はじめての資産運用
ケーススタディで考えるマネースキルアップ講座  
読者9人9様のライフプラン&資産づくりのケーススタディ
 
第5回30代半ば、独身のケース
 
 
豊田眞弓/ファイナンシャル・プランナー

マネーカウンセリングネットWealthメンバー。1995年より独立系FP。新聞・雑誌、サイトへの寄稿・監修、個人相談業務、セミナー講師などで活動しており、生活感あるアドバイスに定評がある。「今日からのお金持ちレシピ」(明日香出版社、共著)、「住宅ローン賢い人はこう借りる」(共著、PHP研究所)ほか著書も多数。
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ケーススタディ
ケーススタディ5:(36歳女性Fさん)
「手取り年収450万円で貯蓄は400万円。結婚はしないかも・・・、家は買えるなら買おうかと考え始めた」
<Fさんのプロフィール>
36歳会社員、独身。
住まい賃貸マンション
(親が800万円を生前贈与してくれる予定)
手取り年収手取り約450万円(税込み約560万円)、
年間貯蓄:約60万円
手取り月収手取り約30万円
貯蓄400万円(50万円は普通預金、100万円は定期預金、財形貯蓄200万円、外貨預金50万円)
貯蓄内訳予備費150万円、結婚資金(?)100万円、住宅資金150万円
 
<Fさんのライフイベント表 (単位:万円)>
 
西暦 本人 ライフイベント予算
200436住宅取得1000
200537  
200638  
200739  
200840海外旅行(1)40
200941  
201042  
201143  
201244  
201345  
201446海外旅行(2)40
201547  
201648  
201749  
201850  
201951  
202052海外旅行(3)40
202153  
202254  
202355  
202456  
 
<Fさんの未来のために必要な貯蓄 (単位:万円)>

目的

目標金額
(1)


いつまで


現在の貯蓄
(2)

必要貯蓄額
(2)−(1)

年間貯蓄目標
貯蓄プラン
金融商品
毎月毎月ボー
ナス年間
予備費150常時普通預金50
定期預金100
0000-
結婚資金
(使わなけれ
ば老後用)

200?財形貯蓄50
外貨預金50
1001210
財形貯蓄
住宅資金970今年親から800
財形住宅150
2020020財形貯蓄
海外旅行404年後04010010定期預金
老後資金1,00025年後01,00040216年金財形
投資信託
合計2,360-1,2001,16082346-
結婚は??家は買えるなら買いたいが・・・
Fさん:そろそろ家でも買おうかなあと考え始めたんです。一戸建てを自分の好みに建てて、ガーデニングしたりするのが目下の夢なんです。

豊田:そうですか。資金的にはどうなんですか?

Fさん:親が、800万円の生前贈与をしてくれるといっているんです。私も400万円の貯蓄があるし。

豊田:相続時精算課税制度を利用した贈与のことですね。それは恵まれていますね。

Fさん:家は欲しいけれど、一方では、老後も一人かもしれないことを考えると、お金を使わず増やしていくほうがいいのかしらと悩んだり。でもやっぱり、老後のためにも持ち家がほしいとも思ったりして、頭のなかでぐるぐると考えているんです。

豊田:プライベートなことをお聞きして済みません。ご結婚は考えていないんですか?


Fさん:いい相手ともめぐり合うことなく来てしまって。決して結婚したくないわけではないんですけど、このままならこのままでもいいか、と思い始めたのです。マイホームは一人でがんばって生きていくぞ!という証しとしても欲しいと思ったんですよね。

豊田:30代半ばで、結婚しない選択を決定付けるのは早すぎるのでは? あと数年は様子を見る、というのも1つの選択です。ムリして小さな家を買って、その後に結婚することになった場合、手狭になって買い換えが必要になることもあります。であるなら、ライフコースがはっきりしないうちは我慢して、その間に住宅資金をさらに貯めて、本当に家が欲しいと思った時にできるだけ小さなローンを組んで買えばいいのです。

Fさん:なるほど、そうですね。

豊田:それと、残念なことをお伝えしなければならないのですが、現在の資金内容で、東京近郊で土地を買って注文住宅を建てるのは、かなり厳しいです。現在のFさんの家賃と同程度の月8万円の返済で35年ローンを借りた場合、借りられるのは1,930万円(金利3.5%で試算)。これに住宅資金970万円を足しても2,900万円。諸費用分を引くと、2,700万円程度の物件となり、Fさんの理想の家は買えそうにないのでは?

