1201年後普通預金606060236普通預金
家族旅行707年後07010010外貨預金
老後資金? 30年後0?1210投資信託
合計 >>> 300890144584 
教育資金の準備法
Sさん:うちは子供2人とも公立中心の進路で考えています。大学は私立の可能性もあるとは思っています。一番気になるのは、教育資金をいくら準備すればいいかです。一応、1人400万円は準備したいと思っていますが、これで大丈夫でしょうか?

豊田:最初に考えるべきは、親としてどこまでやってあげるのかですよね。子供の教育資金と親の老後資金は、微妙なトレードオフの関係にもあります。しかも、かつてのように子供に老後の世話をしてもらう時代でもありません。個人的には、一定以上は子供自身が奨学金を借りるなどでどうにかしてもらっていいのではないかと思っています。

Sさん:確かにそうですね。できるだけのことはしてあげたいとは思いますが、そのおかげで自分たちの老後が貧しくなって、子供たちに迷惑をかける結果になるのは避けないといけませんよね。

豊田:そうです。高校・大学分として400万円まではやってあげるけれど、足りない分はこういう方法があるよとアドバイスすることです。ただし、それは中学くらいから心積りさせておくのも大事でしょう。一方で、老後資金の準備は早めに始めておく必要があります。

Sさん:あまり子供にお金の苦労は見せたくないですが、確かにない袖はふれませんしね。老後資金は、とりあえずは月1万円ずつ投資信託を購入しようと思っています。今は妻が専業主婦だし、教育資金の準備や、住宅ローンの繰上げ返済をがんばっていきたいので、それが限界です。

豊田:今はあまりムリしなくていいと思います。とりあえず始める、というのでもすばらしいことです。
繰上げ返済と投資
Sさん:今、1つ悩みがあるんです。住宅ローンを抱えているのですが、繰上げ返済を優先すべきか、もっと投資などにお金を回すべきか・・・。

豊田:ローンはどんな内容ですか?

Sさん:昨年、3,000万円を期間35年、金利3.8%(全期間固定)で借りて、マンションを買いました。ボーナス払いはナシで、毎月12万9,985円の返済です。

豊田:全期間固定で借りていらっしゃるんですね。期間も35年と長いですし、正解だと思います。少なくとも10年固定以上では借りてほしいと思うのですが、子供がいて家計がきつきつのご家庭でも、変動金利や1〜5年の短期固定金利で借りていらっしゃる人もいて、家計を拝見するとこっちが怖くなります。

Sさん:金利が上がった時のリスクは取りたくなかったんです。それより、繰上げ返済して利息を浮かせていけばいいだろうと考えたんです。

豊田:すばらしい! 繰上げ返済か投資かというご質問ですが、借入れ金利以上の運用ができるなら、当然運用した方がいいでしょう。でも、確実にそんな高い金利で運用できるものなどはありません。

Sさん:とするとやっぱり繰上げ返済が一番の運用ってことですね。

豊田:そうですね。ただし、手元に必ず予備費を残し、教育資金や老後資金準備も、今はペースが遅くても平行して進めながらの繰上げ返済が理想です。それは家計全体の安全性を保つためです。

Sさん:なるほど。実は、このコーナーで紹介されていたライフイベント表と貯蓄プラン表を作成して調整してみたところ、2年に1回120万円程度の繰上げ返済をするなら無理がないことがわかったんです。もちろん、教育資金や老後資金も貯めながらです。

豊田:それはいいですね。2年に1回120万円の繰上げ返済を続けると・・・(電卓を叩く)、だいたい21年弱で完済できます。しかも、繰上げ返済で浮く利息は、事務手数料を差し引いても900万円近くなります。ぜひ実行しましょう。

Sさん:そんなに浮くんですか! そういうのを聞くとありったけ繰上げ返済したくなりますね(笑)。

豊田:さっきも言ったように、家計のバランスをとりながらほどほどに繰上げ返済を行うことが大事です。

Sさん:ちょっとした気の迷いです(笑)。私も安全志向型人間ですので。今の方向性で間違いがないとわかったので、このままがんばります。老後資金部分や家族旅行分などで多少は投資もできそうなので、楽しみたいと思っています。

豊田:その調子です。がんばってくださいね。
ご相談コーナーへのお問い合わせありがとうございます。「わが家の家計はどうでしょう?」「こういう事例を取り上げてほしい」といった声がたくさん寄せられております。今回も、寄せられた声にお答えして、第6回に高齢ご出産された方のケースを加えさせていただきました。即座にご回答できず申し訳ございませんが、できるだけケースを増やしてご回答するか、なるべく内容に反映させていきたいと思っております。これからも宜しくお願いいたします(申し訳ございません、直接のご返事はできかねますので、お急ぎの方はご容赦くださいませ・・・)。

次回は、30代半ば、独身のケース(8月掲載予定)を取り上げます。ケーススタディでは、『手取り年収450万円で貯蓄は400万円。結婚はしないかも・・・、家は買えるなら買おうかと考え始めた』という36歳女性の方の事例です。
 2004年7月
マネーカウンセリングネットWealth 豊田眞弓
ファイナンシャルプランナー / ファミリーリスクコンサルタント
 
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第1回>>> 永続可能な家計を作ろう
第2回>>> 20代独身のケース
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「手取り年収350万円で貯蓄が60万円! 結婚資金はどう貯めればいい?」
第3回>>> 30代DINKS(共働きで子どもはいない)のケース
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「世帯年収手取り700万円で貯蓄は600万円。3年後にマイホームを購入する予定」
第4回>>> 30代、妻は専業主婦、子供ありのケース
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「世帯年収手取り500万円で貯蓄は300万円。子供は2人、住宅ローンあり」
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「手取り年収450万円で貯蓄は400万円。結婚はしないかも・・・、家は買えるなら買おうかと考え始めた」
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第10回

>>> 50代で子どもは自立のケース
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「世帯年収手取り820万円で貯蓄は1,000万円。子供たちも巣立ち、急に家計にゆとりがでました。そろそろ老後の準備をしなくてはと思いますが、どれくらい貯めればいいのでしょう」