Fさん:4,500万円くらいの予算を考えていましたが、3,000万円にも満たないんですね。それだと理想の家にはどちらにしても住めません・・・。

豊田:それから、35歳で家を買った場合、仮に新築で買ったとしても70歳で35年となるので、建て替え期に入ります。それまでの間もリフォーム費用がかかる中、そうしたお金を貯めることは可能でしょうか。もちろん、40年でも50年でも、建て替えずに住もうと思ったら住めないわけではないですけれど。

Fさん:実家がちょうど築30年の一戸建てですが、古くて早く建て直したらいいのにと思ってました。築50年の一戸建てに住むのは、自信ないですね。確かにご指摘の通りで、ローンを払いながら、他に貯蓄をする余裕はないと思います。買うなら今年と思ってましたが、様子を見ることにして、資金を貯めるようにします。

豊田:そうですか。貯蓄ペースも現在は年間で1割強ですが、できたらもう少しあげて2割を目指したいですね。「未来のために必要な貯蓄」は年間で82万円の貯蓄をすることを前提にしています。住宅の計画は修正していませんが、ここも後で調整してみてください。

Fさん:住宅に関する迷いはすっ飛びました(笑)。
貯蓄と投資
Fさん:貯蓄や投資のことでお聞きしたいのですが。親が生前贈与をしてくれる予定の800万円はどう運用したらいいでしょう。。

豊田:5年以上寝かせる予定なら、そのうちの1〜3割、80万〜240万円程度は投資に回してもいいのではないかと思います。仮に100万円を運用に回すのであれば、複数の投資信託を組み合わせるといいでしょう。投資信託は1万円から買えるので、100万円を運用するからといって1度に全額を運用せず、基準価額の変化を見ながら、5万円、10万円ずつ買い足していくのも方法です。

Fさん:老後資金用としてはこれまで貯めてこなかったのですが、やはり準備をした方がいいのですね。

豊田:シングルで生きていく覚悟は、住宅を買うことよりも、老後資金の準備を始めることで「証し」とすべきです。何を隠そう私もコブつきながらシングルなのですが、かつて老後資金プランを立てて実践することで、「不安」を払拭しました。

Fさん:シングルで生きる「不安」の正体は老後の生活ですから、それに向けて貯めて増やすことは大事ですね。年間40万円ずつ貯めれば、これから25年間で元本だけで1,000万円。あとはいかに増やすか、ですね。

豊田:その通りです。Fさんの会社では退職金制度があって、それが老後資金になるということなので、元本で1,000万円を目標にしてみました。運用は年金財形と投資信託の組み合わせでいいと思います。

Fさん:わかりました。住宅をどうするかの迷いも消えて、なんだか元気になってきました。

豊田:その調子です。がんばってくださいね。
ご相談コーナーへのお問い合わせありがとうございます。即座にご回答できず申し訳ございませんが、なるべく内容に反映させていきたいと思っております。これからも宜しくお願いいたします(申し訳ございません、直接のご返事はできかねますので、お急ぎの方はご容赦くださいませ・・・)。

次回は、40歳、高齢出産のケースです。ケーススタディでは、『世帯年収手取り700万円で貯蓄は800万円。住まいは賃貸マンション。遅く子供が生まれ、できたらもう1人をと考えています』という40歳女性の方の事例です。
 2004年8月
マネーカウンセリングネットWealth 豊田眞弓
ファイナンシャルプランナー / ファミリーリスクコンサルタント
 
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